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白峰ボーディングスクールに参加して

こんにちは!しおりです。

ついに、note、初めて書きます。どきどき。
言葉におこすのってあまり得意ではないんだけど、私なりに感じたことを綴っていきたいと思っています。

今回は、石川県白山市・白峰地区でのある取り組みについて。
9/19-22日に行われた、「白峰ボーディングスクールAutumn Camp 」にご縁あって参加させていただきました。参加から1ヶ月がたってしまった…!

★白峰ボーディングスクールとは?
「白峰ボーディングスクール」が目指すのは、里山である白峰が持つ資源や課題を活かした教育先端都市です。町や自然そのものを教材に、都市で暮らす子どもや大人が、創造性を発揮するために重要な「アート・サイエンス・エンジニアリング・デザイン」を一体的に学び、SDGs実現にむけた課題解決を考え、実装する過程を体験できる場をつくります。

↑このような目標を掲げ、同じ想いを持つ人々が産学連携で進めているプロジェクトです。私が参加した今年のものはトライアルで、来年度以降の本格的な実施に向けて準備を進めているとのこと・・・!

地域活性、教育、アート、サイエンス、エンジニアリング、デザイン、、
一つでも気になるワードがあった方は
よかったらこの記事読んでみてください^^

白峰とはどんな地区なのか?具体的にはどんな取り組みなのか?
4日間どんな学び、経験をすることができたのか?
私なりにまとめてみました!

①白峰とはどういう地域なのか?

SDGs未来都市に指定された白山市にあり、日本三名山の白山の麓に位置します。豪雪地域で、肌がツルツルになってしまう温泉が有名です♨️
(白峰観光協会→http://shiramine.info

白峰ボーディングスクールとは何?
→限界集落地域を先端技術でトランスフォームしたい!
そう、白峰地区は、人口流出が進み、高齢化が進んでいる、いわゆる限界集落。
そんな地域を、テクノロジーの力で盛り上げたい。そんな想いから取り組んでいらっしゃるプログラムです。

②興味を持ったきっかけ、参加した経緯

私個人の話をします( 長くなってしまいました。飛ばしていただいて🙆‍♂️)

どの付く田舎出身の私は、地元に帰省するたびに町の活気が失われているような気がしていて…地方出身の方なら同じように感じる人多いはず🥺
それがなんだか、地元のまちが「寂しい」と言っているようで。

地方=ださい?遅れてる?

地方とか、都会とか、どっちが優劣ということないと思うんです。
東京は確かに便利だけど、田舎育ちの私にとっては少し息が詰まる。
どちらにも素敵な部分があって
でもそれって、私はどちらも経験したから思うことであって、どちらも経験しないと分からなかったりするよなぁ、と。
だから、地方はやはりつながりを求め続けるべきだと思うんです。
今まで歴史・文化が紡がれてきた町を「守る」ためには、新しいモノを拒み保守的になるのではなく、新たな関わりを求めていくことが逆説的に守ることにつながると思います。

どうしたら元気が流れてくるのかな。どうしたら活気を取り戻せるのかな。
どうしたら、地方での「新しいもの」に対する「異物」とみなすような風潮は変わっていけるのかな。どうしたら、交わっていけるのかな・・・
地元での感情から、こんな風に地方創生に興味を持つようになりました。

地方創生にも色々ありますが、「観光」による集客によって関係人口を増やす、という手段がメインです。でもそれは地元の人とのコミュニケーションがなかなか生まれ難かったり、いわゆる観光公害が起きてしまったり、観光客と地元の人とのギャップが生じてしまいがち。

そんな中、この白峰ボーディングスクールは、観光ではなく、教育で、村に人を呼ぶ!というのが、私にとって目新しく、興味を持ちました。

ボーディングスクールを知ったきっかけとしては、私の属している旅人コミュニティPOOLO(https://poolo.tabippo.net/2nd/)の
学長みっちーさんから、SAGOJOから旅人ご招待のご案内があります!とPOOLOメンバーヘ告知が。

SAGOJO(https://www.sagojo.link)のサービスは、もともとシェアハウスの住民に勧められて登録して知ってはいたけれど、ちょうどコロナで県をまたぐ移動の自粛が重なり結局使えていない状態でした。

また、9月の後半に忙しく動き回る予定で、4連休は特に予定をいれていなかったので、、ちょうど空いている!白峰地域にもしかして呼ばれてる?!と参加を土壇場で決意しました(結局、さらに動き回りっぱなしの9月になったことは言うまでもありません...笑)

少し話を広げてしまい長くなりましたが、つまり、地方創生ってやっぱり今後の日本を持続可能な社会にしていくために必要だと思っていて、ボーディングスクールの在り方を知りたいと思ったこと、ちょうどタイミングが色々重なったことから参加を決意しました。

③具体的に、どんなことしたの?

ボーディングスクールへの出発から内容を振り返りたいと思います!
アート、サイエンス、エンジニアリング、デザインの4領域をそれぞれ学んだので、4つに分けてお話しますね。結構長くなってしまったのでかいつまんでいただけると。

出発。金沢駅までバスで送迎に来ていただきました。バスは山奥へ進みます…🚌

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途中、白山比咩神社(上の写真)に立ち寄ったり、白山市、白峰の歴史にまつわるお話を聞きながら白峰地域に向かいました。県は違うけれど、世界遺産白川郷とおんなじ山の地域。冬は3、4m雪が積もってしまうとか…!(私も雪国出身ですが、これはかなりすごい)

そして、白峰地区に到着。
緑の山に囲まれ、とにかく静かで空気はひんやりと澄んでいる。
田舎にきた!という嬉しさがこみ上げました。笑
焦茶色の木造の古民家が立ち並びます。白峰には細い路地がたくさん。

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ランチには、白峰の名物「堅豆腐」のカツの定食をいただきました!
お肉料理が全て豆腐で再現されている、、そして確かに食べ応えがある。
山間地域だからお肉お魚は高価で手に入りにくいそうです。タンパク質摂取のために、お豆腐。山間地域での暮らしを健康的に楽しむ知恵ですよね。

到着して、まず驚いたのが、スクールの4日間、「下着でその日の体調がわかるよ〜」というhamonというウェアラブルIoTサービスのトライアルを体験させていただけたこと…!心拍数や体の動きと連動・感知し、ストレス値の上昇を感知しました、転倒しました、などお知らせしてくれるのです。「テクノロジーを活用する」に最初から触れることができて、ワクワク。

実際の4領域のワークショップについてのお話に移ります!

 ①アート

「私の発想力ってこんなにあったんだ!」と思ってもらうことが今日の目的、
とアート講師のそらみさんがおっしゃっていたのですが、本当に達成されていたと思います。

私のこういう考え方って、他の人にはないんだ、独自の、私らしさだったんだ、と発見することができる。
感性を表現する時「その人らしさ」が現れることを体感することができました。

活動はほぼ全て学生と一般(社会人)の方で2つに分かれて行われました。私は学生の部として、地元の高校生の子、工業大学生とおもに一緒に活動していました。

舞台脚本家をされているそらみさんの下で、初めて会う学生と一緒に簡単なロールプレイを行うの、なかなかシュールな場面もたくさん!笑
でも、初対面だからこそ、面白かった。
対知人だとどうしても、その人との今までの出来事、他のことと関連付いたイメージがバイアスとして入ってきてしまいますが、はじめましてだからこそ、この人はどんな人なんだろう、って、知ろうと思えるし新鮮でした。

後半戦では、みんなで一つのアートとして、音声リレーで白峰の街を一緒に歩けるラジオ形式の一本の音声を作りました。そして、その音声とともに実際に静かな夜の白峰地区をひとりずつウォーキング。
みんなから見た白峰。一人一人、白峰との関わり方も、感性も違って、
ラジオリレーのそれぞれのパートから白峰のことだけじゃなく、その人自身のことも知ることができる。そんな貴重な時間でした。

アート講師のそらみさんが一人一人に肯定的に寄り添ってくれて、とってもポジティブな気持ちになります。

私は、言語化が苦手で、曖昧な表現を使ってしまいがち。コンプレックスです。でも、それって、しおりは押し付けるのが苦手だからなんじゃない?絞り出してくれる言葉に優しさが感じられて、とっても良かったよ。と言ってくれて、本当に救われた気持ちになりました。

②サイエンス

サイエンスも面白いことをいくつもやりました!

初日の夜には昆虫食の授業が、、!
サステイナブルツーリズムのお話から、多様な文化や生態系を維持していく上でそれらを学ぶ必要性があるよね、と。虫って、食べれるのよ、と。
イナゴ、トンボ、バッタ、、次々と素揚げにされていく。みんな、凄い顔をして昆虫食を想像していたのに、美味しい!食べれる!と笑顔になっていくのが面白かった、そんな夜でした。

他にも、分子の出来かたをみんなで体感しよう、というものや
甘酒を作ろう、ということで実際に穀物を選んでひとりひとり配合は自由にオリジナルで甘酒を作る体験をしました。

私は体調不良で参加することができなかったのですが、みんなで白峰の川沿いへ繰り出し、壮大な白峰の山と川、自然をたっぷり感じたりもしたそうで。

実際に金沢工業大学の教授の方々からレクチャーを受けられるなんて、かなり贅沢...!私は中高生の時あまり理科が得意ではなかったのですが、そんな私にもわかりやすく伝えてくださいました。

都会育ちの子供たちにとっても刺激になるんじゃないかな。生態系の多様性とか言われてもなかなかピンとこない学生。白峰に滞在することで、豊かな自然が身近に感じられるし、そんな中でサイエンスの原理を学ぶことができたら、よりリアルな学びになり、自分の新たな可能性に気づくことができそうです。

③エンジニアリング

ITやテクノロジー産業と地方創生の関連性に興味を持ち始めている今の私にとって、エンジニアリングのワークはとても興味深かったです。


白峰出身の福田さんのもと、そもそもIoTってなんだっけ、というところからレクチャーは始まりました。全てのものと人がインターネットに繋がり、様々な知識や情報が共有される。そんな時代がもう目の前に来ています。

そんな時代の変化によって、今まで価値があるのに伝わっていなかったものを流通させやすくなったり、地方と都市がどんどん結びついていくよね、というお話。ワクワクしちゃうなあ。

そして、IoTを体感しよう!と、キットを使ってプログラミング入門。

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キットを使用して、自身のプログラミングによってランプを光らせてみたり、消してみたり、点滅の速度を変化させてみたり
インターネットに実際に繋いでみて、インターネット上からランプを操作したり。

ああ、プログラミングってこんなに身近なものなんだ。と実感することができて、
大袈裟かもしれないけれど、「自分の力でつながりを創造できる」ことを実感する過程のおかげで、ものごと、ヒトがインターネットになってつながっていくこれからの社会、未来って明るい、とても楽しいものなんじゃないかなと感じました。

④デザイン

最終日は金沢工業大学の建築の宮下教授のもと、デザインを学びました。

これまで学んできた、3領域。
感性を表現する、答えのないアート。
ものの真理を追求する、決まった答えのあるサイエンス。
問題を解決する、欲しいものを解答に変えるエンジニアリング。

一つだけに突出した人たちが集まると喧嘩しちゃうよね。デザインは、これら3つの上にベールのようにふわーっと乗っかっていて、3つを繋げるものだよ、と。

日々我々の暮らしは思考停止が進んでいて、都会に行けば行くほどスイッチ一つでモノゴトを動かすようになります。Googleがあればなんでも調べることができる。あらゆる事象に対して他人事と捉えてしまうのです。それを、どれだけ自分ゴト化して考えることができるか、というのがデザイン思考。

最後のワークショップでは、白峰地区のとある場所。道路から少し上がったところにある何にも使われていない新地。そこの活用方法を、アート的思考、サイエンス的思考、エンジニアリング的思考、デザイン的思考、自分が1番当てはまる分野ではない分野の思考法を用いて考えてみようというものでした。

一見何にもない、ひとつの場所。
それでも、各々の色が出た多種多様なアイディアが生まれました。
その人の持つ価値観、今までの人生の経験から、得意・苦手を超えて活用アイディアが生まれていく。

自分の軸を持ちつつ、興味がある分野だけでなくいろんな分野の人とかかわっていきたい。そもそも隣り合って繋がっているから、掛け合わさった思考法ができるようになると強いですね。

私はカフェや宿泊施設の空間デザインが好きで、理系だったら建築がやりたかった!という話を教授にしたら、得意とか関係ないよ。好き!という気持ちさえあれば、むしろあなたの得意とするものは必要とされて生かせるかもしれない。と言ってくださりました。知らないうちに可能性を留めていたのかもしれないと、ハッとすると同時に、そのあたたかい言葉に安心しました。

④参加して感じたことのまとめ 

短いながらも色んなことを感じ取った4日間でした。

まず、最先端のテクノロジーって地域にこんな風にナチュラルに馴染むことができるんだと感じることができたのは新たな発見でした...!

白峰という地区は、老朽化が進み寂しくなってゆく、私の地元にも似通うところがあるけれど、そんな古民家の街並みが変わっていこうとしている。それも、違和感があるかたちではなく、地域の人に受け入れられ、テクノロジーが馴染んでいく。おじいちゃんおばあちゃんたちも、変化を受け入れている。そんな不思議なまちの一体感があり、とても素敵な地域です。

そしてもう一つ、私の中で、今回一貫して考えていたこと。「自分らしさ」って、なんだろう?

このボーディングスクールで、少人数規模であることによって他の場ではお話しできないような方々との繋がりを持つことができました。
沢山の初めましては、その人だけでなく、自分自身とも向き合うことができます。

みんながそれぞれ「個性的」
少し尖った思想の人が言われがちな言葉だけれど。そんなことなくて。

個性がない人なんていないってこと。
個々それぞれが本当に大切するべきものであること。

白峰という自然に近いシンプルな場で、沢山の初めましての人たちと出会い、そんなことを感じたのでした。

プログラムの最終日、振り返りの時間で個人的に印象的だったのが、参加者のお一人が「本当は息子と来たかった」とおっしゃっていたこと。
息子さんは、学校に行けていない、いわゆる不登校の状態だそうで、普通の学校ではなくて、こういった新しい教育のかたちには興味を持てるかもしれないと思った、と。

私も本当にその通りだと思いました。

私はその男の子に会ったことはないし、どうして学校に行っていないのかはわからないけれど。無理をして型にハマる必要なんてなくて、もっと自由でいいんだ!と、小さい時から知りたかったなあと思う時があります。

ボーディングスクールで学ぶ4分野は、学校で学ぶこととは少し違うかもしれないけれど自分の得意とか好きとかを見つけるには最適なものだと思うし、専門性を磨きたいと思えるような出会いがあるかもしれない。そんな、居場所がないような感情を抱いている人にも届くといいのかな、なんて思いました。

一見それぞれ独立しているように見える4領域は全て関連しあい、関わり合っています。それをすべてワークショップ形式で体験できる4日間、濃かった。

いわゆる「いなか」でも、閉鎖的ではなく、むしろ寛容。多様性に触れにくい「いなか」でも、個性を尊重できる環境って、貴重だと思います。

初日の白峰と、最終日の白峰は、全然違って見えました。あったかい場所だったなあ。

SAGOJOさんをはじめとする、運営してくれた皆様、白峰地区の皆様、白峰という地域そのものに、感謝したいです。ありがとうございました。また必ずあの地域の空気に触れたいです

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