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次の万博、束になってもEXPO'70鉄鋼館に勝てる気がしない。
「1970年大阪万博ビフォーアフター展」を取材。
70万博の花形だったパビリオン達の行く末をパネルで展示。趣向を凝らした建物やモニュメントが全国に散り、10年後に襲来したバブルとともに、テーマパークや派手好みな飲食店でもうひと花咲かせ、そのあと廃墟、、、という身の上が多くてちょっと物悲しい。
その中で、ギンギンに「まんま」な建物がこの展示の会場になっている万博パビリオン、元鉄鋼館。前川國男プロデューサーによって設計され、演出プロヂュースを武満徹が担当。建物全体が楽器となるよう設計され、1008個のスピーカーが設置された「スペースシアター」では、高橋悠治、武満徹、クセナキスのプログラムが演奏された。雅楽、天台声明、能も上演されたらしい。いやこれ、誰も止めなかったのがすごい。
館内には「スペースシアター」が復元されている。多元再生のための装置も設けられ、四方八方から音が出たそう。それに合わせて宇佐美圭司がレーザー光線の演出をした。当時のゲージュツには、打ち所が悪いと死にそうな凶悪さがあった。タイトル画像にあげた、若き日の前川、武満、宇佐美お三方の面構えを見ても、こういう狂った企画は70年の万博にしかできなかったと深く納得するところ。