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キュンがMAX!推しの3秒は私のもの〜前編〜



ついにこの日がきた。



きた。


きたきたきた。


きたきたきたきたきたきたきたきたきたきたきたきたきたきたーーー!!!!!



はぁはぁはぁ・・・(息切れ)。


鼓動が、鼓動が激しく波打つ。


はぁはぁはぁ・・・。


もう、波打ち過ぎて酔いそうだ。


私には、24歳の推しがいる。




その推しのファンミに、一緒にファンクラブに入ってくれた心友の米粉ちゃんと当選するというミラクルが起きた。

私の眠っていた乙女心がパチリと目覚め、私は来るファンミに向けて、美容院で髪を整えた。後はネイルだけ♡なんて余裕ぶっこいていたら、まさかのトラブル発生。





なんとかトラブルを乗り越え、

ファンミ前夜。
私は、愛しの推しに向けて、人生初のファンレターなるものを書いた。

なんか、告白するみたい。
ドキドキする。


その一部始終を、殿堂入りの夫が見ていた。


「ファンレター書いてたの?」


バレてた。
ちょっと、恥ずい。


ファンミに向けて米粉ちゃんとLINEで連絡を取り合う。


『何時に待ち合わせる?』

『11:15開場やから、、10:30はどう?』

『それは、早すぎるな笑。11時でもいい?先に行っててもいいよ』


会場は駅から5分くらいのところにあるから、私の早すぎる待ち合わせ時間は却下された。


『そんな、1人で行かれへん!私、もうドキドキして生まれたての子鹿みたいになってるかも』


生まれたての子鹿を1人で行かせるわけにはいかないと、11時待ち合わせにして一緒に行くことになった。


ファンミ運営側からの最終確認メールで、気になる言葉があった。


【順次退場して頂き、2時間程度を予定しております】


順次退場


これって、、、
やっぱ握手かなんかあるんじゃないのーーー!!
間違いない。
握手あるぞ、これは!!!
それか、ちょっと話せるとか?!
頭ポンポンも夢じゃないかも!!


ああ!期待に胸がZUMBAする。


私は、翌日のファンミに備えて、乳液をいつもより顔中にベトベトにつけ、早くに就寝した。


いよいよ当日。

チケットよーし!
ファンレターよーし!
推しのキーホルダーよーし!

抜け目ない指差し確認。


おっとっと。
危うくウハウハするところだったぜ。
他の男に浮かれる母に、ジェラってる息子がいるんだった。
息子にはファンミのことは告げずに「先生に会いに行く」と言ってある。
浮足立たないように、気をつけねば。


あと気になるのは、、天気だ!

私は癖っ毛だ。
雨の日は、髪の毛がクルンクルンになる。
できれば、トゥルントゥルンでいきたい。

天気は、、微妙だ。
降るの?降らないの?みたいな曇り空。


私は、ヘアアイロンをこれでもかってくらい何度もかけた。
もう人生で1番かけたかもしれない。

どーかどーか、クルンクルンになりませんように。
トゥルントゥルンになりますように。

何度も何度もアイロンをかけた。

嗚呼、、癖っ毛は辛いぜ。



さぁ、いざ出陣だ!


私は、浮き足立たないように最善の注意を払いながら、


「じゃあ、ちょっと先生に会ってくるねー」


と息子に伝え、大地を踏みしめ家を出た。

成功だ。


雨は降っていないが、なんか、蒸し蒸しする。
暑い。
やめて。化粧がはげるじゃないか。


電車の中も暑い。

ここ、弱冷車なのか?

違うな・・。

なんで、こんなに暑いんだ!
化粧がはげるじゃないか!


私が熱ってるからや


駅に到着。
まわりの女達がみんなファンミに行く人に見えてくる。


あー。
高鳴る鼓動。


米粉ちゃん。早く来て。このままじゃ私、ほんとに生まれたての子鹿になっちゃう。


米粉ちゃん現る。


「これが、噂のブラウスとカバンです。」


と、推しのために購入したアイテムを披露する私。
爆笑する米粉ちゃん。


そして、私は推しのキーホルダーを取り出しカバンにつけた。


爆笑する米粉ちゃん。


胸が高鳴りすぎて若干天パリ気味の私に、いちいち爆笑してくる米粉である。


地図を見ながら会場に向かって歩いていると、明らかに浮き足立っている乙女達がワイワイ集まっている場所があった。

あそこだ。


ドキドキドキドキ



やばい。
心臓がやばい。


もうすぐ会える。


会えるぞ!


どうしよう。
正気でいられるだろうか。


暑い。
暑いぞ。

やめて。
化粧がはげる。

っていうか、もうはげてる。


私が熱ってるからや


10分ほど時間がおしての開場。
高鳴る鼓動。


順番に中に入ると、ファンからのお花がロビーにズラリと飾られていた。


実は、インスタグラムでフォローしている推しのファンの人が、「みんなで推しにお花を贈りませんか?」という素敵すぎる企画を考えて仲間を募集していた。
私はその企画に参加し、合計42人の推しのファンの方達とお花を贈ったのである。


青と白の豪華な花。
私の名前もちゃんと書かれていた。
後から推しが見てくれることを想像すると・・・


テンションぶち上がりやんか!


もう、胸の鼓動が大変なことになりながらファンミ会場に入り、席を確認する。


席は、P列14番。


やはり、前から16列目だ。
半分より後ろの席ではあるが・・・・


なんと


私の席は


通路側!


ミラクルが起きた。
推しが、通路をもし通るなんてことがあったら、、

横を!
私の横を通るじゃないか!


あっかーーーーーん


もう、それだけで鼻血が出そう。

刻々と近づく開演時間。


高鳴りすぎてる私の鼓動はもう爆発しそうだ。


開演5分前で、ファンレターを箱に出し忘れていることに気がつき、慌てて箱に入れに行く。


読んでくれますように・・・。
と、願いを込めて箱に丁寧に入れた。



そして、席に着き開演時間になった。


流れていたBGMが止まる。


照明が落ちていく。


「くるんちゃうくるんちゃう」

「どこからどこから出てくる」

「どうしようどうしよう」


ソワソワドキドキでいっぱいの会場内。
キョロキョロ見回す乙女たち。


もう、私の鼓動は最高潮に達した。



そして



ガチャっと背後の扉が開いた。




推しが登場せぬまま、まさかの後編に続く!笑


ああ、私、私、どうなっちゃうのーーーーー!

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