感染拡大していたって、自分は自由
今の感染症は第七波とのことで、猛烈に広がってる。
でも、これで行動を抑制しすぎているとキリがない。
そうして、ここまでの夏休み、引きこもって暮らしてきたけどもう限界だ。
ここでも我慢してるともう遊びになんかいけなくなる。
それに、丁寧に生活して立ってかかるときはかかる。
なら……その時間まで待つよりかはさっさと行動した方がいい。
せっかくの夏休みを無駄にしてなるものか。
旅行にいきたい、遊びにいきたい。この気持ちがあるからこそ、俺は動くのだ。
「よし」
ということで、早速準備に取り掛かる。
まずは着替えや日用品などを詰め込むバッグを用意する。
そして、それを肩にかける。
財布はポケットの中に入れておこう。
あとは……スマホも持っていこうかな。
連絡とかあるかもしれないし。
とりあえずこんなもんでいいだろう。
後は……一応持っていくか。
俺は棚の上に飾っていた家族写真を手に取り、それを持っていこうと思った。
すると、母さんが部屋に入ってきた。
「あれ? どっか行くの?」
「ちょっとね。友達と遊びに行くんだ」
「そう。気をつけて行ってきなさいよ」
「うん」
そう言うと、母さんは部屋から出ていった。
俺も部屋を出て階段を降りていく。
リビングでは父さんがソファに座ってテレビを見ていた。
「あ、悠斗くん。どこか行くのかい?」
「はい。友達と遊んできます」
「そうか。いってらっしゃい」
「行ってきます」
そう言って玄関へと向かう。
靴を履いて外に出た。
「あら、どこに行くの?」
外に出てすぐに声をかけられた。
振り向くとそこには買い物袋を持ったばあちゃんがいた。
「友達と遊ぶんだよ」
「そうなの。気をつけて行ってくるのよ」
「うん。わかった」
ばあちゃんは俺に向かって微笑んでくれた。
俺も笑い返す。
「じゃあ、行ってきます」
「ええ。楽しんでくるのよ」
こうして、俺は家を出ていくのだった。
◆◇◆◇◆ 外に出ると空は雲ひとつない快晴だった。
風も心地よく吹いている。
絶好のお出かけ日和だな。
そんなことを思いながら、駅の方へと向かって歩いていく。
しばらく歩くと、駅前についた。
「さて、ここからどうすっかなぁ……」
特に何も考えてなかった。
なので、駅の周辺をぶらぶらしながら考えようと思う。
俺は、自由だ。