Final Cut Proを使って良かった点と微妙な点
有料動画編集ソフトのFinal Cut Proを使い始めてしばらく経ったのですが、かなりコスパが高くできる事が多い点に気が付きます。
そこで今回はFCPを使って良かったことと微妙だと思う点をご紹介していきます。
よかった事
・一生使える買い切り
Final Cut Proの一番の良さがこれだと言う人も多いです。
例えば筆者はAdobe CC を使っていますが正規で使うと年間約7万円かかります。10年で70万円です。
一方のFCPXは買い切りの4万円なので10年使っても4万円です。1年に換算すると4000円です。
「映像にこだわりはないけどYouTubeでそこそこの品質の動画を配信したい」「毎年ソフトに払うお金が稼げるか分からない」「プロも使う手軽なツールが欲しい」という場合は適しているでしょう。
・カスタムが簡単
どちらかというとAdobeは1から作り上げるのに対し、Final Cut Proはあらかじめ準備された素材を組み合わせて作り上げる要素が大きいため作成の時間が短縮されます。
例えば1からシェイプ(図形)を作らなくてもビデオカメラのようなフレームが準備されていたり、プリズムなどのフィルターも多数あるため適用するだけでエモい表現ができたりします。
インスタやTikTokのフィルターに似ているため始めたばかりの初心者でも使いこなすのに時間はかからなかったりします。
・CGテロップが楽に作れる
3Dのテキストを作る場合AdobeはElement 3Dなどのプラグインを別に購入したりCinema 4Dなどの高額ソフトが必要になりますが、FCPはすでに3Dテキストが準備されているため簡単に挿入ができます。
筆者も驚いたのが単に3Dを作るだけでなく、3Dの質感として金属や木製、石などの材質を選んだり影の方向など細かく設定ができる事でした。
簡単に立体的なテキストの動きを作れますが、動画を見ただけでは3DCGソフトを使っているように見えます。
・トラッカーの精度が高い
映像の中で動くものを追跡することで例えば自動的にモザイクをつけたりすることができます。
Adobe Premiere ProやAfter Effectsにもトラッキングできる機能はあるのですが、FCPはかなりサクサクと解析して速攻でしかも精度が高いトラッキングをしてくれたりします。
ちょっとしたVFXなどAfter Effectsが必要になりそうなシーンでも使えそうです。
・アップデートで時代に追いついてくる
VRやYouTubeの360度方向を変えられるカメラにも対応してました。
これはどういうことかというと、Final Cut Proは買い切りソフトにも関わらず現代のガジェットに合わせて頻繁にアップデートされているということです。
先のトラッカーの機能も2021年から進化しましたし、Appleという莫大な資金力のある会社なので高度な機能が登場してくることでしょう。
サブスクで毎年お金を払う理由の一つが「アップデート」だったりしますが、FCPは買い切りにも関わらずそれをやってくれるのは破格です。
他のソフトと連携できる
FCPの機能に満足できない場合はいくつか拡張する方法があります。
例えばiMovieという無料動画編集ソフトでは予告編が作れるテンプレートが準備されていますが、これをFCPに持ってきて編集することもできたりします。
他に、Compressorでは書き出しの設定を拡張したり、MotionというソフトではAfter EffectsのようにさらにFCPXの機能を一段階アップグレードする事ができたりします。
参考にできる情報が多い
Appleの提供するソフトなのでネット上に色々とチュートリアルや参考となりそうな情報が多いのは助かるかもしれません。(Adobeには敵いませんが。)
またFinal Cut Proのためのプラグインやテンプレートも準備されていたりするので、さらに人とは違った映像を作る場合はネット上で探してみると良いでしょう。
iPhoneから直接動画を読み込める
iPhoneで30分以上とか動画を撮っていた場合、わざわざパソコンに読み込んでから編集をするのは面倒くさいです。
そこでiPhoneとMacを接続するとFinal Cut Proに直接iPhoneのデータを読み込めるため、Macの容量が圧迫されずに済んだりします。ライブ動画とかを撮影してYouTubeにパソコンからアップしたい場合などには使えると思います。
ここまで良い点を書いてきましたが、とはいえ筆者は映画などを作るとすればやはりAdobeやDavinci Resolveを使います。
そこはまだFinal Cut Proではできない部分があるので色々と書いてみます。
微妙だと思う点
・書き出し設定が限られる
書き出しを行う場合、Final Cut ProだけでなくCompressorなどを使うことでさらに書き出しの設定が自由になりますが、それでもまだ書き出しの設定の範囲が限られているという感じです。
例えばGIFを書き出す場合も小さいサイズしか用意されていなかったりします。
・自由度が限られる
テンプレートやフィルターが準備されている一方でオリジナリティに欠けるという部分があります。
他のクリエイターも同じような機能を使ってるのを見受けられ「あ、この人FINAL CUT PROを使ってるな」というのが分かったりします。
編集としての自由度はそこまで多くないので、決まりきったYouTubeなどの定期配信やカット編集をする人には合っていますがエフェクトが多い作品を作る場合は少し物足りなさを感じるかもしれません。
・Windowsユーザーに伝わらない
Mac専用のソフトなので例えば共同作業をする場合に相手がWindowsユーザーだとデータを共有できません。
その点はAdobeは全てのユーザー向けなのでデータ共有する事ができます。
・容量がいっぱいになる
ファイナルカットプロは編集をしているとイベントのデータがコンピュータに蓄積されていくためストレージをかなり食います。
そこで「生成されたイベントファイルの削除」を行って容量を空ける必要が出てくるのは少し面倒かもしれません。
・キーフレームが見にくい
動きを作る際にキーフレームを作っていきますが使いづらいです。
After Effectsのような細かい作業を行う場合であればやはりFinal Cut Proでは機能面で足りない箇所が多いですね。
まとめ
iMovieやKeynoteなどの無料ソフトよりも少しだけ機能を充実させたいという人には良いのではないかと思います。
例えば「お店の宣伝にYouTubeやインスタに動画を投稿したい」「保育園や学校で撮った子供のショート動画を作りたい」などであれば、そこまで細かい編集は必要ないのでFCPを一つ持っておくと手軽に作業できる印象です。
とはいえ映像を仕事にしていきたい場合はやはりAdobeなどを検討すると良いと思います。
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