ニチアサの話がしたい vol,129
■今週のドンブラザーズ
・オンリーワンという人間賛歌
最初は、悲しすぎる結末だと思った。捨て子だった自分を拾って育ててくれた陣のことも、「幸せ」の意味を教えてくれた仲間たちのこともすべて、タロウくんがこれまでの記憶の一切を失ってしまうなんて、あんまりだと。はるかの漫画により奇跡が起き、ほんの一瞬だけ「自分は何者なのか」を思い出し、最終決戦ではドンモモタロウとして見事な勝利を収めるも、その後彼が仲間の元へ帰ってくることは無かった……。昨年8月に最終回を迎えた『仮面ライダーリバイス』もそうだったが、誰かと築いてきた友情や、共に過ごした思い出が消えてしまうタイプのエンディングというのはやっぱり辛い。観ているこちらにも一年分の思い入れがあるため、「私たちのタロウくん」が居なくなってしまったことに今でも喪失感が無いとは言い切れない。言い切れないのだが、一方で時間の経過と共に『ドンブラザーズ』における「ハッピーエンド」は、むしろこれしかなかったのだとも思うようになってきた。
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