いまどきの作画指導はLINEでできちゃうのね
「作画塾2」最初の記事は、僕と典嶂がどんな方法でレクチャーをしているかっていう内容です。
LINEです。このご時世、直接会うのも負担が大きいですからね。
と、まずはお題を僕が出しまして、この後補足説明もちょっと入れてますが、期限を決めてもらって、典嶂が作品を提出します。
差分稽古(さぶんけいこ)とは
「差分稽古(さぶんけいこ)」っていうのは、僕が作った絵の練習方法なんだけれど、単純に上手、下手の実力差を体感するっていうものではなく、「二つの絵の違いを細かく観察して、言語化する」ことが目的です。
たぶん、指導を受ける側にかかる負荷が大きいので条件が揃わないと、きっと上手くいかない練習方法。でも、上手くいくと、一回の練習でもたくさんの気づきが得られるから大量の収穫が期待できるんです。
だって、画材も時間も(自分で決めた)テーマも限られた条件下で、全く違う作品が生まれるわけですよ。「何が違うんだろう?」って思うじゃないですか。それを具体的に想像して、言語化して、その上答え合わせがあるんです。なにより、自分も一生懸命描いているから、その差分探しにかける集中力と緊張感が違います。
で、典嶂が選んだテーマは「ひまわり」
典嶂は、この「ひまわり」に100字程度の説明文をつけています。
それを受けて、僕も似たような構図のひまわりを描きます。
ここで、一旦お互いに分析タイム。
この2枚は何が違うんだろう?と考えます。
ポイントは、典嶂が先に描いている、というところ。
「見本を見て真似る」いわゆる模写とは根本的に違い、典嶂のオリジナル作品を軸に課題を進めます。すると、あるモチーフをゼロから描く時に何を考えたのか、まで「差分」に含まれるんですね。
で、典嶂が気がついたこと、感じたこと、思ったことを言葉でリストアップしてもらって、僕は僕で典嶂のひまわりを見て描いた時に考えたことや気づいたことを思いついた分だけ書き込む。
ここでは、「こうするといいよ」とか「描き直し」みたいなことはしません。でも、リストアップされた言葉や質問に対してはひとつひとつコメントをしていきます。
大事なことは、同じモチーフでも描き方・考え方が違うと違う絵になることに気がつくことと、そこには具体的な理由があることを知ることなんです。
考え方ひとつ、道具の使い方ひとつで上達する部分もあれば、たくさん練習して技術が上がることで描けるようになる部分もあります。それを認識することが差分稽古の目的なんです。
LINE、悪くない
だいぶ端折っているけれど、描いた絵を撮影して送る。解説は絵の中に入れてもいいし、LINEで文字でやりとりするのも良いと感じています(もちろん、他のメッセンジャー系ツールでもOK)。細かい技法については動画で撮影してYoutube経由で送ることで解決できちゃうし。
LINE十分使える!
なんて思っています。
とにかくやりとりの記録が残るところが素晴らしい。お互い時間もやりくりできるしね。もちろん、zoomや直接会うレクチャーも予定しているけれど、その時はLINEで伝わりにくいもの、を中心に内容を絞れます。とっても効率的。
今はもう差分稽古も終わって次の課題に移っていますが、とっても順調に進められています。これもひとつのオンラインレクチャーの形。たぶん、いろんなところで同じように活用されている方も既にいるだろうけれど、個別レッスンとしては主流になっていくかもしれないなぁ、このやり方。