インシデントがいっぱい
私はインシデントを大量発生させてきた新人です。
「歩くインシデント」
「走るインシデント」
「シャトルラン・インシデント」
「反復横跳びインシデント」
こんなあだ名が幾らでも
思い浮かぶくらいには
自他ともに認めるインシデント助産師です。
でもこのインシデント大量発生が
なんと、役立つ日が来ました。
一年目の方の登場です。
未だにペーペーな私であるにも関わらず
私が指導する立場になる機会がとても多い。
これは如何なものかと思う時もあるけれど
相手に教えるということは
自らの復習にもなると同時に
己への戒めにもなるのです。
「ここは先輩方のインシデント率No1です」
「これを報告する時、先生は絶対にここも聞いてきます」
「ここは記入漏れが起こりやすいところです」
「私はここで先輩に怒られました」
自分がどんな状況で、どんなインシデントを
起こしてきたのか、口から溢れる溢れる。
心配そうな顔で
「この先輩は大丈夫だろうか」と
見られている気がするけど、
気のせいでしょうか。
いいえ、きっと誰でも。
一年目のインシデントは
幾ら起こしても問題ないと思っている。
そりゃあ、インシデントを
起こさないことが一番です。
でも、助産師である前に
私たちは人間なので、
ミスを起こさないわけがない。
覚えることは山ほど、常に緊張状態、
何がわからないのか分からない状態、
そりゃインシデントを起こして当然。
中高生に反抗期があるように
一年目にインシデント多発期がある。
勿論、頻度の差はあれど。
ただ、同じインシデントを繰り返す。
これはよろしくありません。
一回目のインシデントの時に
「何でこれが起きたんだろう」
「その時どんな環境だったろう」
「その時の自分はどんな感情と状況だったろう」
その結果に帰した原因と理由、
それがどこまでも果てなく重要だと思ってる。
インシデントを起こした時
「次から気をつけよう」よりも、
「一か月健診の体重増加の計算ミスをした。
今後絶対に計算は二回行うことにしよう」
「ここの記載をミスした。
今後絶対に指差し呼称」
「確認はいくらしたって無料。
賠償金はウン千万。焦る時ほど慎重に」
というような感じでルールを決める。
私の自慢できるところは、同じミスを繰り返したことがないくらいです。一回目のインシデントは失敗じゃない。でも二回目の同じインシデントは失敗だと思うようにしてる。じゃないと迷惑をかけた産婦さん、赤ちゃんに顔向けができない、同じ轍は二度と踏まない。
というわけで、インシデント
いくらでも起こしてどうぞ。
それでとやかく言ってくる先輩は
多分その先輩がおかしいと思うので。
一年目の方は従来、
インシデントを起こしやすい生き物です。
あと、一年目さんがインシデントを起こすと
「よーしよしよしよし、その感じで行こう!」
と安堵します。私が。