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私のみたことのないわたしの景色

「私の中の美しい景色」テーマは前回と同じだった。
QUANTA年間リトリートのお絵描き教室。


「ミカが小さい頃ね
すんごい可愛い大きい白い猫がきてさ、ミカの足にすりすりしに来てたんだけど、ミカが怖がって泣いちゃったのよ」

この話を聞いたのはいつだったか。
小学生くらいだったかもしれない。
なんかすごく印象に残っていてずっと覚えている。

「それが可愛いから見てたのにすぐ『みないで』って言ってくるのよね、あんたって小さい頃からさ」と言いながら笑ってた母。

この話を聞いていた頃はあんまりピンときてなかったけど
自分が子供を産んでからわかったことがある。

子供はとにかくなんでも可愛い。
どんぐりを全部ぶちまけて泣いてても
ハイハイがうしろにしか行かなくて
テレビ台の下に吸い込まれそうになって泣いてても
ゲームがうまくいかなくて怒ってても
そのたたづまいすべてが可愛い。
愛おしい。愛らしい。

猫も可愛いし子供の頃のわたしも可愛かった。
そういうのを思いながら話していたのかなぁと
話す母の顔を思い出す。

私の母が見ていた私の姿。
私が見たことのないそのわたしの光景を描いてみることにした。

どう描こうか迷って初めは猫だけを描いていた。
猫は好きだけど猫を飼っていないので
すり寄る姿がよくわからない。
なんとなく描いたけど、どうもうまくいかなかった。

いろいろなことを詰め込みたいけど
猫だけじゃ違うんだと思った。

「一つ一つ問題をバラバラにしてみたらいいよ」という井出せんせーの
アドバイスを受けて

小さな手帳にペンで下絵を書いた。
何個か描いてしっくりくるものが見つかって
それを描いた。小さい私も猫と一緒に描く。

迷っていた時間も全てベースに積み重なって
色が深まっていく。

手を止めず描きたい部分を描いた。
思っていたよりもふくよかな猫が出てきた。
やさしい愛らしい猫だった。

私が見たことないわたしの景色は愛の光景だった。

対で描こうと思っていたものは要らなかった。
反対側の母を描かなくても
そこに映るのは母の視線だ。

愛の視線。愛の光景。

亡くなっても無くならない
心に刻まれている景色は語り継ぐことができると知った。

私のみたことのないわたしの景色




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