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フィリピーナの彼女できた【マニラ編#4】
自分でも未だに信じ難いが、フィリピン人の彼女ができて、今国際恋愛をしている。
出会いは小洒落たキューバ料理店で。
俺は節約旅をしていてレストランに入るつもりはなかったのだが、旧正月の祭りをやっていて気分が高まっていたので少しの贅沢は許そうということで入店した。
店内は空いていたが、なぜかカウンター席に案内された。メニューに書いてあるキューバ料理がよく分からなかったので、俺はゲイみたいな見た目の店員にひとつひとつメニューを聞いた。どうやらそのゲイみたいな店員は新人っぽく、俺の質問に自信のなさそうに答えるのだが、決して上の身分の人間を頼ることはなく、男としてのプライドがまだ残っているようだった。
注文を終えたあともその店員と話が盛り上がったが、彼の標的になる前にトイレに逃げ込んだ。
トイレから帰ると俺の隣の席には端麗なフィリピーナが座っており、先ほどの俺と同様、店員とメニューのやり取りをしていた。俺と話していた時ほどその店員は楽しそうではなかったので、やはり彼はゲイなのだと思う。
店員に代わって隣のフィリピーナにメニューを説明した。まず、この料理店に本場のキューバ料理はなく、よく分からないものはほぼ全てスープであること、ペペロンチーノを始めとするパスタ類はガーリックが効いていること、そしてワインは1番上のやつがおすすめなことなどを教えてやった。
これらの知識はゲイの受け売りであり、これらが本当かどうかはさておき、俺がフィリピーナに対して大きい顔をすることを可能にしてくれたゲイには感謝を示さなければならない。
そこからはフィリピーナとフィリピンについての話で盛り上がり、俺が先日訪れたSpirit Libraryというバー(マニラ編#3参照)に2人で向かうことになった。
バーではお互いのことをより深く話した。
彼女は俺と同い年の20歳で大学生、専門は心理学、言語は中国語を学んでいて、趣味は歌うこと、何でも話せる友達が2人いて、そのうちの1人は男性恐怖症、もう1人は最近卓球の授業で骨折したことを教えてくれた。
俺は本来元カノと来るつもりだったこと(過去note参照)、最近好きな人が出来たがご飯の誘いを断られたこと、大学では農業などを嗜んでいること、最も好きな女性はお母さんであること、最も好きな惑星は土星だが他の意見にも寛容なこと、音痴だがその代わりにビートボックスが出来ることなどを伝えた。
試しにビートボックスを披露してやると店員が寄ってきて、俺はかなり長い間ビートを刻むことになった。最終的には店の端に置いてあったスピーカーとマイクが引っ張り出され、店にいた俺たちを含む3組の客でのカラオケ大会が始まった。
彼女はとても歌が上手かった。彼女が歌うアリアナ・グランデは奇跡のようで魔法のようで、まさにミラクルとマジカルという言葉以外では表しようがない。
バーを出たあとは、彼女の知り合いがホストを務めるクラブイベントへ向かった。雰囲気は楽しかったが、ポップ・ミュージックが大音量で流れるのには耐えられなかった。俺に言わせてもらえばポップは音が小さければ小さいほど好ましく、小さすぎて聞こえなければそれが1番なのだ。
次の日は彼女とデートをした。向かったのはSMモール・オブ・アジアというアジア最大のショッピングモールで、そこではレストランで食事をしたり、マニラ湾岸を散歩したり、屋上庭園でのんびりしたりと、存分にデートを楽しんだ。
帰りに食材を買い込み、俺が泊まるホテルのキッチンでフィリピン料理を作った。
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この料理はまさにミラクルかつマジカルであり、俺は彼女の手料理に惚れてしまったのだが、この後のことは俺としても詳しく書く訳にはいかない。
その後も一度デートをしたが、フィリピン滞在中に交際するには至らなかった。
しかし、帰りの飛行機で俺の日記の後ろの方のページに書かれた彼女からの手紙を発見し、俺は居ても立っても居られなくなり、その日に彼女に電話して交際を申し出た。
そんなわけで、フィリピーナとの交際が始まった。連絡手段はMessengerで、相手の表示名はmy baby、相手から見た俺の表示名はmy loveとなっている。
俺は先日よりタガログ語の学習を開始し、すでにおやすみ・愛してる・子猫ちゃんなどの言葉を話せる状態にある。
マニラ編はこれで終わりだ。
愛の国、フィリピン