レッスンについて指摘してくれたカナダ人Sさんとのレッスン
7月から新しく生徒になってくれたカナダの50代のおじさま生徒Sさんとのレッスンで新たな気づきがあったので今日はそのことについて書こうと思います。
正直Sさんとのレッスンは10回位してますが今でもちょっと緊張します。
日本語に関してはひらがなを読むところから始めた0初級。
今もローマ字がないとひらがなだけでは読めないし、カタカナは未導入です。なかなか口が回らないし、覚えられないこともあるので様子を見ながらゆっくり進めていました。
ご本人も、ちょっとづつ進めたいと希望していたので、とにかく言えるようになるまで、口が回るようになるまで辛抱強く、復習を多めに進めていました。
これでいいんだ、となんとなくペースを掴み出したとき・・・ゆっくり進みすぎてダメだったようです。(笑)
「僕は中国語を2年くらい勉強してるんだけど、先生は教えるのが早くてどんどん文法を教えていくんだ。
僕たちは日本語を練習して自己紹介と「〜は〜です。」と同じことをずっと練習してるよね。そうじゃなくて、あとから振り返ったときにあの時の文法はこういう意味だったんだ、と気づくこともあると思う。妻とも話し合ったんだけど、もう少しスピードを早めて進めてほしい。」
意訳してますがだいたいこんな感じのニュアンスの話をされていました。
あ〜このやり方だめだったんだぁ。と聞きながら心臓バクバク。
「言ってること・・わかるかな?」と言われたので(英語力!)
「(だいたい)わかりました。今日からもう少し早く進めますね!」と言って最初はぎこちない感じでしたが、いつものレッスンより倍のペースで進めました。
そしたら満足したようで、その日は無事に終わりました。
その後、英語できちんとお礼を言えなかったので、「正直に言ってくれてありがとうございます、これからも何か気づいたことがあれば言って欲しい。」とメッセージしました。
italkiには1000人を超える日本語教師がいます。
気に入らなかったら何も言わずに、パッケージを終了し他の先生に移ることなんてザラにあるでしょう。
私もitalkiで英語の先生のレッスンを何回か受けて、なんか違うなぁと思ってフェードアウトしてしまったことがあります。
でもこの方は、わざわざ知らせてくれた。
それがどれほどありがたいことかわかりません。
私は辛抱強いのは長所に入る方なんだと思うけど、それを知らない間に生徒さんにも強要してたのかもしれません。
言えるように、できるようにならないと前に進んではいけないと思ってたと思います。
でもこの生徒さんが中国語をどんなふうに学んでるのかはわかりませんが、先に学んでいくことであとから気づくこともあるという意見は言われないと気づかないことでした。
生徒さん側からしたら、何度も同じことをやらされて、言わされてうんざりしてたかもしれないし、先に進めない苛立ち、もしかしたら落ち込みもあったかもしれません。
この方は大人なので言ってくれましたがもう少し若い人だったら言ってくれなかったと思います。
私のような経験の少ない講師は、入門者から話せるようになった人のプロセスを見てきた経験が少ないし、どのように導けば話せるようになるのか、そのあたりの引き出しが少ないので、進め方が下手なんだと思います。
正直日本語学校で2年教えましたが、学校と個人で教えるのも全然違うし、英語圏の人はまたケースが違うので前職の経験はあまり参考にならないのが正直なところ。
英語圏のゼロ初級を教えたことのない私にとって、(交通事故のような自爆レッスンは一度ありましたが)指摘してくれたこと、改善するチャンスを与えてくれたこの生徒さんには本当に感謝です。
その後は、改善点として、
復習は時間をかけすぎずに進める。できなかったところは最後の数分でまた確認。
新しい文法を1レッスンに1,2つ導入+語彙を増やす。
またそれを宿題、次回のレッスンの最初に確認する。
あとは生徒さんに都度、意思を確認をするようにしてみました。
これは生徒さんによっても変わってくると思いますが・・。
基本的にこちらがリードしますが、生徒さんに「あと10分あるけど、ここから復習しますか?続けますか?ひらがなを読みますか?」とか、
語彙クイズをするときも覚えてきたと思いこまずに、
クイズに挑戦するか、まだ覚えてないなら一緒に読み合わせしますか?など。
私は勝手にゼロ初級だし私が英語で引っ張ってかなきゃ!と身構えてましたが、オンラインレッスンは生徒と講師がレッスンを一緒に作るものと今回の件で考え直し、生徒さん側にも意見を聞くようにしました。
あとは最初の頃、60分ぶっ通しで練習して相手も自分も疲れさせていたので、下手な英語でもいいからスモールトークを何箇所か必ず入れるようにしました。
正直、私のへぼい英語力では大人の会話はできませんが、それでも台風のこととか、生活のこととか、こちらも情報をオープンにして話すようにしました。話題をふるともうあとは英語圏の人は勝手に話してくれるので(笑)それに反応したりして、なんとか試してます。
やっぱりまだドキドキしますけどね・・。
また別のゼロ初級者がきたら進め方も変わると思うので、今のこの方とのやり方でどこまで話せるようになるのか、本当にこれでいいのか見えない部分も多々あります。
ただ、改善してからはSさんは積極的に文法を覚えるようになったのと、語彙もある程度覚えてくるようになったので、(やっぱり新しいことを知りたい、話したいんですよね。)いい方向には進んでいると思います。
この経験が誰かの参考になればうれしいです。
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