日本では流行らなさそうなsex用語policule。一瞬、港区女子のことかと思った
ニール・ブレナンのトークの相手として、久しぶりにアメリカのコメディ界の波乱万丈ガール、マーガレット・チョウの元気な話が聞けてコーフンした。この番組、心理セラピーのスポンサーがついているようで、有名人たちに精神的な葛藤について聞くことが多い。別の回で、トレヴァーノアが、自身のADHDと芸風について語っていて、興味深かった。
ここで、マーガレットが自身のパートナーシップや性遍歴を語る中で「polycule(ポリキュール)」という言葉が出てきたので調べてみた。
この言葉は 、一対一でなく複数の恋愛関係「polyamory(ポリアモリー)」と「molecule(分子)」を合成したもので15年ほど前から流行ってる。
「乱交」「一夫多妻/一妻多夫」「グループ(またはフリー)sex」でもない。ポリアモリーを選んだ人たちが、分子のようにネットワークをつくり関係し合う、またはそのネットワークのことをいう。
相手は誰でもいいわけではなく、お互いに有意義であるメンバー同士がつながっていることが重要で、関係は外部にはオープンにはされない。これは、性的なことだけでなく、信頼関係や親密なつながりをメンバー(ポリキュールたち)の間で大事にされているからだという。
このアイデアにはちょっと懐かしいヒッピー的な匂いもあるが、21世紀的にラディカルなクィアの価値観が反映されているという分析もある。
海外の記事を色々みた中で面白かったのが、ポリキュールたちが現れたのは、暗号通貨やテック系のコミュニティだったというレポートだ。一夫多妻なんかに甘んじていないエリート意識の高い男女が、「関係」によって受けられるメリットを最大化した形がポリキュールで、そこには構成員間の激しいマウンティングがあるとあった。
そうなると、限られた富裕層と「選ばれし女子」たちによる閉鎖的なサークルのなかで関係を求めて駆け引きをやり合う「港区女子」(フィクションだが)も、うっすらポリキュールっぽくないかな、と、一瞬思った。
いやしかし、ドラマの中の港区女子たちの分子結合のような関係づくりは、特権階級の男からお金やステイタスを得るのが主な動機。ポリキュールというには男女のパワーが非対称すぎだ。もし「パパ活」的要素を抜いた状態で港区アクティビティが行われていたら、、、と想像するのは面白い。
港区おじさんと対等の金と実力を持った女子が、エリート意識をチカチカさせながら、分子結合的な「関係」をつくりあう。
日本では今世紀中には無理ですわな。
ちなみに、先進国で一夫一婦制を支持する若者は半数を切っているそうだ。
この古く不人気なシステムを社会の基盤としていては、少子化対策どころか、若者の精神衛生にもよろしくない。
それにしても、一夫一婦制から距離をおくために、どれだけの言い訳が生み出されていることか。その時、便利そうに見えても、あとで粗大ゴミになって動かせなくなるようなブツは、持ってはいけない。