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冒険終わりのその先は?魔王討伐後の世界を描いたファンタジー漫画3選

力を持った勇者が、人に仇なす魔王を倒すまでの物語――

RPGロールプレイングゲームでもお馴染みの筋書きですが、「魔王がどんな人物だったのか」「魔王が倒されたあとの世界はどうなっていくのか」、物語の先の先が気になる人も少なくないのでは?


このnoteでは、「勇者が魔王を討伐したあとの世界」を舞台にしたファンタジー漫画を3作品ご紹介します。

同じ道筋だとしても、作品によって世界の行き先は千差万別!

このnoteも参考にして、ご自身好みの世界観で描かれた作品を探してみてくださいね。


◆ただの村人が新魔王になっちゃった!! RPGあるある満載のコメディファンタジー『すだちの魔王城』


ご紹介する漫画1作目は、『すだちの魔王城』(森下真もりしたまこと/講談社)です!



『すだちの魔王城』は2025年1月現在、講談社の「月刊少年マガジン」で連載されている作品です。

KADOKAWAグループのユーザー参加型マンガ賞「次にくるマンガ大賞 では、コミックス部門で2022年:122023年:5を獲得しています。


『すだちの魔王城』
○作者 森下真もりしたまこと
○出版社 講談社
○巻数 9巻(2025年1月時点)


【あらすじ】

魔物モンスター・魔族を率いる魔王との争いを、聖剣に選ばれた勇者が終わらせた世界。

世の中は平和になったが回復薬といった商品があまりに売れず、とある道具アイテム屋の少年店長・ムラビトは廃業の危機に立たされていた!

"勇者が最初に訪れた道具アイテム屋"の店長である以外は何者でもない一般人のムラビトだが、とある事故から"元魔王"と自称する少女・マオに命を救われ、なんと自らが新たな魔王となってしまう。

敵対していた魔物モンスターに慕われたり、憧れだった勇者に命を狙われたり、ムラビトの運命や如何に――

笑いあり涙ありのコメディファンタジーが、今幕を開ける!


【感想レビュー】

『すだちの魔王城』は平和になった新しい世界で、登場人物たちが変化・成長していく様子がとにかくカッコいい


登場人物は"弱体化して1人の少女と化した元魔王"・"鬱で休職中の勇者"……などなど、戦い後の状況は皆さまざま。

上記の2人はとくに"人間と敵対していた種族の頭目"・"人間から注目される有名人"ということもあって、新たな世界に戸惑い、素の自分を受け入れてくれる居場所がなく苦悩します。

そんな中、人と分け隔てなく接する主人公・ムラビトとの出会いを経て、新しい世界で自分はどう生きたいか向き合い、成長していく姿勢が応援したくなるのです。


その他にも回を増すごとに、一癖も二癖もある魅力的な登場人物が続々と出てきます。

RPGロールプレイングゲームあるあるな小ネタも満載な世界観なので、テレビゲーム好きな方もぜひ『すだちの魔王城』を読んで見てくださいね!



【作者】

『すだちの魔王城』の作者は、漫画家・森下真もりしたまことさんです。

森下真さんが過去に描いた主な作品は、以下のとおり!



森下真さんはX(旧Twitter)をメインに、以下のSNS発信も行っています。

単行本では見られないイラストも投稿されていますので、物語の裏側・登場人物の新たな一面を見てみたい方は必見です!



また森下真さんのX(旧Twitter)では、『すだちの魔王城』の物語を一部公開しています。

2025年1月時点で掲載しているの、以下のとおり。

「試し読みしてみたい」という方も、ぜひチェックしてみてくださいね!




◆長命なエルフが"人間を知る"ための旅路。静謐な空気が漂う後日譚ファンタジー『葬送のフリーレン』


ご紹介する漫画2作目は、『葬送のフリーレン』(山田鐘人やまだかねひと:原作、アベツカサ:作画/小学館)です!



『葬送のフリーレン』は2025年1月現在、小学館の「週刊少年サンデー」で連載されている作品です。

2024年9月28日にはTVアニメ2期の制作が発表され、これまでに以下のマンガ賞を数多く受賞しています。



『葬送のフリーレン』
○作者 山田鐘人やまだかねひと:原作、アベツカサ:作画
○出版社 小学館
○巻数 13巻(2025年1月時点)


【あらすじ】

魔王を倒した勇者一行の1人・フリーレンは、長命なエルフの魔法使い。

仲間との旅から50年ぶりに再会した勇者・ヒンメルの死をきっかに、フリーレンは仲間に思いを馳せながら"人間を知る"旅へ出る。

かつての仲間に縁のある人間・フェルンやシュタルクとともに、フリーレンは死者と対話できるとされる魂の眠る地オレオールを目指すことに――

これは人間を知りたい、とあるエルフの後日譚。

英雄なかまの生き様を追憶し、さまざまな人との出会い・別れを繰り返しながら、フリーレンの旅は続く。


【感想レビュー】

『葬送のフリーレン』は読んでいるあいだ、シーンとした静けさを感じます。

とくに序盤は登場人物も少ないため静まり返るように感じ、そのぶん落ち着いた状態で物語に引き込まれます。


これまで「なぜここまで静かに感じるのだろう?」と思っていましたが、漫画特有の"人・物の動作"を表す表現エフェクトが少ないからではないかと感じています。

漫画特有の表現が少ないことで場面の一瞬一瞬を切り取っているようにも見え、どこか写真を見ているような感覚に近いです。

それもあって登場人物の心情を読者側が想像する余地も残されていて、「この人は今何を考えているのだろう」と、現実で人と会話しているときと同じように感じます。


「アニメは見たけど漫画は読んでない」という方も、ぜひご自身でこの不思議な感覚を味わってほしいです!



【作者】


『葬送のフリーレン』は原作・作画で分担し、2人の作者により描かれています。

『葬送のフリーレン』を描いているお2人は、以下のとおりです!

  • 山田鐘人やまだかねひと(原作)

  • アベツカサ(作画)

ここからは、お2人についてそれぞれ紹介していきますね。


山田鐘人やまだかねひと(原作)

『葬送のフリーレン』の原作を担当しているのは、漫画家・山田鐘人やまだかねひとさん。

山田鐘人さんの過去作品は、以下のとおり!


『葬送のフリーレン』公式X(旧Twitterにて、ときおり山田鐘人さんの描いたフリーレンたちが見られることも!


○アベツカサ(作画)

『葬送のフリーレン』の作画を担当しているのは、漫画家・アベツカサさん。

アベツカサさんの過去作品は、以下のとおり!


アベツカサさんは、以下SNSでの発信も行っています。


アベツカサさんのX(旧Twitter)では、『葬送のフリーレン』本編の一部を公開しています。

2025年1月時点で掲載されているのは、以下の3話です。

試し読みしてみたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね!




◆今を生きる魔族・モンスターを救い出せ! 異色の医療ファンタジー『獣王と薬草』


ご紹介する漫画3作目は、『獣王と薬草』艮田竜和こんだたつかず:原作、坂野旭さかのあさひ:作画、ももちち:キャラクターデザイン/小学館)です!



『獣王と薬草』は2025年1月現在、小学館の「裏サンデー」「マンガワン」にて連載中の作品です。

テレビ番組「川島・山内のマンガ沼」(読売テレビ)にてかまいたち・山内健司さんから紹介されたり、先述した『葬送のフリーレン』の原作者・山田鐘人さんからも推薦コメントを受けたりしており、着々と注目を集めています。


『獣王と薬草』
○作者 艮田竜和:原作、坂野旭:作画、ももちち:キャラクターデザイン
○出版社 小学館
○巻数 4巻(2025年1月時点)


【あらすじ】

勇者による魔王討伐をもって、150年間続いた人と魔族の争いが終結した世界。

魔族は姿を消したものの、貴重な資源アイテムを落とす【モンスター】と、魔族が作った建造物【ダンジョン】だけが残され、冒険者たちがこぞって宝を狙う《冒険者時代》が幕を開けた。

そんな魔王討伐から20年後、モンスターとの戦闘で重症を負った冒険者・ティナは、勇者に倒されたとされる魔王の幹部・獣王ガロンと遭遇するが、予想外にも彼の手によって命を救われる。

「医者」としてモンスターを治療しながら各地のダンジョンを保護するガロンと行動していくうち、ティナは魔族・モンスターの実態と、人も知らない世界の大問題を目の当たりにする――


【感想レビュー】

『獣王と薬草』は仲間・同胞を数多く失った中で、残された魔族・モンスターのために今自分にできることを全身全霊でこなすガロンの姿勢が
カッコいい
です。


物語の中には子を持つ母だったり、戦争で主人を失ったりという、さまざまな事情や過去を持つ魔族・モンスターたちが登場します。

彼らに対してガロンは医者として手を差し伸べ、魔族の生き残り・魔王の元幹部としても、路頭に迷う魔族・モンスターたちを先導していくのです。

"勇者に倒された"という挫折を乗り越えて、今を生きる魔族・モンスターたちの命に全力で向き合うガロンの姿は、彼の過去とのギャップが相まって胸打たれる方も多いのではないでしょうか。


『獣王と薬草』は魔族・モンスター視点から物語が描かれますが、ティナをはじめとした"人"と今後どのように関わっていくのかも見どころです。

重厚感のある世界観で描かれるファンタジー『獣王と薬草』、ぜひみなさんも読んでみてくださいね!



【作者】

『獣王と薬草』には、3人の作者が携わっています。

『獣王と薬草』の作者3人は、以下のとおりです!

  • 艮田竜和こんだたつかず(原作)

  • 坂野旭さかのあさひ(作画)

  • ももちち(キャラクターデザイン)

ここからは上記の方々について、それぞれ紹介していきますね。


艮田竜和こんだたつかず(原作)

『獣王と薬草』の原作を担当しているのは、漫画家・艮田竜和こんだたつかずさんです。

艮田竜和さんは『獣王と薬草』に加え小学館の「裏サンデー」「マンガワン」にて、原作者として『銀狼ブラッドボーン』を連載中です。

艮田竜和さんはX(旧Twitter)アカウントも開設しているので、ぜひチェックしてみてください!


坂野旭さかのあさひ(作画)

『獣王と薬草』の作画担当は、漫画家・坂野旭さかのあさひさんです。

坂野旭さんの他作品は、以下のとおり!



坂野旭さんは以下のSNSで発信もしており、X(旧Twitter)では『獣王と薬草』の第1話を公開しています。

「試し読みしてみたい」という方は、この機会にぜひ見てみてくださいね!



○ももちち(キャラクターデザイン)

『獣王と薬草』は、イラストレーター・ももちちさんがキャラクターデザインを務めています。

ももちちさんはX(旧Twitter)での発信もしているので、ファンタジー感あふれるイラストをぜひ見にいってみてください!



魔王が倒された世界の"その後"を見届けよう


このnoteでは、「勇者が魔王を討伐したあとの世界」を舞台にしたファンタジー漫画を3作品ご紹介しました!

今回あげた3作品は、以下のとおりです。


  • 『すだちの魔王城』(森下真もりしたまこと/講談社)

  • 『葬送のフリーレン』(山田鐘人やまだかねひと:原作、アベツカサ:作画/小学館)

  • 『獣王と薬草』(艮田竜和こんだたつかず:原作、坂野旭さかのあさひ:作画、ももちち:キャラクターデザイン/小学館)


「勇者が魔王を倒す」という共通した筋書きでも、その世界の行く先はさまざまです。

倒されたはずの魔王が実は生きていたり、世界に新たな問題が生まれていたり、物語はまだまだ続いていきます。

ご紹介した3作品をはじめ、いろんな"その後の世界"へみなさんも触れてみてくださいね!

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