3月27日週【中途採用市場動向】

企業動向

中途採用担当者88.2%が「直近1年で採用難度が高まった」と回答 ビズリーチ会員86.6%が「スカウトをきっかけに転職意欲が高まった経験あり」

88.2%が直近1年で即戦力人材の採用難度は高まったと実感
2021年の調査より11.1ポイント増加
即戦力人材の採用の難度が高まったと感じている中途採用担当者は、88.2%にのぼりました。2021年に実施した同様の調査※2と比較すると11.1ポイント増加しており、とりわけ「全体的に難度が上がっていると感じる」の回答については13.4ポイントも増加していることから、優秀な人材の獲得競争がさらに激化していることがうかがえます。

■「経営者」「事業部門責任者」から届くスカウトが効果的
採用ポジションの詳細をしっかりと伝えられるかがカギに
ビズリーチ会員にアンケートをとったところ、スカウトを受け取った経験のあるビジネスパーソンのうち86.6%がスカウトを受け取ったことをきっかけに、その企業への興味・関心や転職意欲が高まった経験があることがわかり、企業が直接送るスカウトが、潜在層に対するアプローチにおいて高い効果があることがうかがえます。
 また、スカウトの送信者に関するアンケートでは、特に「経営者」「事業部門責任者」から届くと魅力的に感じるビジネスパーソンが多い傾向がありました。
 企業がスカウトを送る場合には、自社をアピールし採用につなげる狙いから採用選考の前段階としてカジュアルな面談を実施することが一般的になってきていますが、カジュアルな面談でどのような情報を得ることを期待するか質問したところ、「業務内容や期待される役割」と回答した人が74.3%と最も多く、次いで「自身にスカウトを送った理由」が48.6%となりました。
 これらの結果から、具体的にどのようなポジションで採用したいのか、なぜスカウトを送ったのかについて経営者や事業部門責任者が候補者にあわせてコミュニケーションを取りながら採用活動にコミットする必要があることがわかります。

■「スカウトを送信する候補者の選定」をしている事業部門はまだ5割程度
事業部門が、選考前段階からどれだけ採用に時間を割けるかが課題に
事業部門が採用に関わることのメリットとして「選考時のミスマッチが防げること」や「採用したい人材要件が明確になる」などが挙げられ、既に人事部門と事業部門が連携して採用活動を行う企業が多くあります。しかし、現在の人事・採用部門と事業部門との役割分担について質問したところ、事業部門が実施している項目としては「1次・2次面接」「人材要件・応募要件の設計」など選考に関する内容が高い結果となり、「スカウトを送信する候補者の選定」は52.3%、「スカウト文の作成」は40.4%にとどまりました。また、事業部門が中途採用業務に関わるなかでの課題は、「採用業務を行う時間をとりにくい」が59.2%と最も高い結果となりました。 即戦力人材の採用難度が高まるなか、選考に入る前段階の採用活動であるスカウト送信候補の選定からスカウト文作成、カジュアルな面談までを事業部門が担当することで求める人材の採用成功につながるため、今後事業部門がより採用にコミットできる採用体制が求められます。

「社員のキャリア形成に熱心な会社」トップ150社

SCSKはIT系初のトップに
1位は住友商事系のIT大手SCSK(96.8点)で、昨年の2位から浮上。IT系初のトップとなった。対象を限定しないテレワーク制度のほか、許可制で就業時間内の活動も認める柔軟な副業・兼業制度も導入している。キャリアコースを複数整備し、育成特化型からマネジメントや高度専門人材を対象としたキャリアパスまで幅広い選択肢を設ける従業員1人当たりの年間教育研修費用・時間はそれぞれ19万円・61.9時間と高水準で、人への投資に積極的な姿勢は数字にも表れている。

2位は東京海上ホールディングス(96.3点)。昨年の3位から1つ順位を上げた。同社は社員が安心して働ける環境の整備に取り組む。全社員向けのパワハラ防止研修や社外ホットラインの設置のほか、ゼロ次から3次予防に及ぶ社員のメンタルヘルスケア対策を展開している。とくにワーク・エンゲージメント(仕事に対するポジティブで充実した心理状態)の向上策などに力を入れる。

3位は生命保険大手のT&Dホールディングス(95.3点)で、昨年首位からは一歩後退。役職定年の廃止や65歳への定年引き上げを実施したほか、再就職・起業支援など定年後のサポートも手厚い。ジョブチャレンジ制度やグループ人材交流なども推進し、社員が年齢に関係なく活躍できる環境の整備に取り組んでいる。

4位は三菱UFJフィナンシャル・グループ(95.2点)。メガバンクではトップだ。本人の希望に基づき、始業・終業を最大1.5時間前後できる時差勤務制度のほか、育児・介護等の理由がある場合は遅出・早退を認める制度を導入一部の行員を対象に、勤務日数を週3~5日から選択できる制度を導入するなど、働き方の柔軟化を推進している。

5位は日本電信電話(NTT)(95.1点)だ。グループのイントラネットでボランティア休暇制度等の周知を行うほか、募集や参加後アンケート等を共有して活動の活性化を図る。社会課題解決をテーマとした事業立案コンテストを開催するなど、事業と社会課題解決の融合にも取り組む。

そのほか、6位シスメックス(94.6点)、7位サントリーホールディングス(94.4点)、8位MS&ADインシュアランスグループホールディングス(94.3点)、9位第一生命ホールディングス(94.2点)10位にNECとNTTドコモ(94.0点)がランクインした。

プラチナキャリアの実践事例
最後に、前回のプラチナキャリアランキング2022年版の評価を基に審査された第4回「プラチナキャリア・アワード(企画:三菱総合研究所未来共創イニシアティブ、三菱UFJ信託銀行)」(最優秀賞:双日 優秀賞:カゴメ、サッポロホールディングス、シスメックス、ベネッセホールディングス、ユニ・チャーム、LIXIL)の受賞・応募企業からプラチナキャリアの実践事例を紹介しよう(本ランキングの評価を基に審査される第5回「プラチナキャリア・アワード」の詳細はこちら)。

双日はジョブ型雇用の新会社「双日プロフェッショナルシェア(SPS)」を設立。35歳以上の希望する社員は、SPSへ転籍し、双日での勤務を継続しながらグループ外の仕事に挑戦できる。SPSの定年は70歳で勤務日数・時間・場所を柔軟に設定できるほか、副業や起業も可能だ。

サッポロホールディングスは、オリジナルの研修などをとおして、社員が安心して働ける「心理的安全性」への理解浸透を全社で推進している。また、キャリアのロールモデル提供を目的に、対象とする社員のこれまでのキャリアをまとめ、「マイキャリアマップ」としてイントラネットで公開している。

ブラザー工業は、RPAやAIなどの技術を活用し、定型業務の自動化・効率化に取り組む。AI人材育成プロジェクトを立ち上げたほか、IT技術などの独自認定制度や社内コンテストを開催するなど、業務効率化と新しいスキルを学ぶ機運を高める取り組みを両立している。

日本航空は、2018年からOODA(観察・方向づけ・決定・実行)ループを「JAL OODA」として社内に導入し、自律的人材の育成に注力している。実際に、部署横断のアイデア創出コミュニティ「クロメン」、社内ベンチャーチーム「W-PIT」など、事業につながる取り組みへと拡大している。

昨今は「人への投資」「人的資本投資」というフレーズが先行しているが、具体的な取り組みに関する議論はそこまで深まっていない。本ランキングは、年齢に拠らず社員が活躍できる「長期的視点」に立った取り組みを行いつつ、社員の「自律的学び」を喚起して絶えずスキルを磨ける環境を整備し、それを社内だけでなく「社会への貢献」という広い視点で発揮できるように意識醸成に取り組む企業に焦点を当てている。上位企業の取り組みは、「人への投資」の好事例といえるだろう。

【人材紹介会社ヘイズ】82%の企業が昇給を実施、前年より9ポイント上昇 ― 最新の採用動向&転職背景を発表

昇給について採用担当者に質問したところ、2022年は82%の企業が昇給を実施したと回答。
昇給実施率は2020年が59%、2021年は71%から、2022年の実績は82%と、9ポイント増加しました。
2021年比で「維持」が11.6ポイント減少し、「昇給(3%以下)」が10.4ポイント増加しており、背景にはインフレや人材獲得競争の激化が考えられます。

ジェイ エイ シー リクルートメント、企業の経験者採用についての調査を実施 91%の企業が積極的に経験者採用を検討

経験者採用について91.1%が今後力を入れていきたいと考えている。現在力を入れている企業も83.5%と大半を占める
経験者採用で求められているのは、役員クラス・スペシャリスト・部長クラスが6割を占める
企業が「経験者」に求めるスキルは、「問題を発見・解決する力」
企業は経験者に「高度な専門性を保有し高いレベルで業務遂行できる」ことを期待している

労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)2月分結果

(1) 就業者数
就業者数は6667万人。前年同月に比べ9万人の増加。7か月連続の増加
(2) 完全失業者数
完全失業者数は174万人。前年同月に比べ6万人の減少。20か月連続の減少
(3) 完全失業率
完全失業率(季節調整値)は2.6%。前月に比べ0.2ポイントの上昇

詳細
雇用者数は6012万人。前年同月に比べ7万人の増加。12か月連続の増加
正規の職員・従業員数は3568万人。前年同月に比べ9万人の減少。2か月ぶりの減少。
 非正規の職員・従業員数は2102万人。前年同月に比べ29万人の増加。13か月連続の増加
・主な産業別就業者を前年同月と比べると、「宿泊業,飲食サービス業」、「建設業」、 「サービス業(他に分類されないもの)」などが増加

求職者動向

マイナビ、「転職動向調査2023年版」を発表

2022年の正社員の転職率は7.6%で2016年以降最も高い水準
転職理由と入社の決め手は、ともに「給与」がトップに
転職で年収が上がった人は39.5%。2019年以降増加傾向
自身の経験・希望職種において、今後必要になるスキルがわかっている人はリスキリングに積極的

中小企業に勤めるオフィスワーカーの65%が現職に満足

中小企業勤務者の65%が現職に満足しており、地域差がある。
過去2年間の転職率は13%と低く、転職しなかった人の40%が転職を考えている転職した理由は「人間関係」「労働環境」「給与」。
コロナで最も影響があったのは価値観。私生活により価値を見出し、仕事とプライベートのバランスを見直す人が多くなった。

20〜30代は「就活の情報収集」に何を利用している? 3位「インスタ」、2位、1位は!?

「就活の情報収集に利用しているメディア」を複数回答で質問したところ、1位「YouTube」で55.7%、2位「Twitter」で41.0%、3位「インスタグラム」で16.0%となった。

男女別の結果でも、男女ともに1位は「YouTube」、2位は「Twitter」に。また、男性3位は同率で「ネット番組」と「TV」、女性3位は「インスタグラム」となった。

「YouTube」の回答は男性が女性に比べて13.7ポイント高い結果となった一方で、「Twitter」は女性が男性に比べて5.7ポイント、「インスタグラム」は女性が男性に比べて17.7ポイント、それぞれ高かった。

34歳以下の若手540人に聞いた「テレワーク」実態調査ー『AMBI』ユーザーアンケートー

★ 7割が「出社勤務している」と回答。テレワーク勤務は1割に留まる。
★ 出社勤務率、関東6割に対し、関西・その他地域は8割と地域差が出る結果に。
★ 転職経験者のテレワーク実施率は、転職未経験者に比べ約2倍
★ 今後希望する働き方、「ハイブリッド型」が65%で第1位。「完全在宅」希望者は2割に留まる。

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