タコライス


いつも食べる時に思い出すあいつについて


高校を卒業して初めて友だちの一人暮らしする
アパートに泊まった日の話
初めて友だちに作ってもらったごはんが
タコライスだった
一緒に買い出し行った
地元とあまり変わらないような風景の街を
ひたすら歩いた




そいつに出会ったのは中学2年生
塾で出会った
同じ学校に通っていたのに全然知らなかった
正直めちゃくちゃ可愛くて生意気でおもしろくて
友だちになりたい!と思って私から話しかけた
(気がする)
バカじゃなかったら出会ってなかったと思うと
自分のバカさに感謝する





帰り道にいつも立ち話をする場所があり
そこでいつもみたいに友だちCと話していると
そいつが友だちSと歩いてこちらに来た
友だちSは家がこの辺ではないのに居て
そいつはこの辺だとのこと
じゃあ小学校被ってもおかしくなかったじゃん
と思った
それからたまに帰路で会った






中学3年生になってそいつと同じクラスになった
地味にクラスは男女で仲が良かった気がする
修学旅行も受験もあった
全てに最後がついた
めちゃくちゃ忘れられないのが
3月の卒業間際に教室の後ろの窓際で
少人数輪になって、自分たちは
どんな大人になってるかなって話したこと
今の年齢があの時話してた大人なのかわからない
けどみんな、本当にそれぞれ頑張ってる




高校に上がって
そいつとは違う学校に通っていた
そいつの高校の文化祭に行ったり
2人でご飯も行った
スケートにも数回通ったし
年に一度は必ずと言っていいほど会っていた
けど前もってこの日に絶対会おう!
と決めていたわけではないし
特にこれと言って大事な話とか
印象に残った話はしていない
それが良かった






私は基本的に人として好きな人と友だちになる
恋愛感情というより、一人の人間として
めちゃくちゃ長い付き合いの友だちになったら
心というか全てを開く
過去にセフレなどができたことがないが
身体の関係がなくても壁を超えて
自分を曝け出せるから、必要性を感じない





一度だけそいつの前で大泣きしたことがある
前でというか、電話で
あまりというか全然、人の前で泣いたことがない
女友だちでも2人だけ
そう考えると、思ってるより割と
大事な友だちなのかもしれない
その後に会って話を聞いてくれたり
たわいもない話をした気がする
気がする、というのはその時
珍しく酒を飲んでいたのであまり覚えていない
普段はめちゃくちゃキレのある
発言をする人だけど、
たまにめちゃくちゃあったかい人間で
それがあの時は非常にありがたかった
忙しいのに時間取らせて悪いなあと思ったが
なんだか楽しそうな顔していたので
始発まで飲みに連れ出してやろうかと思った






まあ割と色んな思い出があるやつだけど
大胆なことをする人なので反感を買うことも多い
ちょっとは傷ついてるけど
多分それも個性に変えて開き直って俺は俺、と
思っていそう
一友だちとして、一ファンとして
あいつが頑張ってるとモチベーションになる
職場の人にあいつの話をされると困って
みなさんにおすすめできる曲はないけど、
いいやつです、と言っている
だって親世代だし、そりゃ聞かないでしょ
だからもう少しポップな曲を書いてほしいとは
言ったが、自分の好きな曲を作ればいい
人におすすめできなくても
それを待ってるファンがいるし
とりあえず、まずはお前が幸せになってくれ





たまにはまたテキトーに会いたいよ

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