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7月25日週【中途採用市場動向】

企業動向

企業における人事労務関連制度の実施状況

  • 民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)は、上場企業等における人事労務関連のさまざまな制度の実施状況を調査し、回答のあった292社の結果を集計しました。本調査では、企業で広く取り入れられている182の制度・施策について実施率を調べており、そのうち19の制度・施策を紹介いたします。

  • 19の制度・施策について実施率の高い順に並べたもので、「定年後の再雇用制度」が90.8%、「ハラスメントに関する相談窓口の設置」が89.0%、「内部通報制度」が84.9%などとなっている。

  •  また、コロナ禍で普及した「オンライン面接」(79.8%)は約8割、「テレワーク」(67.5%)は7割近くの企業が実施していることが分かる。一方、リモートワーク下で社員のメンタルヘルスが問題となるケースも増えており、「メンタルヘルスに関する相談窓口の設置」が69.5%、「心の健康を目的とするカウンセリング」が41.1%など、精神的な側面のサポートを実施する企業は多い。

「マイナビ中途採用・転職活動の定点調査(2022年6月)」を発表

  • 6月の中途採用活動、大企業では5割以上が実施。中小企業は応募獲得に苦戦

  • [IT・通信・インターネット][サービス]は同業種内での転職の希望者が多く、[レジャー][フードサービス]は他業種も視野に入れた転職活動を検討

  • 完全リモート勤務」実施者のうち8割が、個人業務の進めやすさが”楽になった”と回答

  • 中途社員を採用する上での悩みは「応募が集まらない」が47.6%と最も高くなった。従業員規模別では50名以下が64.4%となり、採用が活発化し求職者の獲得競争が激しくなる中で、特に中小企業が応募獲得に苦戦しているようだ。

中途社員を採用する上での悩み

求職者動向

年収UP額の相場が1.5倍に、「即戦力」×「内製化」で採用ニーズが増加 | IT転職エージェント「ギークリー」 2022年6月度 【IT転職市場レポート】を公開

  • 現年収から決定年収36万円UPが相場へ、IT人材に対する給与水準の見直しが必要か

  • 内製化に伴う採用ニーズの高まりからインフラエンジニアの転職決定数が増加

  • 「自社サービスに携わりたい」と考えるWebデザイナーの集客数が増加

求人で詳細を知りたい情報は「具体的な仕事内容」「会社や部署の雰囲気」。会社の雰囲気を知るために活用したいコンテンツは「動画」が最多/20代アンケート

  • 求人情報を見る際に重視するポイントは「職種・仕事内容」が最多

  • 求人情報で詳細を知れると嬉しい情報は「具体的な仕事内容」が最多。次いで「会社や部署の雰囲気」

  • 応募する企業の雰囲気を知るために活用したいものは「動画」が最多

2021年「働く喜び調査」結果報告 働く人の喜び実感は全体で43.3%。前年比+1.0pt

  • 男性は年齢を重ねるごとに『働く喜び』が減少。50代で底となり、60代で増加

  • 一方、女性は年齢を重ねるごとに『働く喜び』が増加する傾向

  • 『働く喜び』向上には、周囲との信頼関係やフィードバックが重要

  • 働く人の喜び実感は43.3%。前年に比べて+1.0pt

  • 男性は年齢を重ねるほど減少して50代で底となり、60代で増加。女性は年齢とともに増加する傾向

  • 男性の40代・50代で、周囲からの「フィードバック」の実感値が低い傾向にある

  • 男性の同僚および上司との信頼関係に関する指標は、いずれも40代で最も低い

第10回 働く人の意識調査

  • わが国の景況感:現在の景気「悪い」が約4割、今後の景気見通しも悲観的な傾向続く

  • 感染不安と外出自粛:全年代で「不安を感じる」割合は減少し、警戒感は概ね希薄化

  • 勤め先への信頼感:業績・雇用への不安は弱まるものの、収入への不安は拭えず

  • 市場価値と転職に対する考え:業種により差、給与への不満が転職意向に影響

  • 働き方の変化:テレワーク実施率は過去最低を更新、20代・30代の実施率が大幅減

選考過程で実施して欲しいこと1位は、ヤングキャリアが「職場見学」、既卒・第二新卒が「カジュアルな面談」。最も知りたいことは「未経験でもやっていけるか」/20代アンケート

  • 選考過程で実施して欲しいこと1位は、ヤングキャリアが「職場見学」、既卒・第二新卒が「カジュアルな面談」

  • 選考過程で得られると志望度が上がる情報は「未経験でもやっていけるか」が最多

社員の「職場推奨度」と相関が強い口コミ項目、 TOP2は「経営陣の手腕」「仕事を通じた社会貢献」。

  • 「職場の推奨度(回答者が在籍中、もしくは在籍していた企業について、自身の親しい知人・友人、家族にどの程度おすすめしたいと思うか)」との相関が強い口コミ項目を分析したところ、トップ2は「経営陣の手腕」、「仕事を通じた社会貢献」でした。

  • 「年収・給与の納得度」や「勤務時間への納得度」といった勤務条件面の評価項目よりもわずかに強い相関がみられます。従業員エンゲージメントに関する経営陣の力量や仕事の社会貢献性の重要性が明らかになる結果となりました。

口コミと職場の推奨度の相関関係

HRtech関連

転職活動における選考状況を登録することで、スカウトを受け取れるプロセスマッチ型転職サービス「HOKADOKO(ホカドコ)」オープン

[株式会社ワークビュー]

  • 今ある選考状況を基に、自分では気づけなかった企業からのスカウトを受け取れます

  • 株式会社ワークビュー(本社:東京都港区、代表取締役社長:迎 裕之)は、転職活動における選考状況を登録することで企業からスカウトを受け取れる新サービス「HOKADOKO(ホカドコ)」(URL https://hokadoko.com/)を正式オープンしましたのでお知らせいたします。

  • 転職者は選考状況とプロフィールを登録

転職者は、過去1年以内に受けたもしくは現在受けている選考状況をとプロフィールを登録し、待つだけです。
一般的な転職サイトのような、大量の情報を登録する必要はありません。

  • 企業は転職者の選考状況を元にスカウト送信

転職者が保有している選考プロセスとプロフィールを企業が閲覧し、自社の採用ターゲットと近しいと思われる転職者へスカウトを送ることができます。

AI予測分析サービス「exaBase 予測・分析」が採用管理システムシェアNo.1の「i-web」と連携

  • ~AIが録画面接における採用担当者の意思決定を支援、定量的な判断基準に基づく採用DXを促進~

  • AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組む株式会社エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長:石山 洸、以下「エクサウィザーズ」)は、AI予測分析サービス「exaBase 予測・分析」が、株式会社ヒューマネージ(東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下「ヒューマネージ」)の提供する採用管理システム「i-web」と、録画面接の分野において連携を開始したことをお知らせします。

  • 可能になること ~より人物本位の採用が可能に~

今回エクサウィザーズは、直感的なUXでAIを用いた予測・分析ができる分析支援サービスである、exaBase 予測・分析に、独自開発の動画解析アルゴリズムを組み合わせ、採用管理システムではシェアNo1となっているヒューマネージと連携します。
これにより、ヒューマネージが提供する採用管理システムi-webにおいて、録画面接の選考判定をベースに、exaBase 予測・分析が各社の合否基準に基づいたAIモデルの構築が可能となり、採用担当者のより精緻な意思決定をサポートします。

  •  具体的には、合格人材の集団の傾向を分析したAIが、統一した指標でリアルタイムに予測。人物像という定性的で属人的な判断になりがちな合格基準を、定量化および可視化します。これにより、膨大かつ慎重な作業が必要な採用業務を精緻化・効率化することが可能となり、新たな時間を創出することができます。そうした時間を応募者との対話や深い理解に振り向けることで、より一層、人物本位の選考を可能にするものです。

経済・政治動向

人への投資」で企業協議会発表 経産省、8月発足

  • 経済産業省は25日、リスキリング(学び直し)で連携する企業の協議会を設立すると発表した。「人への投資」の知見の共有や、学び直しの場づくりを検討する。キリンホールディングス、リクルート、SOMPOホールディングス、日立製作所、ソニーグループ、アセットマネジメントOneのトップが発起人となる。

  • 「人的資本経営コンソーシアム」は経産省と金融庁が支援して8月25日に発足する。国内に事業所があり、人への投資に前向きな対応をとる企業であれば参加できる。

  • リスキリングや兼業・副業に関する協力に加え人的投資に関する効果的な情報開示のあり方を学べる作業部会をつくる。投資家との対話の場も整え資本市場のニーズに合った開示を後押しする。

人材マネジメント

我が社の人事戦略 中途採用の「注力枠」を社内入札 ディスコ

  • 社内通貨で募集ポジションに優先順位

  • -中途採用で新たな取り組みを始められたそうですね。

  • はい。当社では管理会計の仕組みを導入し、「Will(ウィル)」という社内通貨を用いて業務や備品、サービスなどの価値を可視化しています。私のいる中途採用チームではそのWillを使って、採用チームの「重点活動枠」を入札で各部署に競ってもらう取り組みを始めました。落札額が高いポジションほど、採用チームのリソースが多く割かれるという仕組みです。

  • 半導体業界の活況に伴い、全社的に人的リソース不足が続いており、私のチームに寄せられる中途採用の依頼はこの1~2年で1.5倍以上になってきました。足りないポジションを充足したいのはどの部署も同じですが、採用チームのリソースにも限度があります。他社との採用競争も激しくなるなか、優先順位をつけてより重要度の高いポジションの採用に取り組んでいくため、2022年4月から導入しました。

  • -もう少し詳細を教えてください。

  • 四半期に1度、各ポジションについて、採用ニーズに応じた額をWillで設定してもらいます。その額の上から5番目までを「最優先枠」、6~10番目を「準優先枠」として、優先的に採用活動に取り組むというものです。11番目以下に関しても基本的な採用活動はしますが、優先枠にはそれにプラスして、採用チームがさまざまな施策を実施します。

  • 入札で高い額のWillが設定されれば、その分採用チームとしては使える予算を増やせることになります。優先枠のポジションならば、採用チームがより多くの原資を得られるので、候補者をご紹介いただいた人材紹介会社に支払う成功報酬を上乗せするといったこともしています。

  • -スタートしてからの手応えはいかがですか。

  • まだ最初の四半期なので(注:取材時点)、採用実績として前年と比べられる状況ではありませんが、チームとしては既に手応えを感じています。というのも、この仕組みを導入する前は、各部署からくる依頼に採用チームで差をつけられませんでした。依頼元の部署からすれば、ほとんどのポジションは「とても重要で、できればすぐに採用したい」と思っているからです。だからといってすべての依頼に平等に力を割くと、採用実績は「当社にとっての重要性」ではなく、市場での「採用しやすさ」で決まってしまいます。どうすれば会社にとってより重要なポジションの候補者を探すことに力を割けるか考えた末、社内に浸透しているWillの活用に至りました。

  • 「従来のやり方だけでは難しい」

  • -人事・採用の重要性は、社内で高まっていますか。

  • 明らかに重要になってきていると思います。実は2016年に、それまで「サポート本部」の中にあった採用グループが社長直轄の組織となりました。それが会社の姿勢を端的に示していると思います。

  • 私は15年ほど人事採用業務に関わっていますが、この間に採用を取り巻く環境は大きく変わっていて、特にここ数年で採用競争が明らかに激化しています。そのため当社では求人を大幅に増やしているのですが、状況は競合他社も同様であり、また求める水準のスキルを持つ人材はそれほど増えていません。優秀な人材を採用することは難しくなっています。

  • 採用に関して、当社は徹底的に「質」にこだわることを決めています。年間の採用予定数は決めず、基準に達している方だけを採用するのですが、一方で社内からの採用ニーズが高まっている状況でもあります。質を担保しながら採用数を増やすためには、従来のやり方だけでは難しいです。Willの活用だけでなく、より多くの優秀な人材に当社に興味を持ってもらえるような取り組みを考えていかなければいけないと思っています。

  • 「営業に売り上げノルマなし」が示す企業理念

  • -求める人材の「質」のお話がありましたが、採用で重視していることは何ですか。

  • ポジションごとのスキルはそれぞれですが、当社の価値観を示す「DISCO VALUES」に共感し、体現してくれる人かどうかを最も大切にしています。このなかで、われわれが目指すべきは「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術によって遠い科学を身近な快適につなぐ」という自社の社会的使命の実現であり、会社の規模の増大ではない、と明記しています。

  • 社内通貨Willの話をすると、当社が非常にドライに、数値のみでパフォーマンスをはかる会社であるかのようなイメージを持たれることもあります。ですが、例えば当社の営業社員にはいわゆる売り上げノルマがありません。売り上げなどの数値は、健全経営のために管理すべき指標にすぎないというのが基本的な考え方です。

  • -営業の方にノルマがないというのは、本気度を感じるお話ですね。

  • Willは部門間のやりとりだけでなく、個人のやりとりでも移動します。そしてそれは賞与にも反映されます。Willを稼ぐことは、もちろん悪いことではありません。しかし仮に、賞与のためにWillを奪い合うような会社になってしまえば、この仕組みはうまくいきません。Willのような仕組みが効果を発揮するためには、DISCO VALUESのような共通の価値観を土台にした従業員同士の信頼関係の構築や、あるべき倫理観の共有が不可欠なのです。だからこそ、どれだけ優秀な人でも当社の価値観に合わない人材は採用しません。理念あっての人事・採用戦略なのです。

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