「呪われた島 オーク・アイランドと財宝の謎」を見ながら通勤する2020年の4月
2020年。コロナで余暇が暇になったので。
海外ドラマを見るしかなくなったわけでして。
ライフワークであるSFとサメの映画も尽きまして。
なんか見るものないかなと探して何気なくたどり着いたのがこれ。
「呪われた島 オーク・アイランドと財宝の謎」
どっかの国のラギーナ兄弟がどっかの島の謎の財宝を私財を投じて探しまくっているだけの話。徳川埋蔵金のようである。(だからドラマではない)
兄弟の兄の方がよりやる気満々らしくリーダーっぽいのだが、実際に金を出してるのは弟の方。たぶん社長。友人や息子や甥っ子に囲まれておじさんたちが重機をいじってワイワイと穴を掘ったり海に潜ったり作戦本部にこもったり伝説の信ぴょう性を確かめるたびに海外に行ったりと楽しそうで羨ましい限りの人たちのお話なのである。
詳細なんて調べたらすぐに出てくるのでいちいち書かない。
読書感想文を書けと言われてあらすじばかり書いていては意味はないのである。それと同じ。
とりあえずワクワクするのよ。穴を掘ったら何か出てくるかもしれない。
それだけで1話引っ張るんだから。
でも、何も出てきたことはない。
アマプラで見られるのはシーズン3まで、そこまで見たがこれといったものは出て来てない。なにかしら細かいものは出ては来るが、決定打はない。
基本は海外物は字幕で見る人なのですが(通勤時に見るので地下鉄になると聞こえづらいから)これは最初を吹き替えで見てしまったので吹き替えで見続けたんだけど。
1話終わるたびに、ナレーションの「果たして●●は●●なのだろうか。あるいは●●は●●なのか」みたいな言い回ししか頭に残らない。疑問形しか出てこない。
謎は何も解決しない。
水没した井戸の中を調べるためにそこにダイバーを送り込んで調査するという話があるんだけど、危険な作業なのでいつまでも成功しない。
毎回しない。何度もするけど、全然しない。
もう水抜けよ
と思いながら見てるけど、それはそれでお金が大変かかるんでしょうねと。
大体、失われた財宝ってなんなのか。この人たちは何があるのかよくわからなくて穴を掘っているのだ。能天気な話だぜ。
この島にある財宝についての出所についても調査しているんだけど、これまたいまだに不明である。世界にはいろんな人がいて、宝探しを生業としている方たちもいて、いろんな説を兄弟に持ち込んでくるんだけど、どれももっとらしいんだけど証拠が出たことがない。でもカメラワークがとても面白い。この番組の良さはカメラワークと編集に尽きる。腕がいいと思う。素晴らしいリアリティショーだ。おじさんたちの穴掘りをあんなに面白そうに作り上げることができるなんて天才。誰かがひとつの仮説を持ってくる。バーン!と各々の顔がアップになる。いい感じで音楽が流れる。疑問形ナレーションが響き渡る。ドリーマーの兄ちゃんはわりとなんでも信じるしやってみようと前向きだが、リアリストな弟は「納得のできる説明」と「結果」を求める。そらそうだ、金出してるんだもんな。
回を重ねるにつれ、弟の方は結婚したいけど兄は……と思う。
私が夢見る大人が好きではないからかもしれないが。人としては兄はいい人だと思うんだ。穏やかだし優しいし、少年のようなまっすぐさがあるし。仲間として最高かもしれない。
でも無職だろ。(いや、本当はよく知らない)
無職は厳しい。宝探しをしていますと言われても。
ただ、私がSASUKEの山田勝己氏の奥さんのように、夢を追い求めるオジサンを支えられる経済力のある実家があれば別かもしれない。
2020年はロクな年ではなかったが、2020年の年末のSASUKEは最高だった。ここ数年で1番面白かった。せっかくの完全制覇が横浜赤レンガ倉庫じゃなかったのが残念でならない。
SASUKEも男のロマンなのである、多分。私なんかはちょっと笑いながら見てるが、出演してるみんなは真剣そのもの。この宝探しだってそうだと思う。穴掘ってるみんなは真剣に宝を探している。でも見ている人のほとんどは「また何にも出ねぇ」って笑いながら見てるはず。
たぶん、何にも出てこないよ。
でもそれでもいいんだと思う。重機で穴を掘ってる最中がきっと1番楽しいんだ。
見ている側からしたら「もっと他に効率の良いいやり方があるだろう」とモヤモヤしてしまうが、やっている方も薄々思っていそうだし。夢を追い求める番組っぽいので、夢のままシーズン3を見終わってそれで満足した。(その後がアマプラで見られるようになったら多分見るけど。絶対見るわ)
この番組を見ていたら「テンプル騎士団」の話と「ノバスコシア州」(カナダの東海岸)の位置を完全に覚えてしまった。
2020年の4月ってコロナで先行き不安になって緊急事態宣言も出てもう絶望しかなかった時期じゃないですか。2021年の1月も別に希望はないけど。
ただあの時の緊急事態宣言時はテレワークや休業の措置が厳しく取られ電車も本当に空いて、東京の通勤電車なのに1車両に数人しかいなくなって本当に世の中の終わりを感じてしまった。私はガラガラの電車に乗って通勤していた。
そんな時期にラギーナ兄弟の宝探しの話を毎日見ていた。
平和そのものだった。ノバスコシア州で穴を掘ってるおじさんたちは平和でしかなかった。
現実逃避出来て、楽しい時期を過ごせたよ、ありがとうラギーナ兄弟。
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