FA極星デッキの解説
初めに
こちらの記事は、遊戯王マスターデュエルのランクマッチSeason31でマスター1に到達した「FA極星」デッキについて解説したものです。
極星テーマについてある程度知識があることを前提に書いてありますので、極星について全く知らないという方は、こちらの極星カードの解説記事と併せて読まれることをおすすめします。
FA極星とは
「FA極星」は、【ランク3軸FA】に極星の展開を組み込んだデッキです。妨害を踏み越えて展開できる貫通力と、数々の特殊な妨害、そして盤面の堅固さがウリになります。
デッキレシピは下記リンクからご確認いただけます。https://twitter.com/Alex_F_Stormy/status/1816411844845994156
極星にFAを組み合わせる理由
極星にFAを組み合わせる理由は単純で、極星の強みを残しつつ、弱い部分をカバーしてくれるからです。FA極星の説明をする前に、極星の強みと弱みについて軽く触れておこうと思います。
まず、極星の強みをいくつか挙げるなら、以下のようなものがあります。
全ての下級極星から極神の召喚に繋げられる
スヴァリンによる上質な妨害
アルヴィースによる墓地送り除去へのケア
極星には最強格のリンク1モンスターである極星天グルヴェイグの存在があり、その効果で簡単に極神を召喚することが可能です。また、場に極神がいるとき、極星宝スヴァリンによって毎ターン相手の場の表側カードを全てエンドフェイズまで無効にすることができます。さらに、墓地にアルヴィースが存在する場合には、サンダーボルトなどの破壊除去はもちろん、壊獣や超融合など破壊を伴わない墓地送り除去もケアすることが可能になります。
こう見ると、非常に強力なテーマのように思えるのですが、以下のような致命的な弱点があり、極星を環境外テーマへと押し下げています。
ほぼ全ての誘発が刺さり、妨害1つで展開が止まる
グルヴェイグのコストが重い
純展開だとほぼ1妨害しかたたない
リーサル能力が低い
他のテーマとの混ぜ物が難しい
前述したようにグルヴェイグの効果で極星モンスターから簡単に極神を展開できるのですが、逆に言うとグルヴェイグの効果を止められるともう何もできなくなります。仮にグルヴェイグを止められなくてもニビルを持たれてると結局終わります。とにかく誘発受けが悪いです。
しかも展開が通ったとしても、純展開だとスヴァリンの妨害しか立ちません。グルヴェイグのコスト(厳密にはコストではない)に3枚のカードを要求されるため、他にカードがほとんど残らないのも問題です。また、基本的に極神1体しか場に残らないためリーサル能力が低いです。
かといって、他のテーマと混ぜて補強しようとすると、今度は極星を引けなくて極神が立たなかったりします。グルヴェイグの制約もあるので展開の仕方に制限がかかるのも混ぜ物を難しくしています。
このように、極星には一定の強みがあるものの、それに余りある弱みがあるため、ファンデッキの域を超えないと考えられてきました。しかし、「ランク3軸FA」と組み合わせることで、前述した強みをそのままに、弱さを克服することができるのです。
どのようなシナジーがあるのか、基本展開を追いながら説明していきます。
FA極星の基本展開
レベル3モンスターを二体並べてMXセイバーインヴォーカーをX召喚
インヴォーカーの効果で極星工イーヴァルディをリクルート
イーヴァルディの召喚時効果で極星宝スヴァリンをサーチ
インヴォーカーに重ねて、エクシーズアーマーフォートレスをX召喚
フォートレスの起動効果でアーマードカード2種をサーチ
フォートレスに重ねてFAクリスタルゼロランサーをX召喚
イーヴァルディをリンク素材に極星天グルヴェイグをリンク召喚
グルヴェイグの効果でデッキから極星モンスターを3体リクルート
極星モンスター3体で極神モンスターをS召喚
スヴァリンとフルアーマードエクシーズで2妨害を構える
まず、「ランク3軸」で組むと何ができるかというと、レベル3モンスターを二体並べることでインヴォーカーからイーヴァルディをリクルートすることができます。とりあえずレベル3モンスターを並べられれば、極星展開に繋げられるので、極星を引けなくて極神が出せないという混ぜ物のジレンマを解決できます。トール軸の極星デッキはレベル3モンスターを多く採用するため相性もいいです。さらにイーヴァルディで先にスヴァリンをサーチしておくことで、アルヴィースを展開に組み込めるというメリットもあります。
しかし、これだけでは純極星展開とさほど変わりがありません。そこでFA展開を採用します。インヴォーカーからFA展開をすることで手札を補充しつつ、1妨害を増やすことができます。これにより極神側の展開を妨害されたとしても最低限の妨害を構えることができます。反対に、FA展開に相手の妨害を吸わせて、本命の極星展開を通すということも可能です。増やした手札はグルヴェイグの除外に使うことができるため、無駄がありません。
相手ターンには、スヴァリンとフルアーマードエクシーズでX召喚したFAダークナイトランサーの効果に、手札誘発などを合わせて戦っていきます。
妨害の数と質
たった2妨害で環境デッキと渡り合えるのかと、疑問に思われることでしょうが、この2妨害は遊戯王の妨害効果の中でも特殊かつ強力なものになります。
まず、ダークナイトランサーの効果ですが、装備カードを装備した場合に、相手のモンスターを自らのエクシーズ素材とすることができます。
これは対象をとらない効果なのでサクリファイスエスケープなどで回避しづらく、またエクシーズ素材にするので墓地などから再利用することも許しません。最高レベルのモンスター除去といえると思います。
次にスヴァリンですが、自分の場に極神がいるときに、1ターンに1度、相手の場の表側カードの効果を全てエンドフェイズまで無効にすることができます。幅広い種類のカードを無効化でき、タイミングによっては、複数のカードをまとめて無力化できるので、こちらも最高レベルの妨害効果といえるでしょう。
モンスター効果や魔法罠に対応できないダークナイトランサーと、場のカードを除去できないスヴァリンは、相互に弱点を補うことができるため非常に相性がよいです。
このように基本となる妨害の数こそ少ないですが、妨害の質が非常に高いことがFA極星の強みになっています。なお、3軸は手札誘発を大量に積めるので、実際には+1~2枚の妨害が上乗せされることが多いです。
盤面の強度
場にグルヴェイグ、極神、クリスタルゼロランサー、フルアーマードエクシーズ、スヴァリン。墓地にアルヴィース、極星チューナー、エクシーズモンスターという、この基本盤面は見た目以上に硬いです。
まず抱擁などで妨害数が減らされることがありませんし、対象除去への耐性もあります。全体破壊も1度ならほぼ無傷で耐えることができます。
拮抗勝負は1回無効にすることができ、2回受けても1妨害以上残すことができます。ラヴァゴーレムのようなリリース除去を受けても1妨害以上残ります。
戦闘についてもATK3000超えの高打点モンスターが2体並ぶので、めったに突破されることはありません。
このように盤面が中々に硬いので、相手が妨害を切り抜けつつ、こちらの盤面を完全に切り崩すことは容易ではありません。仮に切り崩されたとしても相手にかなりの消耗を強要させることができるので、ワンキルされにくく、次のターンに捲りやすい盤面にできるのも強みです。
リーサル能力
こちらの妨害によって、相手がモンスターをあまり展開できなかった場合には、返しのターンで簡単にキルを取りに行くことができます。しかも1妨害までならスヴァリンで無効にすることができるので安全に攻撃を通せます。
例えば、相手が1体しかモンスターを展開できなかった場合には、以下の手順でゲームエンドまでもっていくことができます。
フルアーマードエクシーズでダークナイトに墓地のインヴォーカーを装備
ダークナイトの効果で相手モンスターを吸収
極神とダークナイト(ATK5300)の直接攻撃で8000点超え
このようにFA展開を採用することで、ミッドレンジ寄りだった極星デッキが一気に勝負を決めることができるようになり、勝率が大幅に向上します。
御巫出張の採用
レベル3モンスターの展開要因として、ベイゴマックス出張に加え、御巫出張を採用することで、展開を伸ばせる他、これまで出来なかったGケアやニビルケアも容易になります。他にも、迷わし鳥を墓地に送っておくことで2ターン目以降にガス欠する問題を解決出来たり、単純に妨害を増やしたりと、御巫を出張させることでFA極星に足りないところを全体的にカバーすることができます。
後攻捲り
純極星は後攻が非常に弱いですが、FA極星は後攻でもかなり戦えます。3軸の特徴として、誘発モンスターを多く採用できるので、手札誘発で相手の盤面を弱体化させてから、ベイゴマックスや御巫の水舞踏などの強力な捲りカードを使って相手の妨害を踏み抜き、アーゼウスなどで盤面を返します。手札によってはそこから更に極神を展開する荒業も可能です。
まとめ
以上、FA極星デッキの紹介でした。
極星はデッキのレアリティが高いと噂されがちですが、FA極星の場合はテーマ内で必要なURは極神の2枚程度で、あとはほぼ汎用カードで構成されています。
カード資産がある方なら作成コストはそれほど高くないと思いますので、この記事を読んで極星に興味が持っていただけたなら、是非組んで遊んでみてください!
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