【第8回】「売上を伸ばすために人を増やそう」は古い

Team.mikachiは、大企業と、中小・ベンチャー企業の間で「知」の共有を促進する「ナレッジシェア」をコンセプトとしたワークショップを開催しています。直近では、7/27(土)に、(株)名入れ製作所(現(株)LESTAS)の大脇晋社長(以下大脇さん)と中辻仁経営管理室長に参加いただき、同社の採用戦略をテーマにディスカションを行いました。

※ワークショップ記事はこちら https://note.mu/mikachi/n/nfb3d896d25d9

それから1か月半がたった9月16日、LESTASの大脇晋社長に、ワークショップ後の実施状況を伺いました。

■よいアイデアに出会えた

山本(mikachi代表):先日はご参加いただきありがとうございました。イベントに参加しての率直な感想を教えていただけますか?大脇社長:正直に言って、行く前は全然期待していませんでした(笑)「自分の会社がセミナーの題材に使われるんだな」というぐらいのイメージでいたので、気づきや学びが一つでも持ち帰ることができればそれでよいと思っていました。

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ですが、参考になるアイデアをいくつも出していただくことができ、参加して良かったと今では思っています。
今回は採用戦略における課題解決ということをテーマにワークショップを実施していただきましたが、「BBQ面接」や「社長の逆面接」など、社内では思いつかなかった斬新なアイデアが出てきており、よいと思います。

私たちの会社は少数精鋭なので与えたミッションをきちんと果たしてくれるかどうかを重視しています。自走する能力があるか、職種が明確であるか、そのどちらかで採用しているため、必要な人員数を獲得るすのではなく社員の能力で勝負しています。
そのため、なるべく社長である自分自身で面接をし、将来の事業構想や計画も赤裸々に話すことで動機形成と意思決定をすぐ行なっています。

「自走する能力」をもつ人とは、より具体的に言えばきちんとした学校で勉強をしている、1社目の会社をきちんと勤めている、転職理由がきちんとしているというような人です。そういう人は最初はスキルが足りなくても、自分で勉強して追いつくことができます。
大企業出身者はジョブローテーションあるために専門性はあまりもっていません。ですが、その中でも自分で計画を立てて行動できる人がいます。そうした人は話を聞くとすぐ分かります。
また、そのようにしっかりした人で安定した大企業からうちに来るような人は相当程度覚悟が決まっています。私はそのような「地頭」と「覚悟」をもつ人であることを採用時に重視しているのです。
そういった観点からも、今回の企画で出てきたアイデアは自社の採用戦略と親和性の高いものが多くあったと感じています。

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■「売上を伸ばすために人を増やそう」は古い

山本:Team.mikachiでは、「複業」というコンセプトも掲げています。お金のためでなく、キャリア開発になるようなお仕事を他社でしてもらうということです。ワークショップ参加者が登壇企業に複業でジョインする上で、何かハードルはありますか?

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大脇社長:ハードルは別にないと思います。専門性とこちらのニーズが合えばマッチすると思います。
社名がLESTASなので、Less Taskつまりタスクを減らすことで、人数にとらわれずに仕事をしていきたいと思っています。人を増やすことで売上を伸ばそうというのはもう古い考え方。人を採るありきでなく、何が必要で、それができる人を探す。見つかったら採用するというスタンスでやっていきたいと考えています。

■「社外取締役の時間売り」

山本:mikachi をキーワードで表現するとしたら何でしょうか?
大脇社長:経営のテーマについて議論をしてくれる「社外取締役の時間売り」のような感じでしょうか。その道で経験がある人を複数人連れてきて議論をしてくれる。とてもユニークで面白い場であると感じました。
一方で、もう少し現実味もある議論が欲しいとも感じました。第三者のディスカッションから予想だにしないアイデアや発想が生み出されるところが売りでもあると思いますが、もう少し経営という観点に対して実現可能性があるところまで近づけていくことができるとより良くなっていくのではと感じました。
 また、企業側ではなく参加者観点で言うと、mikachiが取り組んでいるワークショップ活動はコンセプトがよいと思います。サラリーマンをしていると、「月次やクォーターの目標をいかに達成するか」と、日々の業務に忙殺されてしまいます。参加者はグロービスなどMBAで学んだ方が多かったと思いますが、MBAの学びとそうした日々の実務の乖離はとても大きいため、ベンチャーの経営者と話をすることで参加者本人にとっても学びになると思いました。
まだまだ発展段階だと思いますが、どんどん面白くなっていきそうな企画ですね。ありがとうございました!

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インタビュー後に、社長とスタッフ一同で集合写真を撮影!

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