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老舗旅館が激安価格だったので泊まってきたらありえないくらい快感だった

新型肺炎が猛威を振るってはや1ヶ月。外国人観光客の激減やイベントの自粛により様々な業界が大打撃を受けているのを連日ニュースやSNSで耳にする。特に旅館・ホテルは観光客のキャンセルがかなり響いていて宿泊費が通常の半値以下で投げ売りになっているのを知った。

だが「捨てる神あれば拾う神あり」という諺通り、世の中まだまだ捨てたものではない。
森鴎外が舞姫を執筆したことで有名な鴎外荘(都内最古の温泉宿)は、上記のツイートのバズリで一気に満席になった模様。東京の一等地で素泊まり4,000円弱は価格崩壊に近いし、なにより人気の旅館に泊まれるチャンスなのだ。泊まりたいと思うのが世の常だろう。
場所も上野動物園の近くなので、足を伸ばせば上野公園や日暮里、アメ横や秋葉原にいける立地条件だ。そして他にもホテルや旅館の激安価格ツイートがどんどん流れてきた。もしやこれはチャンスなのでは!?

● 13日(金)20時半 お泊り予約

そちらはともかく、実はななころびは最近プライベートで悲しい出来事があり、あまりにもつかれていた。せっかく手に入れたチケットがコロナのイベント自粛により無しになったのだ。お金が戻ってきても、この衝撃はデカかった。

あまりにも……あまりにもツライ。こんなときはでかいお風呂に入って浴衣きてぼけ~~~っとしたい。ぶっちゃけ何もしたくない。風情のある広い部屋で精神的に楽になりたい。あ~~~~~~~~!!!!!

そうだ旅館に泊まろう。(ここまでの思考0.5秒)

返金で戻ってきたお金をそのまま経済に使う事にした。そこで少し前にSNSで名前を聞いた鳳明館さんに衝動で予約を入れた。

ちなみにここの別館が企画した文豪缶詰キャンペーンは見事に完売になったそうです。(3/16現在)またやってほしい。

ユニットバスではないお風呂に入って足を伸ばして、何も考えずにふかふかのお布団にくるまって寝たい!!!!!朝食を食べたい!!!!!!!!
あと畳!!!!!畳の質感と香りを味わいたい!!!!!!!!!

今考えればなんてことない理由だけど、この時のわたしはこれが最適だと信じていた。実際最適だった。
そんなわけで着替えと安眠アイテムを用意しつつ当日出かける事に。

さすがに……シャンプーリンスボディソープはもっていかなくてもいいよね????

ゆっくり向かおうと早めに出たこの決断が後々にいい結果になった。本来ならもっと遅い時間に出発するのだが、今回は初めて行く場所なので30分ぐらい早くでた。アラーム鳴らしました。

● 14日(土)15時 地下鉄の乗り換えで迷い逆の電車に乗る

そして都営三田線の三田駅の乗り換え口で見事に迷った。
電車に詳しい人や三田線を使っている人ならわかるかもしれないが、三田駅のホームは上下になっている。そして私が向かう駅は都営三田線の春日駅だが、大きい駅ではないので「〇〇方面」という行先の看板にない。したがって三田線の全駅が乗っている こ れ ↓ を見るしかなかった。

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画像引用:東京都交通局都営地下鉄停車駅より

三田駅から春日駅なら15分程度だろう。
だが私は逆の東急目黒線直通日吉駅方面に乗ってしまった。しかもこの時(3/14 15時頃)の三田線は南北線の車両点検により遅れが発生していて、数分電車の中で待つことになった。コロナのせいなのか、雨のせいなのか、人が少ないなと感じた。
車掌のアナウンスによって電車が動き出す。モニターに出た次の駅は「白金高輪駅」
正直ここで怪しんでおけば苦労はしなかったのに。

車掌「目黒駅~~目黒駅です~~JR線はお乗り換えです~~」
ななころび「(え!?!?!?目黒って、ちょっとま―――)」

急いで電車から降りてホームの看板を見る。そこには堂々と【目黒駅】と書かれていた

ななころび「逆だああああああああああああああ」

どうにもこうにもならないのでホームで三田線直通の西高島平駅行の電車を待つことにした。私がおりた目黒駅のホームは東京メトロ南北線と都営三田線に分岐するが、両方とも駅が近い。私が向かう予定の本郷町は南北線なら後楽園駅、三田線なら春日駅が最寄り駅になるのだが、なぜかこの時間帯は南北線は後楽園駅より前の飯田橋駅が終点の便ばかりだった。仕方なく先に来る南北線を諦め、三田線を待つことに。
ちゃんと路線と行先を見ていれば……こんなことには……。

結果として1時間以上のロスになった。早めに出ていてよかったかもしれない。ギリギリでいつも生きていたいけど流石に無理だ。

● 14日(土)16時 春日駅。まさかの降雪

そしてなんとか16時頃に春日駅につく。家を出たのが13時半だから……2時間半以上もさまよっていたことになる。
このとき私は知らなかった。ただの雨だと思っていたこの悪天候が……

季節外れの雪になって降り注いでいたなんて……!!!

大ニュースになった関東の降雪。わたしは中にユニクロの薄手ダウンジャケットを着ていたおかげでなんとか耐え忍べた。このジャケットが無いとたぶん外を出歩けなかったぐらい温かった。ありがとうユニクロ。コンパクトに小さくできるのが本当に嬉しい。

ウルトラライトダウンコンパクトベスト - UNIQLO ユニクロ https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/419778/

●● 最寄出口を間違えていた

鳳明館に向かうには春日駅のA6出口に出る必要があったのだが、私は全然違う所に出てしまった。見ての通り周囲は交差点ではなく、大きな幹線道路が通っている。A3出口に出てしまった。

A3出口は文京区役所と文京区シビックホールがあって、後楽園ホールに近い模様。暗いし寒いし雪降っているし荷物も重いし、時間もカフェタイムでアイドルタイムなので飲食店はカフェ系しかやっていないし、人も出歩いていない。(しかもコロナの関係で臨時休業も多い)

ちなみに一時期SNSでバズって大人気のロシア料理の海燕さんはこの近くにあって、お休み中でした。上記のとおり、入院していたらしい。大丈夫だろうか……。

Waaaaaay!!!を頼りに鳳明館本館に向かう。検索結果に出てきたのでおっしゃあ、と軽いガッツポーズをとりながら滑る歩道を歩いて行くこと20分。

途中、立ち寄った豆屋の主人に鳳明館までの道を聞いた。主人は親切で、地図まで引っ張り出して「目の前の信号機を曲がって、イタリアンランチがある細い坂道を左に上がればすぐだよ」と教えてくれた。ありがとうございます。塩味落花生おいしいです。

調べたらここの豆屋は1887年(明治20年)創業の老舗店。柿の種が有名でリピーターが数多くいるとのこと。だから柿の種だけあんな大きな瓶の中に入っていたのか……!!!!
塩味落花生おいしすぎて手が離せません。これはハマってしまう。

● 14日(土)16時30分 鳳明館に到着

なんだかんだでひいひい言いながらも到着。本館と台館の入り口があってどっちから入ればいいのかわからずうろうろしていたのはいい思い出。不審者でごめんなさい。

写真は撮れなかったけど、靴箱のところに大きく「歓迎 ななころび(本名)さま」と達筆な字で書かれていて嬉しかった。
番頭さん?がフレンドリーですごく優しい人だった。ありがたい……ありがたい。

ちなみに八畳間。広い。
直前で申し込んだ最低な顧客なのにこんないい部屋に案内されて申し訳ないと感じた。また私以外にも多数のグループが泊まっていた。

あったもの
・部屋着(浴衣?パジャマ?)
・どてら(はんてん)
・バスタオル
・お茶
・お茶請けのお菓子
・TV(とTV欄)
・お湯ポット

最高だな!!!!!!!
ちなみにトイレと洗面台は共有。懐かしいタイル張り。昔の家にあったあのつるつるした大理石のようなタイル張り。鍵も閂タイプで英語/日本語で色々書いてあったので、本当に外国人観光客に人気の旅館なんだなあとしみじみ。(閂の鍵とか今時見かけないからねえ)

● 14日(土)19時 まさかのお風呂独り占め

鳳明館のお風呂は2種類あって、ひとつは地下にある大浴場(男女別々)。そしてもう一つは「末広風呂」というおひとり様の風呂。
番頭さんから「末広風呂はずっとお湯が出ているので朝風呂でも楽しめますよ」と案内されたので、朝風呂はそっちで堪能しようと考え、地下の大浴場に。

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誰もいなかったので無茶苦茶足や身体を伸ばした。すごく幸せだった。気持ちよかった。1年分の身体を伸ばした。もうこれで満足できた。充分だ。そして私が出る時も着替える時も誰も来なかった。宴会していて盛り上がっていた模様。

● 14日(土)20時すぎ 近くのお店で夕食

夜ごはん無しのプランだったので、周囲のお店で食べる事に。鳳明館の近くには東大のキャンバスがあって、学生向けのお店が並んでいると番頭さんから教えてもらったので、雪の中レッツ夕食。(実は↓のツイートをアップしたのは旅館に戻って来てからだったので時間がずれていたり)

入ったお店は「海鮮どんぶり銀はち東大赤門店」というお店。どうしても魚介類が食べたかった。
北海丼という魚介の幸が多数乗ったどんぶりを注文。セットでみそ汁もついていて1,000円弱だった。おいしかった。ホタテと海老最高。

調べたらやはりコスパやご飯無料で大人気のお店だった。マウンテン丼という有名などんぶりがあるとか……ほほう。

戻ってきて着替えて布団に入って( ˘ω˘)スヤァタイム。疲れて足がへとへとだったのもある。久々の畳の上の布団でふっかふっかの掛け布団と分厚いマットレスに体も心も癒されるってもんだ!!!!!

● 15日(日)朝7時半 朝食

翌朝に食事。下のツイートは覚醒した後に呟いたのだけど、本来食べていた時間は朝の7時半過ぎです。写真だけ撮っていたんだ……。

アリバイトリックとかそんな理由じゃないから安心してほしい。いやほんとうに朝は寝ぼけていたんだ……昨日飲んだ薬がいけなかったのか。

食事は見ての通り朝から無茶苦茶豪勢だった。30代の女性一人に対して多すぎなのでは???と思ってしまうほど。ウィンナーとか焼き魚とかご飯とか。特にご飯。お替り用においてくださった御櫃が本当にもったいないくらいと思った。ごめんなさい。
焼きのりご飯やタケノコとか本当に久々に食べた気がする……うまい。おいしい。それしか言えなかったけど量が……ちょっと、多かったかなあ、と。

残さず食べたけど、キャベツは入らなかった。許してください。

● 15日(日)朝9時45分頃 チェックアウト

昨日の降雪は何だったんだ、と思うくらいの快晴。くそっお天道様め!
せっかくなので番頭さんが記念写真を撮ってくれたしほんと何から何まできめ細かな気遣いがされていてスゴイと思った。
これが……老舗旅館のサービス!!!!! 幸福度MAXです。

そんなわけで荷物をまとめてロビーでチェックアウト手続き。宿泊料金ですがなんと破格の金額。

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税込で10,000円ぴったしとか普通ならありえん金額でしょ……!!!!!
逆に申し訳ないと思ったけど、本来はこの倍近くが通常の値段なのだろうか。今しかできない金額だとしてもやはりコロナ許すべし。

何から何まで幸せな時間でした。10,000円の価値はありすぎる。この風情ある旅館に泊まれて本当に良かった。また機会があれば是非とも宿泊したい。
後楽園ホールに近いという事も知れたからね。

鳳明館様、そして従業員の皆様、本当にありがとうございました!

おまけ

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あの川柳で有名な「かねやす」ってここだったのか!!!!!!!


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