隙間のコーンスターチ
秘伝の味。というのがあるが、あれは実は簡単に真似できてしまうものらしい。レシピさえ知ってしまえば誰でも再現できる味。だから他人に知られないようにレシピを秘密にしてる、というのが秘伝の味に隠された真実。
模型製作に秘伝の味みたいな話があったりするのか、と考えていて思い出したのが、瞬間接着剤にベビーパウダーを混ぜて使うレシピ。これはまあ知ってる人は知ってる技だから、一子相伝の秘術にするほどのものではないのだけど、知ってると役に立つノウハウの一つには違いない。
誰が思いついたのか、大理石の補修に使う シアノンDW という瞬間接着剤にベビーパウダーを混ぜるとトロリとしたペーストになり、プラモデルのパーツの隙間を埋めるのに使えます。ベビーパウダーの主成分のタルク(滑石の粉)には硬化促進の効果があり、固まった後もサンドペーパーでサクサクと削れて非常に扱いやすい。ラッカーパテのような乾燥時のヒケもなく、ポリパテのような強い臭いもない。
プラスチックとの相性も良く塗装で下地が浮く心配もないから、最近はもっぱらこのレシピを使ってます。ベビーパウダーは小分けにしてチャック付きのビニール袋に入れて引き出しにそっと忍ばせます。家族にも秘密にしておきたくなるようなビジュアルは嫌いではない。
一口にベビーパウダーと言ってもメーカーによって成分に違いがあるらしく家で使ってるのをよく見たら、何とコーンスターチの粉がミックスされている。保水効果があり肌に優しいのがベビーパウダーにコーンスターチを入れる本来の意味ではあるが、プラモデルのパテに使う場合にどんな影響があるかは正直不明。ここ数年使った限りではトラブルは特にない。ひょっとするとプラモデルがマイルドになってたりするかも知れない。
それでもプラモデルに植物性の有機物を使って、長期的な耐久性に影響はないのか気にならない訳でもない。
未来のことを話すと鬼が笑うと言うけど、プラモデルの耐久性よりも自分という有機物に寿命が訪れる気もするし、それ以前に賽の河原に積み上がったプラモデルが鬼に崩されないようにする必要が果たしてあるのか。その問題に答えを出すのが先かも知れない。
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