【シティリーグ入賞】ネイティオ軸ドラパルトex 考察×解説
はじめに
こんにちは。みかんかん(@mikan_n_kanzume)と申します。普段は千葉~都内をメインに活動しています。主に自主大会に参加することが多いので、マッチした際はよろしくお願いします。
本記事は10/19(土)に行われたシティリーグにて使用し、ベスト8に入賞することができたネイティオ軸のドラパルトexデッキの解説記事になります。
超電ブレイカー発売の次の日の大会ということで、本デッキ作成過程での考察から最終的に使用したリストの紹介がメインとなっています。
解説よりは考察に重点を置いた記事となっていますが、最後に基礎的なデッキの回し方についても記載しているので、解説メインで読みたい方は目次から飛んでいただければと思います。
(「デッキ解説」からでも理解できる内容にはなっていると思います。)
デッキの組み方や超電ブレイカー環境のデッキ選択の参考になればと思いますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです!
著者の経歴
2018年発売の「GXウルトラシャイニー」でポケモンカードを初めて購入し、コロナ拡大による大会中止から解放された2022年頃から本格的に競技者として参入しています。(マスターカテゴリー)
これまでの公式大会の戦績としては、シティリーグ優勝3回、準優勝2回、ベスト8以上は複数回獲得しています。
自分でデッキを作成するのが好きで、標準から少し外れたデッキタイプやカード採用を好みます。
簡単な自己紹介は以上として、ここから本記事の本題に入ります。
超電ブレイカー発売
超電ブレイカーに収録されるカードの中に、目を惹くカードがありました。
それが、トリトドンです。
特性により、ベンチの2進化ポケモンの特性を止めることができます。
現環境には特性が強力な2進化ポケモンが多く存在するため、ある程度のデッキに対して有効です。
最近ではカースドボムのヨノワールを打点補助や盤面破壊の役割として採用しているデッキが多く、今まではこれといった有用な対策カードは存在していませんでした。
個人的に現環境のヨノワールというカードを非常に高く評価しており、その理不尽さやパワーはトップクラスだと思っています。その強さをある程度制限できるトリトドンというカードにフォーカスを当てて、デッキ構築を考えました。
トリトドンについて
書いてあることはかなり強いのですが、弱点も存在します。
それは、
①トリトドン自体がベンチにいないと特性が発動しないこと
②2進化ポケモンをバトル場に出せばロックに引っかからないこと
です。
①については、ボスの司令などでバトル場に呼び出されることでロックを解除されてしまいます。
②については、バトル場でヨノワールの特性を発動させることで簡単に突破することができます。
これらの欠点を補うために、
・トリトドンを2匹建てる(エヴォリューション)
・バトル場に特性ロックできるポケモンを置いておく(ハバタクカミ、クレッフィ)
といった意見を見かけましたが、完全ロックを決めることを目標とするあまり、試合に勝利するという一番大事な達成目標を目指せていません。
トリトドンを複数体建てたり、バトル場に妨害ポケモンを置いたところで直接勝利に起因するわけではないので、上記のトリトドンの使い方はあまり最適ではないと考えました。
それでは、どのような使い方をすることでトリトドンの効力をより発揮できるのでしょうか。
自分は、トリトドンのヘイトに注目しました。
2進化ポケモン主体のデッキ視点でトリトドンは厄介極まりないので、なるべく早く処理したい対象になります。
HPが130であるため、バトル場のヨノワールのカースドボムでちょうど倒されるHPラインであることから、相手のカースドボムの1投目の的になりやすいです。
トリトドンをボスの司令から倒されながらカースドボムを温存された場合は、サポート権を使わせているため相手の盤面が完成されていないことが多く、こちらのアタッカーが削れていない状況から攻撃に転じることができます。
状況に応じてカウンターキャッチャー等を使用し、温存されたヨノワール、サマヨールから狙うことで実質的に1投目のカースドボムを防いでいることにも繋がります。
トリトドンが狙われることでロックは解除されてしまいますが、相手の動きを制限しながら1投目のカースドボムや相手の攻撃を吸ってくれるだけで役割としては充分と言えると思います。
そのため、相手の動きを制限しつつ、トリトドンに攻撃を誘導することで盤面を強く保つことができる強みを活かした構築を目指しました。
構築検討
アタッカーの検討
トリトドンと組み合わせるアタッカーとしては、ドラパルトexを選択しました。
自身も2進化ポケモンでありながら、特性を持っていないためトリトドンと組ませる点で不自由は生じません。
下技の「ファントムダイブ」がベンチに60ダメージ乗せることができるので、後続のヨマワルを倒すことができます。
トリトドンに動きを縛られながらアタッカーを育て、システムポケモンを育て、さらにヨマワルを2体進化させるのは相当要求が高いです。
そのため、2匹目以降のヨノワールを拒否しやすい点からトリトドンと相性が良いと評価しました。
相性の良いカードの検討
ドラパルト視点で、ヨノワールのカースドボムは以下2つの観点で脅威となっていました。
・カースドボムの削り(130)とアタッカーの攻撃(190〜)により1ターンで倒される
・ベンチのドロンチがカースドボムによって倒されながら、バトル場のドラパルトが削られる
この2点をトリトドンによって抑えることができるようになったことから、相対的にドラパルトの耐久を上げることに繋がっています。
・トリトドンの準備に時間を有するため、こちらのアタッカーの準備も遅れる
→遅れを取り戻すためのカードが欲しい
・ドラパルトの耐久が上がる
→HPを回復できる耐久カードと相性が良い
以上より、トリトドンを採用することで上記を満たすカードの価値が高くなります。
ここで採用を検討したカードが、「ポケモン回収サイクロン」です。
1回攻撃を受けたドラパルトexを回収し、後続のドロンチに進化させて新しいアタッカーとすることで擬似的な回復ソースとなり、ドラパルトexを1発で倒せない相手に対して攻撃回数を増やすことができます。
回収サイクロンはドラパルトexが1発で倒されないことや、ベンチにドラメシヤやドロンチが用意できている時に効力を発揮するため、カースドボムの1投目をドラパルト達が被弾しないことのメリットがより大きく、シナジーの良い組み合わせであることがわかります。
また、最近では前の番に自分のポケモンが倒されることがトリガーとなって発動できる強力なカード(アンフェアスタンプ、キチキギスex)などが多く、敢えて倒さずに削るというプレイングが確立されつつあります。この動きに対しても強く出ることができるため、今の環境に適していると言えると思います。
最近のネイティオ軸のドラパルトデッキはアンフェアスタンプの採用率が高いことから、尚更刺さりやすいです。
これらのことから、
トリトドン
ドラパルトex
ポケモン回収サイクロン
の組み合わせが親和性が高く、トリトドンの効力をより発揮できると感じたので、軸としてデッキを考え始めました。
デッキエンジンの検討
デッキを回すためのシステムポケモンとしては、ネイティオで即決定しました。
トリトドンの影響を受けない1進化ポケモンであり、回収サイクロンで回収したエネルギーを盤面供給+ドローへと転換できるため、この上なくマッチしています。
また、エヴォリューションを採用することで後攻1ターン目からトリトドンを出すことが可能であり、その恩恵も受けることができます。
これにより、エヴォリューションからドロンチ、ネイティオ、トリトドンを展開し、盤面を整えて戦っていくデッキコンセプトとなりました。
サブアタッカーの検討
ここまでで、2進化系統のデッキやカースドボムに対抗する手段としてはトリトドン+ドラパルトexの制圧力で、中打点デッキに対してはポケモン回収サイクロンで解答を出せていますが、高打点を連打できる種exポケモン主体のデッキに対しては全て無力です。
現環境ではタケルライコex+オーガポンexのデッキが猛威を振るっており、既存のドラパルトexのデッキは不利を取ってしまいます。
細かい立ち回りやメタカードを採用することで1ターン猶予をもらい、勝機を見出すことはできますが、相手の引き次第では掻い潜られてしまうためメインプランとするのはあまり好ましくありません。
とは言え、先行2ターン目からドラパルトexで殴り始め、倒された返しに攻撃できるドラパルトexを何回も用意するのは要求がかなり高く、再現性に欠けます。
そのため、別のアプローチを考えました。
ここでサブアタッカーとして検討したのが、かがやくリザードンです。
種exポケモンに対して充分なダメージを確保しつつ、倒されてもサイドを1枚しか取られないためサイドレースを捲ることができます。
必要エネルギーが炎+無色で構成されているため不自由なく採用できる他、ネイティオのエネルギー加速によって早期起動も可能となっています。
また、軸がネイティオであることから非exのみで盤面形成をすることが簡単であり、ロトムVやキチキギスexのようなシステムポケモンを場に出してしまっていたとしても、回収サイクロンで回収することで上記盤面を作ることができます。
以上のことから種exポケモン主体のデッキへの解答とし、デッキの大元が決まりました。
デッキリスト(調整案①)
これまでの過程を踏まえて、調整したリストが以下になります。
デッキコード:xKc4DJ-bE3ryw-88KxxJ
構築検討のフェーズで考察したカードと相性の良いカードを採用し、上記の60枚としました。
(各カードの採用理由は大会で使用したリスト解説時に記載します)
既存のネイティオ軸のドラパルトexデッキをベースにしており、トリトドンラインを除き、特に目新しい採用カードはないと思います。
実践練習を踏まえた上での再考察
トリトドンが効力を発揮するデッキを友人に使用してもらって対戦してみると、実際にトリトドンは機能しました。
相手視点でも「厄介だった」と感想を貰い、効果は実際にあったようです。
ここで、1つの疑問が生じました。
「このトリトドン、本当に必要だろうか…」
トリトドンが機能していたことは事実です。
ですが、それがデッキに必要かどうかはまた別の話になってきます。
ドラパルトexはダメカンばら撒き+デヴォリューションのコンボで、元々2進化デッキに対しては比較的有利を取れています。
そのため、本デッキのトリトドンはほぼヨノワールのためのカードと化していました。
本デッキはエヴォリューションから展開するタイプのデッキであり、エヴォリューションの進化先としては3種類、進化パターンは以下の5つになります。
・ドロンチ×ドロンチ
・ネイティオ×ネイティオ
・ドロンチ×ネイティオ
・ドロンチ×トリトドン
・ネイティオ×トリトドン
トリトドンを初手から進化させるパターンは下2つです。それぞれのパターンを考えてみます。
進化パターン① ドロンチ×トリトドン
ドロンチを1体しか建てられていないためドローパワーに欠け、ネイティのHPが50とサマヨールのカースドボム圏内であるため、安定感と盤面の脆さがネックになってきます。
進化パターン② ネイティオ×トリトドン
カースドボムに対して強く出られる並びですが、1匹もドロンチに進化していないためドローパワーに欠けるだけでなく、次のターンに攻撃まで到達することが難しいです。
実際に上記2つのパターンを試してみましたが、想定通りこちらのハンドがなかなか伸びず、デッキの回りがかなり不安定になってしまいました。その分相手も止まっているといえばそうなのですが、結果的にお互い得をしないだけになっています。
つまり、初手から相手を制限するためにトリトドンを育てる動きは、ネイティオドラパルトと相性がそこまで良くないということが分かりました。
以上のことから上記2つの進化パターンを選択することがほとんどなくなり、序盤はドロンチとネイティオを育て、中盤でエヴォリューションを使わずに直接トリトドンへの進化を目指すルートが多くなっていました。
それでは、この動きはヨノワールに対して有効になるのでしょうか。
ドラパルトが1発で倒されてしまう問題については、ヨノワールが育つタイミングを考えると中盤以降でもトリトドンを置くことでドラパルトを守る動きに繋がりそうです。
ですが、ドラパルトの性能を再考してみます。
上記参照より、ドラパルトexは2匹目以降のヨノワールを拒否しやすいという性質があります。
1回ドラパルトexがワンパンされてしまったとしても、ヨノワールを再度育てて2回目のドラパルトexを1ターンで処理するのはなかなか難しいです。
そのため、ヨノワールを絡めたドラパルトexのワンパンを1回許容することができれば、2回目以降はドラパルトexの単体性能で概ねカバー可能だと判断しました。
ベンチのドロンチが簡単に倒されてしまう問題については、本来トリトドンを育てる予定だった場所をドロンチに変えることで盤面のドロンチの総数は減りません。
トリトドンであればおまけに2進化ポケモンの特性を止められることや、トリトドンが倒された場合にドロンチの総数を残していることに繋がるため若干有効には働きますが、誤差の範疇です。
それ以上に、上記2パターンにおいては早期にドロンチをなるべく展開することの方が大事であり、トリトドンを建てるという汎用性の低い動きの方がメリットが薄いという結論に至りました。
また、ヨノワールが採用されているデッキはふしぎなアメを共有できることから、2進化ポケモン主体のデッキに採用されていることが多いです。
これらに対しては、ファントムダイブを2回宣言してダメカンをばら撒き、デヴォリューションから盤面を一掃、最後にかがやくリザードンでシステムポケモンを狙うルートを取る事で、ヨノワールによるドロンチ狩が行われてしまったとしても、終盤ドラパルトに頼らず勝ち切る動きを取れることが分かりました。
種exポケモン×ヨノワールの組み合わせについては、かがやくリザードンをアタッカーとして使うことで優位に立ち回ることができます。
2進化デッキに対して強いとされていたヨノワールですが、「かがやくリザードン」の採用によってドラパルトに依存しすぎない構築となったため、勝ち切れる動きを確立することができるようになりました。
これらのことから、ドラパルトexの単体性能や採用するカードを上手く使うことでいなす事ができるため、デッキの枠を取ってまで使うポケモンではないという評価に落ち着きました。
ヨノワールの脅威が完全に消えることはありませんが、世の中の全てのデッキに入っている訳ではないため、この2枠をより汎用性の高いカードに変更することで全体の勝率は高くなると判断し、トリトドンを抜くことにしました。
総括
では何故トリトドンがうまくハマらなかったのでしょうか。
それは、メインではないポケモンから考察を初めてしまったことが原因かと思っています。
トリトドンから見た時のドラパルトexは相棒として充分な性能をしていましたが、その逆は成立していなかったことに気付いていませんでした。
最初はトリトドンから採用カードを考えていたため、もはやそれは「トリトドンデッキ」です。
その後ドラパルトexというメインアタッカーが決まったことで、次第に「ドラパルトデッキ」として構築が変化していきました。
デッキの軸やace specをトリトドンとの相性で考えて選択しているため、安易に抜いてしまうとデッキの均衡が崩れるリスクがありましたが、「ドラパルトデッキ」になるにつれて軸やace specから採用するカードを選択しています。
そのため、トリトドンを抜くこと自体がデッキに大きな影響を与えることはありませんでした。
最初の軸であるトリトドンの評価が下がったということは、「ドラパルトデッキ」としての完成度が高くなったことを意味します。
こうして、トリトドンデッキの副産物として、今回のドラパルトデッキが完成しました。
ありがとう。トリトドン。
デッキ解説
当日使用したデッキリストは以下になります。
デッキコード:VFFkFV-2TpEgH-kF5wdF
調整案①の時点でデッキとしてほぼ完成していたため残りの58枚は続投し、足りていない所を補う形で残りの2枚を採用しました。
→ネストボール4枚目、シンオウ神殿
採用カード
・ポケモン 18枚
ドラメシヤ、ドロンチ:各4枚
3枚採用の時にサイドに1枚でも落ちると渋く、ドロンチについては素引きして進化できるとエヴォリューションからより安定した盤面を作ることができるため、最大枚数の採用です。
ドラパルトex:2枚
2枚のサイド落ちは割り切っています。
テラスタルオーブによってサーチが楽になった点と、2匹目以降のドラパルトについては夜のタンカによりトラッシュから回収可能なため、枚数を絞って他のカードに枠を譲りました。
ネイティ、ネイティオ:各2枚
基本的には1体しか建てませんが、エヴォリューションの返しなどに1体しかいないネイティオを取られてしまうとエネルギー供給が遅れてしまうため、余裕があれば対面次第ではネイティを2体置いておきたいです。
ピィ:1枚
初手にエヴォリューションが使えなかった時や、手札補充をしたい時に使用します。
逃げるためのエネルギーが0のため、技を使用しないときにも盤面に置いておくことで、気絶時や回収サイクロン使用時にバトル場に出すポケモンとして重宝します。
HPが30と脆い点には注意です。
マナフィ
エヴォリューションで進化したドロンチ2匹をかがやくゲッコウガの技などで処理されてしまうと取り返しがつきません。
最近では1進化のexポケモンとオリジンパルキアVstarを組み合わたデッキが増加していることや、新弾直後ということもありサザンドラexのオブシディアンに対して未対策で大会に出るのは怖かったため、泣く泣く採用しました。
かがやくリザードン:1枚
使用用途や採用理由は前述した通りです。
本構築では夜のタンカが3枚、炎エネルギーが3枚採用されているため、最大で3回使い回すことが可能です。
ネイティオを2匹建てられていると相手の残りサイドが4枚の状態で攻撃することが可能ですが、エネルギーをかなり使ってしまうため、早期起動する場合はリソース管理が大切です。
・キチキギスex:1枚
ポケモン気絶時の特性によるドローがかなり強く、回収サイクロンをドラパルトexの回復用途として使用しない対面や、リーサルを揃えに行くタイミングで置くことが多いです。
こちらもネイティオを2匹建てられていると攻撃することが可能なため、最後の勝ち筋になるルートも念頭に置いてプレイします。
・グッズ 22枚
なかよしポフィン、ネストボール、
ハイパーボール、テラスタルオーブ:4-4-2-1枚
種ポケモンを出せるカードはなるべく多く、進化ポケモンはエヴォリューションから進化させることが多いため、手札コストの重いハイパーボールは控えめの採用です。
エヴォリューションから基本的に進化させないドラパルトexのサーチ手段として、テラスタルオーブを1枚採用しています。
自分が1番使いやすかった枚数配分です。
ヒスイのヘビーボール:1枚
ドラパルトデッキはデッキの性質上サイドを取らずにゲームを進めることが多く、ピン刺ししたカードやドラメシヤが複数サイドに落ちてしまった時に回収するためだけにサイドを取る動きが弱いため、なるべく採用したいカードです。
ふしぎなアメ:1枚
ドラメシヤから急にドラパルトexになれる点や、ドロンチを温存することができる点を評価して採用しました。1枚採用するだけでプランがかなり広がります。先攻2ターン目から攻撃できる場面に置いても、相手の種切れで勝てる時以外はエヴォリューションからの展開を優先した方が後々楽になります。
大地の器:2枚
ドラパルトのような必要エネルギーが多色のデッキと相性が良いです。ネイティオとドロンチが盤面に居る状況化では、ドラパルトexと大地の器でファントムダイブまで到達することができるため、序盤の使いすぎには要注意です。
夜のタンカ:3枚
ドラパルトexやかがやくリザードンを使い回しやすくするために多めに採用しています。終盤の手札干渉に対してもネイティオによって2ドローへと転換できる点で評価が高いです。
1枚「すごいつりざお」に変えると最大値は伸びますが、単体で完結するカードであることから夜のタンカに軍配が上がりました。
カウンターキャッチャー:2枚
エヴォリューションからゆっくり展開していくデッキであること、相手のポケモンを倒しきらずに立ち回ることから相性がかなり良いです。
このデッキはファントムダイブの200ダメージを当てる場所によってプランが変わってくるので、使うタイミングを見極める必要があります。
ポケモンいれかえ:1枚
痒いところに手が届くカードです。
かがやくリザードンが「かえんばく」を使用した後の硬直が辛いため、できるだけ最後まで残しておきたいです。
ポケモン回収サイクロン:1枚
ドラパルトexの回復、キチキギスexの回収、ドロンチやネイティオの使い回しなど、使用用途は多岐にわたります。
相手の残りサイドが2枚でかがやくリザードンで攻撃する時、アカシックセンスでドローする時の超エネルギーの付け先をキチキギスexにすることで、負け筋を消すための回収サイクロンで超エネルギーを回収できるライフハックがあります。
・ポケモンのどうぐ 4枚
エヴォリューション:2枚
サイド落ちしてしまうとキツイという理由もありますが、対面次第ではエヴォリューションを2回使って盤面を整える動きをすることがあるため、2枚の採用です。
デッキの扱いに慣れると中盤でエヴォリューションを打つ選択が取れるようになるため、1回使えたからと言って安易に捨てるカードではありません。
デヴォリューション:1枚
かがやくフーディンを採用していないためパワーは落ちますが、殴り始めが早いドラパルト相手にはファントムダイブの打ち合いで負けてしまうため、採用しました。
2進化ポケモン主体のデッキ相手には、殴り勝つことよりも回収サイクロンの耐久と合わせてダメカンをばら撒くことを優先し、デヴォリューションによる盤面一掃を狙いたいです。
上記のわざマシン2種は、相手にサイドを取られている状態であればかがやくリザードンによってエネルギー無しで打つことができることも覚えておきましょう。
緊急ボード:1枚
逃げるエネルギーが0のポケモンが盤面に居ることが大事なデッキであるため採用しました。
このカードがサイドに落ちてしまい、エネルギーの供給に余裕がない時はピィを展開することでカバーします。
かがやくリザードンで攻撃した返しに、次のターン殴れない事を利用して130~150の削りを入れてきた際には、逃げるエネルギーを0にする第二の効果で下げることができます。
・サポート 8枚
ペパー:4枚
このデッキの核となるカードです。
ペパーからエネルギーやポケモン、キャッチャー、ace spec、わざマシンと何にでも繋ぐことができるため、サポートを使っていないターンでもそのターンの目標が達成できている時は使わずに残しておくことが大事です。
ナンジャモ:3枚
2枚だと足りなく、4枚だと過剰だと判断したためこの枚数に落ち着いています。
序盤に自分の手札補充として1枚、終盤に相手への手札干渉として1枚使うイメージです。
ドロンチの特性「ていさつしれい」は山札の順番を動かさない特性のため、ナンジャモを打つ前や後の手札を考慮し、山札を混ぜるかどうかを常に考える必要があります。
ボスの司令:1枚
基本的にベンチを呼ぶ回数は2回あれば充分のため、カウンターキャッチャーで事足りることが多いですが、お互いの残りサイドが2枚ずつの時にかがやくリザードンの攻撃で勝つルートが取れるため1枚採用しています。
・スタジアム 1枚
シンオウ神殿:1枚
草案ではスタジアムを不採用としていましたが、ポケストップで回すデッキが増えていることや、新スタジアムのグラビティマウンテンによってドラパルトexの高耐久が損なわれてしまうため、相手のスタジアムを剥がすカードとして採用しました。
相手の特殊エネルギーに重きを置いたため今回はシンオウ神殿を採用しましたが、環境次第では別のスタジアムやロストスイーパーに変わる枠です。
・エネルギー 7枚
基本炎エネルギー、超エネルギー:3-4枚
現物の枚数を減らしてしまうとエヴォリューションの宣言のしやすさに関わってくるため、最低限枚数は確保しておきたく計7枚に落ち着きました。
エヴォリューションのために炎エネルギーを使うとアタッカーで攻撃するためのリソースが1枚削れ、超エネルギーを使うとアカシックセンスでドローできる権利が1回削れるため、手札状況と相手のデッキによってエネルギーを使い分けます。
採用を検討したカード
・ルチャブル(特性:フライングエントリー)
あと10点が足りない場面が多く、回収サイクロンにより計40のばら撒きにもなります。
・ロストスイーパー
勇気のおまもり等のドラパルトexの攻撃の確定数をずらす道具に対して有効です。
・まけんきハチマキ
ドラパルトexの攻撃が230-60に、かがやくリザードンの攻撃が280に増えるため、Vstarポケモンや1進化exポケモンに対して強くなります。
どれもデッキのパワーを上げるカードですが、今回は安定感を上げるために採用を見送りました。
環境次第では採用を検討したいカードです。
デッキの回し方
先攻後攻については、先攻を選択します。
後攻からエヴォリューションで入るケースでは最大でポケモンを2匹しか進化させることができないため、先攻2ターン目の素で進化+エヴォリューションで盤面の1進化ポケモンの数を増やすことの方が優先度が高いです。
回し方はどのデッキに対しても概ね一緒です。
①エヴォリューションからドロンチ、ネイティオを建てる
②各種アタッカーで攻撃する
この②におけるアタッカーの使い分けや、ダメカン管理が重要になってきます。
エヴォリューションの使い方
最大値が一番高い動きは、ドロンチとネイティオを育てる動きとなります。ただ、他にドロンチが居ない場合、次のターンにドロンチが狙われてしまうと攻撃までの要求が高くなってしまいます。
そのため、次のターンにベンチへの攻撃(マナフィ不在時のベンチ狙撃orボスの司令やキャッチャー系カード)が飛んで来そうであれば、ドロンチを2体建てるのが丸いです。
ネイティオが1枚サイドに落ちている状態でネイティオを建てて倒されてしまうと、復帰に夜のタンカを強いられてしまうので、リソースと盤面から進化先を選択します。
自分の場合は、ネイティオが取られても問題なさそうな時(エネルギーが付いたドロンチを用意できている、ネイティラインがサイドに落ちていない等)以外はドロンチ2匹を優先して建てていました。
アタッカーの使い分け
本構築を使う際に意識する点は、以下の2つです。
・勝利までに必要なダメージ
・サイドレース
これは極論全デッキに言えることですが、本デッキではこの考え方が特に大事になってきます。
ドラパルトexのダメージが200+60、かがやくリザードンのダメージが250であるため、サイドを6枚取りきるまでに「誰で」「何回」「いつまでに」攻撃をする必要があるかを把握することが重要です。
(かがやくリザードンの名称を多用するため、以降ではKリザードンと表記します。)
以下の相手の盤面を考えます。
こちらがサイドを6枚取るためには最低で660ダメージ必要です。
つまり、必要な攻撃回数は最低3回になります。
(ここでは他のカードを考慮しないものとします)
1回目のファントムダイブでは相手のポケモンを倒すことができませんが、1回目のダメージと合わせて2回目のファントムダイブで2匹のポケモンexを倒すことができます。
つまり、ドラパルトexをアタッカーとして運用する場合は、ドラパルトexで2回攻撃する必要があることが分かります。
全員のHPが250以下であることから、Kリザードンであれば全員倒すことができるため、Kリザードンで3回攻撃するルートも存在します。
これにより、「誰で」「何回」の組み合わせは
・ドラパルトexで2回、Kリザードンで1回
・Kリザードンで3回
で達成できることが分かりました。
使用するアタッカーが分かったら、次はいつまでに攻撃する必要があるかを考えます。
こちらのポケモンは常ににワンパンされる想定で考えると、ドラパルトexを2回使うケースでは
ドラパルトex→Kリザードン→ドラパルトex
という順番に投げるのが1番効率が良いです。
つまり、相手の残りサイドが1枚の時に2回目のドラパルトexで攻撃することができれば良いため、逆算すれば「いつまでに」攻撃する必要があるかが分かります。
下の図は、攻撃するポケモンとそのタイミングで取れるサイドの関係を示しています。取れるサイド数はモンスターボールで表しています。
狙いたいポケモンに的確に攻撃を当てることができれば、図のようなサイドの進め方をすることで相手にサイドを6枚取られる前にこちらが6枚取り切ることができます。
この図より、相手にサイドを3枚取られるまでに(=2枚取られたタイミングで)攻撃できれば良いということが分かりました。
逆に言うと、サイドを2枚取られるまでは攻撃する必要が無いため、準備のターンにできるということです。
つまり、今回の例では、
・相手にサイドを2枚取られるまではアタッカーや盤面の準備をする
・ドラパルトex、Kリザードン、ドラパルトexの順番で攻撃する
という点を意識して回せば良いということです。
これにより、最終的に必要なポケモンやリソースが分かるので、そのターンの目標を設定しやすいです。
ここまでできたら、次は相手のデッキに採用されているカードを意識します。
例えば、タケルライコexのデッキには「いれかえカート」が採用されているケースが多いです。
ドラパルトexで200ダメージ削ったタケルライコexがいれかえカートにより30回復すると、残りHPは70となります。ドラパルトexを2回使うケースでは、ドラパルトexの攻撃2回でポケモンexを2匹倒しきる必要があるため、ベンチに乗せられる60ダメージで倒せないラインまで回復されてしまうと、プランが完全に崩れてしまいます。
従って、ここではファントムダイブの200ダメージをオーガポンexに当てることで、いれかえカートを1回許容することができます。
このように、採用されている可能性のあるカードをできるだけケアしながら、ダメージの当て先やダメカンの乗せ先を考えていきます。
次は、このような相手の盤面を考えてみます。
必要なダメージは最低で700ダメージと先程とほぼ変わりませんが、3つの観点で違う所があります。
・HPが200以下のexポケモンがいる
・かえんばくで倒せないexポケモンがいる
・ファントムダイブ2回で2匹まとめて倒せない
などが挙げられるかと思います。
それでは、どの組み合わせであれば最短で勝利することができるでしょうか。
ファントムダイブ2回で2匹倒すことができないということから、ドラパルトexを2回起用するのは微妙そうです。そして、ファントムダイブの200ダメージで倒せるポケモンexが居るということと、ソウブレイズexをあと少し削れればKリザードンで倒せるということから、自ずと答えは見えてきます。
ファントムダイブの200ダメージをイキリンコexに当てながら、60を20-20-20とばら撒くことでソウブレイズexをかえんばくの圏内に入れることができます。これにより、必要な攻撃回数は最低3回ということが分かります。
従って、「誰で」「何回」の組み合わせは
・ドラパルトexで1回、Kリザードンで2回
で達成できることが分かりました。
タケルライコ戦の時と同様にサイドレースを図に起こしてみると、下の図のようになります。
ソウブレイズデッキは基本的にHPを回復するカードや盤面からポケモンを退かすカードの採用が少ないため、ダメージの与え方は上記記載の通りで概ね問題なさそうに見えます。
ですが、このプランで進んだ場合、こちらはサイドを2-2-2と進めるため、お互いに残りサイドが2枚になるタイミングがあります。ここで、こちらの盤面を非exのみで埋めることができれば勝利は近そうに見えますが、ブライアによって1ターン早く決着をつけられてしまう可能性があります。
最終ターンにナンジャモから勝負に行っても良いのですが、ここで大事なのは、アタッカーを使う順番は問われていないということです。
そのため、
Kリザードン→Kリザードン→ドラパルトex
という順番でも全く問題ありません。
さらに、このプランを選択する場合は最後にドラパルトexを使うため、途中でサイドを2枚取られるターンが発生しません。よって、ブライアをケアできるだけでなく、準備にもう1ターン余裕を持たせることができます。
このように、本デッキでは攻撃する順番によって準備に要するターンやケアできるカードが変わってくるため、相手のデッキ内容を予測しやすくするためにも環境をある程度把握しておくことが大事です。
さて、先ほどのケースでは都合よくイキリンコexが居てくれましたが、居なかったパターンではどうなっていたでしょうか。
上記想定では相手の盤面がかなり完成されていますが、実はこの盤面で相手にサイドを2枚先行されてる状態からでも勝てるルートが存在します。エネルギーが付いていないソウブレイズexを縛るといった相手依存のプレイングでもありません。
みなさんは分かったでしょうか?
実は、これまでの考え方に少し思考を足すことができれば、答えに辿り着くことができます。
(以下回答になるので、時間に余裕がある方は少し考えてみてください)
やることは今までと変わらず、誰で、何回、いつまでに攻撃する必要があるかを考えます。
今回は必要なダメージ総数が810ダメージであるため、どう足掻いても攻撃が4回必要になります。
そのため、遅くとも相手の残りサイドが4枚のタイミングでは攻撃を開始する必要があります。
(ソウブレイズのサイドレース3から追加で1手必要と考えれば分かりやすいかと思います。)
つまり、下の図の赤ラインのタイミングで何かしらのアクションを起こす必要があることが分かります。
先程と違う点としては、ファントムダイブの200ダメージで倒すことができるポケモンが居ないという事でした。従って、この赤ラインのターンでソウブレイズexを200ダメージの圏内まで削ることができれば、以降は同じ考え方で進めることができます。
もう気づいた方も多いのではないでしょうか。
ソウブレイズexをHP200圏内に入れるためには、70ダメージ削る必要があります。
そうです。ドロンチの技「リューズヘッド」で丁度70ダメージを出すことができます。
そのため、相手の残りサイドが4枚のタイミングでドロンチをアタッカーとして起用することで、先にサイドを6枚取って勝利まで持っていくことができます。
一見考えると難しいプレイングのようにも見えますが、ドロンチをアタッカーとして使うという発想が出れば、基礎からこのルートに辿りつくことができました。
このように、最初に述べた勝利までに必要なダメージやサイドレースを意識するという基礎的な考え方がかなり大事になっています。
実際はテツノカイナexによるサイドの追加取りや、カースドボムやファントムダイブのダメカンばら撒き、非exポケモンを間に挟まれるケースなどでサイドの動き方にズレが発生することもあるため、考えることはもっと複雑です。
サイドレースが追いつかないと判断した場合は、相手を縛ってターンを稼ぐ動きを選択する必要があったりと、プレイの分岐もかなり多いです。
これらの力を身につけるためには、本構築に限らずポケモンカードの試行回数を増やしてプレイの幅を広げることが大事だと思っています。
視野を広げて様々な視点で練習することで腕を磨いていきましょう。
当日のマッチアップ
予選
⭕️ ピカチュウex + デンチュラex
⭕️ サーナイトex
⭕️ タケルライコex + オーガポンex
⭕️ 古代バレット
❌ 古代バレット
⭕️ レジドラゴVstar
5勝1敗で3位通過
決勝トーナメント
❌ カビゴンLO
迎えたシティリーグでは、5勝1敗でトーナメントに上がるも初戦で負けてしまいベスト8でした。
カビゴンLOは完全に切っていたため、為す術なく負けてしまいました。
今回採用した「ポケモン回収サイクロン」については、ピカチュウ戦や古代バレット戦で回復ソースになったり、サーナイト戦では負け筋回避用として活躍しました。
「かがやくリザードン」についても、タケルライコ戦やレジドラゴ戦で有用なアタッカーとなって大活躍でした。
結果はベスト8止まりでしたが、事前に想定していた立ち回りを通して勝つことができたので、プレイングと合わせて完成度の高いデッキに仕上がったのではないかと思います。
結果的にトリトドンが刺さらないマッチアップだったので、「新弾の次の日だし新カード使おう」という変な思考に惑わされなくて良かったです。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました!
構築を組む時の思考やサイドレースの考え方など、少しでも参考になっていれば嬉しいです。
ドラパルトデッキは様々なデッキタイプがあり、構築の軸や採用されるカードによって動かし方やプランが全然変わってきます。
是非自分好みに組み替えて使ってみてください。
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