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なんでもない日記(2024年12月)

12月1日(日)

朝走る。買い物を済ませ文フリの会場に向かう。文フリに行くのも久しぶり。快晴でゆりかもめからの景色がきらきらしている。会場についたら、まず双子のライオン堂のブースへ向かう。竹田さんから「文集・『富士日記』の一年」を受け取る。表紙の絵は岸波さんで『富士日記』らしい富士山が描かれていてとてもよい感じだ。その後いくつかのブースをめぐり帰途に着く。帰りの電車で早速文集を読む。竹田さんと岸波さんの読書会後記を読んで毎回の様子が思い出され、一年前のことだけど少し懐かしい気持ちになった。参加者の文集はどれも素晴らしくて一気に読んでしまう。皆さんの『富士日記』の読みが深く、愛に溢れていて、自分に足りないものを見せてもらったようだ。夕飯はお好み焼き。あらゆる食品が値上がりして、一通り材料を買い揃えると、今や高級料理のようになる。

12月2日(月)

月曜の仕事の圧縮感がすごい。夕飯はほっけ焼、ポテトサラダ、しいたけの醤油バター炒めなど。

12月3日(火)

外作業の日。今週の弁当はウインナー、卵焼き、ポテトサラダ、ブロッコリー、味道楽。何か弁当用のふりかけが欲しくて、先日スーパーで味道楽を見つけて購入する。子供のころ初めて味道楽をふりかけてえらく感動したことを思い出した。果たして、弁当にあらかじめふりかけていくと湿ってしまい、パリッとした感じが味わえないのが残念だった。夕飯はよだれ鶏、かぶのかぼす和え、さつまいものきんぴらなど。

12月4日(水)

夕飯はいかのカレー。

12月5日(木)

『カンバセーション・ピース』の読書会。今回の範囲は最終章。言ってしまえば、主人公が風邪で寝込んで回復するだけなのだが、最初から読み通していると大団円を迎えたような気になるから不思議。亡くなった人や猫の記憶というか像のようなものが、家を媒介にして立ち上がってくるということが最終章でも描かれているが、自分にとってそれがイメージしやすかったのがこの部分だった。

夢を朝になったら全部忘れているのに、何かを掴もうとしているらしかった不安な気持ちの余韻だけが一日中残っているような、奥の部屋で従姉兄の友達に手を持って立たせてもらったらしい記憶が空間歪みを体が感じるようにして残っているような、そういう残り方がこの世界の中で起こるなら、奥の部屋と同じくらい明るく光が注がれていた縁側のL字の角で、ミシンを踏んでいたり、歳をとってから押し花絵を作っていたりしたときの伯母の心の状態も残っているのかもしれない。
 その足許ではここに飼われていた猫たちがごろごろ日向ぼっこをしていて、伯母がときおり「ミーコちゃん」と声をかけたりしたその動作や声が、視覚や聴覚の像として定着するのではなく…………、なんとイメージすればいいか、人間は視覚像として形が与えられるとそこでイメージの連鎖が止まって定着してしまうけれど、猫のように外界で起こっていることすべてに視覚による形を与えるわけではない了解の仕方があるのだとしたら、ここで繰り返されたことが、見えるのでなく聞こえるのでもなく、匂うのでも体が感じるのでもなく、ただ残る、というような…………。

カンバセーション・ピース 保坂和志

夕飯は銀鱈の味噌漬け、かぶと豚肉の炒め物、こふき芋など。

12月6日(金)

古くなった畳を交換する。少し物をどけただけで部屋の音が反響するようになる。新品のきれいな畳が入ってすっきりする。古い畳がかなりへたっていようで、思っているより床が高い位置にあり、慣れない感じで少し戸惑う。母の様子を見るため実家に帰る。夕飯は実家で寿司折をいただく。

12月7日(土)

実家で年賀状の印刷を手伝う。母はパソコンの年賀状印刷ソフトを使って年賀状を印刷している。出来合いのデザインを使っているのだが、イラストや字の大きさを自分で調整していたらしく、意外と注文が細かい。去年までは一人で全部こなしていたので、よくやっていたものだと思う。冷蔵庫に貯まっている食品減らしに貢献して、実家を後にする。夜は魚が美味しい近所の居酒屋で食べる。

12月8日(日)

カーネーションのライブの日。ライブ会場近くの神奈川近代文学館で安部公房展をやっていたので、少し早く出発して立ち寄る。安部公房展は思っていたより多くの人が来ていて、その人気の高さに驚く。原稿用紙の文字が可愛らしい書体で、読みやすいのが印象的だった。その後近所のサイゼリアに移動して腹ごしらえする。シナモンシュガーが振りかけられたフォカッチャにアイスをつけて食べるデザートが美味しかった。熱いフォカッチャと冷たいアイスの組み合わせは反則だと思う。お腹を満たしてカーネーションのライブに向かう。今回は「Super Zoo」の20周年ライブなのだが、一番熱心に聴いていた時代のアルバムなので思い入れもひとしおだった。予想に違わぬ素晴らしい演奏に大満足。ゲストで登場した矢部さんの演奏している姿に思わず涙してしまった。

12月9日(月)

近所のファミレスで仕事の打ち合わせ。まだしばらく楽できそうになかった。夕飯はファミレスでハンバーグを食べる。

12月10日(火)

外作業の日。今週の弁当は肉野菜炒め、かぼちゃの天ぷら、キャロットラペ、味道楽。事務所の会議室が寒くてずっと上着を着ていた。寒さに耐えきれず一人また一人と脱落する中、終業時間まで作業する。夕飯はぶりの照り焼き、アボカドと豆腐の和え物、大根と豚肉の炒め物など。

12月11日(水)

手袋が必要な気温になってきた。夕飯はビーフカレー。いつも使っているゴールデンカレーにはビーフが一番合う。

12月16日(土)

午前中走る。佃忠かまぼこ店でおでんだねを買う。今日は行列が出来ていた。夜は近所の韓国料理屋へ行く。たまたま会計の時に、お店の人が冷蔵庫からケジャンを出そうとしたところで床にぶちまけてしまい。大量のケジャンがごみ箱行きになったのを見て、こちらも落ち込む。

12月15日(日)

朝走る。その後買い物へ行く。午後は仕事。夕飯はハンバーグ、トマトと卵の炒め物、キャベツのしらす和えなど。

12月16日(月)

夕飯は鰯フライ、かぼちゃ煮、ほうれん草の煮浸しなど。

12月17日(火)

仕事量に押されてなかなか映画館へ行けない。遊びに行く時間を確保するために目の前の仕事を片付ける。夕飯は春巻、ポテトサラダ、豚汁など。

12月18日(水)

夕飯はおでん。佃忠かまぼこ店のすき焼き袋を食べると、毎回想像しているより美味しくて驚く。

12月19日(木)

岸政彦『にがにが日記』を読む。猫との日々を綴った、巻末のおはぎ日記に泣く。面白く読める日記は何が違うのだろう。感情のフィルターが細かいのだろうか。日々のあれこれをこんなふうにはすくえない。夕飯は八宝菜、山芋の和え物など。八宝菜の味付けがいつもあと一歩、ご飯のおかずにはちょっと薄味。高校の同級生との忘年会を風邪のため欠席する。残念。

12月20日(金)

昨日の『にがにが日記』の感想の続き。感情のフィルターがきめ細かいこともそうだが、アウトプットの閾値が低いのかもしれないなどと考えてみる。昼の双子のライオン堂で買ったレトルトカレーを食べ、食後にカレーに入っている小説『すこしばかり長い停電』を読むと、さっきのカレーの美味しさが再び口の中に広がった。夕飯は鱈の西京漬け、じゃがいもとブロッコリーのカレー粉炒め、茄子の生姜焼、けんちん汁など。

12月21日(土)

久しぶりに池袋で買い物して疲れる。夜は高円寺のインド料理の店へ行く。ビリヤニが美味しい。隣の8人掛けのテーブルには、4人+2人+1人+1人で座るという盛況ぶりだった。『ソウルの春』を見る。ファン・ジョンミンの演技がすごい。しかし韓国では、よくここまで自国の歴史(暗黒面)を振り返る映画を作ることができるな。12月3日の戒厳令を受けて、過去の話と片付けられない時代に生きていることを実感する。

12月22日(日)

以前にいいよとおすすめされていた『夜明けのすべて』を見る。登場人物が交わす何気ない会話によって関係が作られていく様が丁寧に描かれていた。シャープな映像に慣れた目に16mmフィルムの映像はざらついて見えるが、それが見るものに性急な結論を押し付けないという作品の立ち位置をあらわしているように思った。冬の柔らかい光が印象に残っている。松村北斗の演技が素晴らしかった。夕飯はステーキ、寿司、カナッペ、ピーマンとしめじの炒め物、たこサラダなど。久しぶりにM1を見る。真空ジェシカの商店街ネタで腹がよじれるほど笑った。

12月23日(月)

定期検診で病院へ行く。月曜の朝だからか、具合が悪そうな人で大混雑だった。今年見た映画を振り返る。配信も含めて24本見ていた。忙しかった割には結構見れているかも。夕飯はほっけの干物、きんぴらごぼう、小松菜の煮浸しなど。

12月24日(火)

午前中は昨日飲んだ風邪薬の影響かほぼ眠気と共に過ごす。夕飯はメンチカツ、キャベツのコールスローなど。

12月25日(水)

今年で年賀状終いをしようかなどと考えながら結局例年通り出すことにする。夕飯はチキンカレー。

12月26日(木)

夕飯は回鍋肉、トマト卵炒めなど。

12月27日(金)

体重計の液晶部分のガラスが割れていてあまりに数字が見にくいので買い替えることにした。夕飯は鶏むね肉の照り焼き、小松菜の卵あんかけ、アボカドとトマトの和え物など。

12月28日(土)

午前中走る。風邪の影響で本調子ではない。よいコンディションで走れる日が減った。午後は仕事。夜は久しぶりに回転寿司へ行く。つい黙々と注文し、黙々と食べてしまう。SNSで色んな人の映画ベスト10を見るのが楽しい。

12月29日(日)

午前中窓拭き、床のワックスがけ、ふすまの張替えをする。夏に家の片づけをやったので、ワックスがけが例年に比べて楽だった。先日注文したMAGIC SPEED4が届く。うれしくなり早速試してみる。テンポアップシューズなのでクッションより反発を強く感じる。心肺能力が落ちているためシューズの良さを引き出すほどのスピードが出せない。結局閾値ペースで5分程度走るのが精いっぱいだった。夕飯は青椒肉絲、厚揚げと鶏団子の煮物、大根の甘酢漬けなど。娘が帰ってきて夕飯を一緒に食べる。夜は映画部で年間のベストを語る会に参加する。年間ベストは語るのも聞くのも楽しい。至福の時間。

12月30日(月)

午前中買い物へ行く。午後帰省する。久しぶりに3泊するので荷物は多め。夕飯はおでん、ブロッコリーサラダなど。

12月31日(火)

京都水族館へ行く。オオサンショウウオをじっくり眺める。夕飯はすき焼き。今年は後半にかけてかなりの仕事量をこなした。来年は人の心をなくさない程度の仕事量にしたい。今年もいろんなことがあった。自分の力でどうにかできることは少ないので、できることをやるしかない。来年はもう少し多くの本を読んだり、映画を見たりできればいいな。

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