九十九里特別の狙い馬探し~ザ・クリティカルホース~
今年はあのオジュウチョウサンが出走予定でしたが、残念ながら再調整で放牧に出てしまいました。
さっそく九十九里特別のポイントを挙げていきます。
【1】3歳馬がよく走る
→九十九里特別といえばいまだに『デルタブルース』の印象が強く(?)菊花賞を目指す3歳馬がステップにするレースと捉えている方も多いでしょう。
では実際に近年の当レースで3歳馬の「活躍度合い」はどうなのでしょうか?
近5年の当レースの馬齢別・成績をご覧ください。
3歳 複勝率69% 3.3.3.4
4歳 複勝率20% 0.1.1.8
5歳超 複勝率13% 2.1.1.24
このように、かなり極端なアベレージ差がつきました。ほとんど「3歳馬天国」です。
3歳馬が当レースを使う=長距離適性アリと陣営が見込んでいる証。勝てば賞金的に菊花賞へ行けますし菊花賞で勝負になる見込みも立ちますから、何となく流れでこのレースを使う古馬とは、ココに賭けるモチベーションが全く違う、ということなのでしょう。
ただ、近5年で当レースを「勝った」3歳馬はフェデラルホール(12年)、スティーグリッツ(15年)、マイネルヴンシュ(昨年)の3頭ですが、3頭とも次走の菊花賞では馬券に絡めませんでした。この点は「デルタブルースの印象」を引きづらないことが大切と言えそうです。
【2】スタミナ血統馬がよく走る
→近5年の当レースで3着以内に好走した15頭の 血統をご覧ください。左から父・母父です。
12年1着馬 ステイゴールド・ドクターデヴィアス
12年2着馬 ダンスインザダーク・ノーザンテースト
12年3着馬 スペシャルウィーク・グランドロッジ
13年1着馬 ステイゴールド・ヒシマサル
13年2着馬 ディープインパクト・ブライアンズタイム
13年3着馬 ジャングルポケット・サンデーサイレンス
15年1着馬 ハービンジャー・アグネスタキオン
15年2着馬 シンボリクリスエス・サンデーサイレンス
15年3着馬 キングカメハメハ・エリシオ
16年1着馬 キングヘイロー・エルコンドルパサー
16年2着馬 ソングオブウインド・モルフェデスペクタ
16年3着馬 アサクサキングス・カルドーン
17年1着馬 ステイゴールド・コマンダーインチーフ
17年2着馬 ステイゴールド・フサイチペガサス
17年3着馬 ハーツクライ・ジェイドロバリー
ある意味、菊花賞よりも同舞台の有馬記念よりも強烈な傾向が現れている、と言えるかもしれません。
中山芝2500mにおけるスペシャリスト血統であるステイゴールド産駒を筆頭に、ハービンジャー、ジャングルポケット、スペシャルウィークほか、見事なほど長距離寄りの血統が並びました。
さらに16年にいたっては、「菊花賞勝ち馬」の産駒が2・3着を占めましたし、母父にはカルドーンやエリシオらスタミナ筋の名が見えますし、とにかく「ベタな長距離血統」がよく走るレースなのです。
前述のとおり実戦経験が、乏しい3歳馬の台頭が多い=キャリア云々ではなく元々の血統適性の高さを活かして好走している馬が多い=当舞台のイメージにぴったり合う血統組成の馬が数多く好走している、ということが、考えられます。
またG1出走のチャンスを獲ろうと3歳馬がガチで臨んできますからレースの質がそのぶんタフになり、頑強なスタミナ血統でないと対応が難しい側面もあるのだと思います。
【3】休み明けの馬もよく走る
→近5年の当レースで3着以内に好走した15頭のうち6頭が「夏休み明け」でした。
以前は芝2500m戦=要スタミナの条件だけに休み明けの馬ではなかなか厳しかったですが、調教の技術が進歩した近年では中長距離でも休み明けの馬が走れるケースが格段に増えてきました。このレースもその傾向が現れている印象。「ガチ」参戦の3歳馬なら、尚更です。