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「あざらしのひと」
浅生鴨さんの「あざらしのひと」を予約注文したら、発売より少し早く到着しました。幸運にも一足早く読むことができたので、どんな本なのか紹介したいと思います。
「あざらしのひと」は日常で出会う、ちょっとくせのある人を、独自の視点で綴ったコラムです。本書には色んな人が登場します。例えば「勝手の人」はこんな感じで始まります。
緑色のジャージと茶色のジャージ。もちろん体の横には二本の白いライン。それが彼らの決まった服装だった。
ああ、このジャージの人たちがどんな勝手なことをするんだろうと、続きが読みたくなりませんか?(この続きが気になった方はこちらから試し読みができるので、ぜひ読んでみてください。)
こんな感じで色んな人が次から次へと登場します。自分が出来ないことをやってのける人が出てくると、ちょっと羨ましくなり、自分にも心当たりがある性質を持った人が出てくると、そうそうと相づちを打ちながら嬉しくなったりします。
本書を読む際は、まずタイトルだけを読んで、どんな人が出てくるのか想像してみて下さい。自分の中にその人の姿が浮かんで、一言二言、言葉を交わす位に人物像が立ち上がってきたら、そこで初めて本文を読み始めます。すると、たいていの場合、想像していたのとはちょっと違う、鴨さん独自の視点で語られる人々が登場し、ああ、そういうことなのね、と膝を打ったり、フフッと笑みがこぼれたりします。読む前に予想することで、本文を楽しみ、自分の想像とのギャップも楽しめ、一粒で二度おいしい読書体験ができます。
自分の近くにいたらちょっと迷惑かも、なんて思う人も中には出てきますが、そこは鴨さん、最後にはくるりとひっくり返して、やっぱりいいかも、と思える地点に着地するのです。とぼけたような味わいもありながら、人の感情を丁寧にすくっていくような文章が魅力です。最後まで読むと、なぜか優しい気持ちになり、人に会いたくなります。そして、日常でも自分なりの「〇〇の人」を見つけることができたら、人生ちょっぴり楽しくなるかもしれません。
表紙もかわいくて、おしゃれな手帳のような素敵な装丁なので、一冊手元にいかがですか。
以下のリンクから予約できます。
https://asokamo.shop-pro.jp/?pid=163195568