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母帰る

すっかり弱気になってしまっている母は、我が家から公共交通機関で1時間ほどの病院経営のレディースマンションに住んでいます。だけど、まだ(?)75歳の彼女は入居者の中でも若い方で、彼女としては場違いでここにはいたくないという気持ちが芽生えているらしい事を先日の電話で知らされました。

コロナ禍の中で彼女が病院経営のマンションにいてくれる安心感は遠方在住の子ども達3人にはありがたいこと。でも、ここに居たらもっと自分が衰えるような気がする、と思ってるみたい。交通の便が微妙に悪くて友達にも頻繁に会いに行けないし、食事も食堂でなるべくして欲しい(これは経営側のお願いベースで要請に応じる必要性は契約上もない)と言われて困惑しきっていました。

そんな中、以前購入したiPadは下の子が姪っ子のリモート学校の対応のために持っていってしまい、今はゲームの楽しみもないというので、我が家のiPad Proを譲る事にしました。何泊かして使い方を覚えることにして先週金曜日夜からうちに滞在してました。

携帯契約の確認、iPadデータSIMを購入しセット、AuPayの使い方指導、YouTube、NetflixやAmazonプライム、Radiko、Siriの使い方を教えてあげました。それぞれやり方を動画にとりメモ帳に題名付けてまとめたから、帰宅後も何度か見直して思い出しながら操作できるといいな…。映画やTVドラマを見られることを喜んでました。

テレビ電話がLINEで使えるようになり、今まで身なりをほぼ諦めてかまわなかったことを恥ずかしく思ったみたいで、今朝は何年かぶりに美容院へ。今まで自分で適当に切ったりしてたようです。昨日、今日は近所のショッピングモールで20年使用した老眼鏡を新調。加えて洋服や靴、下着や鞄までたくさん買い物をして上機嫌でした。

夕食には近隣の私のお気に入りイタリアン、インドカレーを美味しいと言ってニコニコしながら食べ、今日のお昼、最後の一緒の食事は私がかき揚げと素麺を作りました。結構、食欲はあって、笑。

いろいろな経験をして気分もアゲアゲで、ショッピングモールから新幹線口へのシャトルバスで帰って行きました。4日間は非日常だったと思うから戻った日常で彼女がどう過ごすのか?

人間の思考パターンってそんなにすぐには変わりはしないし、これで彼女の何かが大きく変わる…ほどのことは期待してません。ただ、一緒にいる間にご機嫌でいてくれたのがありがたいことでした。

バスを見送りながら、こんな風に別れてそれが最後になる日がいつか来るのかもしれない…と、ぼんやり考えていました。


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