作画塾ライブ、はじめました。
サトウのYoutubeチャンネルにて、『作画塾ライブ』という番組をはじめました。
サトウヒロシとその弟子「外堀 妖(そとぼり よう)」がzoomを通して行うリアル作画指南をそのまま配信する、というシンプルな内容です。
「弟子入りしたい」と、おそらくは軽い気持ちで入門したはずなので、本人はその内容にきっと戸惑いを感じていることでしょう。どうせやるなら本気で絵を教えようと考えまして、外堀本人のキャラクターもあり、せっかくだから公開講座にしてしまおう、というのが事の経緯になります。
このマガジンでは、講座の復習を兼ねて外堀に内容のまとめを連載してもらいます。記事を読んで興味があれば、元の動画をご覧頂くのもよし、動画を観て記事で内容を整理するもよし。外堀が講座内容をどう理解していったのかがきっと生々しく伝わるものになると思います。
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外堀の紹介も兼ねまして、僕と弟子の出会いについての紹介を。
外堀は現役の看護師です。絵、書、写真が好きなのでしょう、Twitterやら高校時代に作ったというウェブサイトには彼女の作った作品が山ほど掲載されています。
そんな外堀が今年の3月頃、夜勤明けにふらりと訪れたのが僕の個展でした。SNSで観て遊びに来てくれたとのこと。会場でしばらく話をしていると、医療従事者であるという。僕は医学書の装丁を作る仕事もしているので、いくつかタイトルを言ったら外堀の知っている本があり、そこから小一時間ほどでしょうかね、話が膨らみました。
このとき、「弟子を名乗ってもいいですか?」と聞かれました。「弟子はとっていませんが、SNS上でネタにするくらいなら良いですよ」くらいのことは言ったような気がします。
その後、Twitterではちょいちょい絡むようになったわけですが、なんせ看護師ですから、仕事もハードだろうと思いきや、活動がアクティブなんです。こちらが外堀のTwitterアカウント。
「悩むより先に動く」タイプなんでしょうね。画力があろうとなかろうと、とにかく描きます。僕が過去にアップした作画動画を観ながら描いた絵も沢山ありました。それがまた、継続されてるんですよね。
Twitter上で新しい道具の情報交換なんかをしていたところ、話の流れで先日開催された東京インターナショナルペンショーで一緒に会場をまわることに。会場では知り合いも多いので、一人でまわるよりは楽になるだろうか…というくらいで考えていたんですが、外堀は誰と会おうが物怖じせず喋るんです。そして会話の端々に「弟子です」と必ず入る。はじめは聞き流していたんですが、だんだん弟子の挨拶回りみたいになってきて、シャレにならなくなってきたわけです。
イベントの終盤になるころには、「弟子といっても何をすればいいのだろう」と考えはじめている自分がいて、やや混乱気味の中で正式な弟子と認めてしまいました。その数時間後には外堀Twitter上では「正式に弟子入りしました」と発表され、「あぁ、もう後戻りするわけにはいかんな」と覚悟を決めたわけです。
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弟子をとったからには、ちゃんと師匠らしきことはせねばなるまい。
と、思いつつ、本業のある外堀にどうすれば絵を教えられるか考えました。外堀は沢山絵を描いてきてはいるものの、我流なのでいちから教えねばなりません。やるならジックリ時間をかけてやりたいが、場所も時間も簡単には作れないわけです。
そこで考えたのがオンライン指導です。zoomやインスタライブで何度かワークショップをやった経験を活かしてみようじゃないか、と。
でも、オンライン上の繋がりだけでは薄いような気がします。ちゃんとした絵を教えるならば、地味で根気のいる内容も含まれてきます。それを実現するには、できるだけ深い信頼関係が必要だと考えました。その結果、そのレクチャーを公開し、一緒に番組を運営することで目的と緊張感、発表の場を作ることで解決していくことになりました。
修行中の絵を発表すること、オープンな環境で会話すること、誰かに観られながら描くこと、どれも簡単な事ではありませんが、幸運なことに外堀はそこに抵抗なく取り組めるタイプだったんですね。
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肝心の絵はゼロからのスタート。逆に、番組としてはそこが面白いのでは?と考えています。既に配信された第1回の放送は事故多発の内容でありつつも、録画を改めて観ていると、事故部分を差し引けばなかなか良い内容でした。講師が一方的に指南していく「隙のないレクチャー動画」とは違い、視聴者側にも「考える余裕を与える」テンポで進められています。
画質や見せ方、音量バランス、進め方など課題はありつつも、これまでの講座番組とはニュアンスの違うものに育っていくのではないでしょうか。
更新は2週間に一回ペースです。
あくまで「弟子への作画指導」をコンセプトに、外堀のペースに合わせて、進めていく予定です。
師弟ともに、試行錯誤を繰り返しながら運営していく予定です。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。