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お直しの時間

通販で買ったワンピースの丈が長くてお直しをしようと思い立った。
ネットで調べてみると色々出てくる。
洋服を送って戻してもらってみたいな手順になり、結構時間とお金がかかりそうだった。安いワンピースなのでどこまでお金をかけるか迷うところ。
他に近所にないかなぁと探すと、家から1分くらいのところにあった。
この店、お直しやりますって書いてあるのは、実は越してきた頃10年くらい前から知っていた。よく通る道にある店で横目で見たことがあるのに一度も行ったことがなかった。
お直しは私の母が生きていた頃や、父が元気だった頃には実家でやってもらっていた。二人は洋裁学校で出会ったのだ。小さい頃は母は私たち兄妹にお揃いの洋服を作ったり、幼稚園に持ってく毛布を作ったり。とにかくなんでもかんでも作っていた。編み物も天才的なテクニックを持っていた。私の結婚式にはウエディングドレスを作ってくれた洋裁ガチ勢だった。
父はデザイナーやパタンナー、縫製工場でマーチャンダイザーなどしたりとずっとアパレル畑で働いてきた。50代半ばで心筋梗塞でベトナムの縫製工場で倒れてからは仕事を辞めてリタイアし、母と日本で療養しながら暮らしていた。そんな中2013年に母が病気で急に他界した。母が他界してすぐの頃は父に長男の保育園のシーツを作ってもらったり、縫製の腕を生かして友人の依頼の子供服のパターンを作ってもらったりしていた。その3年後くらいに父が入院したり施設に入ったしたので、ついに親に縫い物を頼むことが出来なくなってしまった。
私は3人目を産んで育休してた頃に2017年頃に思い立ってミシンを買った。
後輩が自分で子供服を作ってるのを見て、私もやってみようかなという気持ちになったのだ。頼む親がいないのだと観念したのと同時に、自分のターンがきたような気もしてたんだと思う。

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