【クソマイシリーズ】善意とマスターベーション
ある日のクソマイ(=クソマイノリティ)エピソード。
車イスユーザーの私が平坦なところで車イスをこいでいると、「お手伝いしましょうか?」と声を掛けてくれたおば様。
私が「あ、大丈夫です、自分でおします。ありがとうございます。」というと
「無理しないで~たまには楽したっていいんだから~」と無遠慮に押してきた。
ちなみに車イスの押し方にはその人の性格が出るものだ。はっきり言ってその無遠慮さが恐怖だった。全然楽じゃない。
「もう大丈夫です」と言おうと意を決しておばさんの方を振り返った時!!!!!
な、なんとそこには恍惚とした表情のおばさんが!
予想外な表情に動揺する私。も、もしかして気持ちよくなってる?車イスを押してる自分に?ん?なんだ?混乱しながらも本能的危険を察知し「もう、ここで大丈夫です」と勇気を出して言ったところ、喰い気味に
「いーの、いーの。私、あそこまで行くからそこまで押してくわよぉ。」とアンニュイな感じで言ってきた!!!!
これまた予想外に断られたーー!!!もはや私の顔は完全に目に入ってない!!とろんとした目でちょっと遠くを見つめてる。心なしか鼻息まで荒くなってる!!!
ヤバい、ヤバい、ヤバい!!!おばさん、完全に気持ちよくなってもーた!!これってもしかして自慰行為ってやつ!?ま・さ・か・のマスターベーション!
公衆の面前で!?私を使って!?落ち着け、落ち着くんだ、私。
こ、これは通報レベルの出来事だ…。このままやり過ごすしかないのか、私!
いや、このままおばさんの慰みものになり続けてたまるか!
私「もうここで結構です!(大きめの声で)」
おばさん「……」笑みを浮かべ完全スルー。
おーっと、もはや私の声さえも耳に入らないのね、そうなのね。そっか…。もう止められないんだ、途中で止められないところまでお達しになってるだ!!!!一歩一歩がおばさんの昇天へと近づいてるんだ!!!
私が心の中で大絶叫していることを知るよしもなく、おばさんは恍惚の表情を浮かべたまま抜け殻の私の乗った車イスを押し続けた。
もう、見届けるしかないんだ、おばさんがお達しになるまで。心がぞわぞわするけど時が過ぎるのを無心になって待つしかない。(お願いだから変な声とか出さないでくれよ~。)
すると突然、「じゃ、私こっちだから♪」とすっきりした顔で振り返らず颯爽と立ち去った。
逝かれたのね、もう完全に満足するほど逝かれたのね。私はもう「使用済み」ってことなのね。
別に好きでもないおばさんにポイ捨てにされた感満載の私。ただ呆然とおばさんの後ろ姿を見届けるしかない無力な私であった。
その時の私は完全にラストの矢吹ジョーそのものだ。
そして、おばさんはきっとこう呟いていたに違いない。