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【第6回】mikachiの活動は企業の経営課題をどう解決するか

人材育成・組織文化醸成の重要度高まる


 2018年、JMAが実施した調査によれば、中小企業が現在直面している最大の経営課題は「人材の強化」です。また関連する項目として、「働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上」も、重要度を増しつつあります。

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 これらの変化の背景には、働き方改革に端を発する生産性向上へのニーズ増や、中長期的な事業成長を支える人材確保、働き方の多様化への対応の重要度アップなどが考えられます。
 さらに、3年後、5年後に重要となる経営課題として、「人材強化」は引き続きトップであるとともに、企業ミッション・ビジョン・バリューの浸透や見直し」も順位を上げています。これは、将来に向けた事業基盤強化のためのイノベーション人材育成が念頭にあると推測されます。
 今、日本経済は様々な側面において、変化と変革の時期を迎えています。国内市場における人口減の傾向、働き方をめぐる様々な価値観の変化、デジタル変革による国内外での競争激化、高齢化による中小企業における事業承継の活発化などに対応するため、競争力の中核となるコア人材を育成する必要性が、いまだかつてないほど高まっていると言えるでしょう。

ベンチャー企業の人材育成における困難

 だが、全国の約7000事業所を対象に厚生労働省の調査によれば、事業所の実に75%以上が「人材育成に課題がある」と回答しています。各種リソースが不足しがちなベンチャー、中小企業において、こうした課題が深刻になるのは、想像に難くありません。

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教育手法の新たなトレンド

 昨今、社会人向けの教育手法として、グループ単位で課題を解決する「協働学習」という学び方が注目されています。これは、グループ単位でのコミュニケーション、プレゼンテーション、役割分担、リーダーシップ体験を通して、学習者一人一人に思考力・判断力・表現力を育成する手法です。この教育手法は、学習者は主体的に学ぶことができるので、より高い学習効果を期待できるといわれています。
 旧来から、こうした教育手法は存在していました。たとえば、グループ全員でディスカションし、その内容をとりまとめ、模造紙に書き込んで、教室全体に発表を行うというようなグループワークも協働学習に該当します。しかし現在、ITとソーシャルメディアの普及により、協働学習はよりレベルの高いものが実施できるようになり、関心が高まっています。
 人的、時間的リソースに制約が大きいベンチャー、中小企業において、高い学習効果が期待できる協働学習は、魅力的な選択肢と言えるでしょう。

ベンチャー、中小企業に協働学習の場を提供するmikachi

 mikachiは、こうした協働学習のトレンドの先にある、ベンチャー、中小企業の社員を対象とした教育事業です。参加者に対して、通常業務では体験できない短時間でのチームワークとアウトプットの機会、自社・自分の強みの再認識する機会を提供できます。通常、mikachiが主催するグループワークは、次のような流れを踏んで実施されます。

・依頼企業とmikachi事務局メンバーの間での経営課題の確認、テーマ設定
・mikachi事務局による異業種・他社社員のオンライン公募
・依頼企業の経営課題について、自社、他社社員が一緒になったグループワーク(1日)
・社長による発表内容へのコメント
・異業種・他社の参加者同士の交流とネットワーキングの機会(SNSで交流が持続)

 一般的な企業研修と比較したmikachiの強みは2つあります。第一が、異業種、他社の参加者と学ぶことができるという点です。オンライン公募に参加する異業種、他社参加者は、国内MBA修了者や、マーケターなどの専門職、著名企業の社員が多い。また、自ら応募してくることから、旺盛な知的好奇心や高い志を持っている。レベルが高い異業種・他社の社員とディスカションを通し、学びの質がより高まるという点が、mikachiの強みです。
 第二が、業界、会社が違うメンバーのチームワークを支えるインストラクション手法です。バックグラウンドが異なるメンバーのチームは、その能力を発揮できれば非常に強力ですが、チーム内で不和を起こして能力発揮にたどり着けないこともあります。mikachiは、アイデア発散手法、新事業開発で用いられるデザイン思考、リーンキャンバスなどの手法を通して、異なるバックグラウンドのメンバーが能力発揮をする環境を提供するのです。

社員の行動を変えた異業種との交流 

企業側のコメント

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「mikachiでディスカション、発表の機会を得て、新入社員の行動に見違えるように自信があふれ、積極的なものに変わった」
「mikachiに参加して以来、社員の行動が変わり、新事業開発に積極的に関わるようになった」


参加者のコメント

「経営を行っているITベンチャー社長を招き、自分たちがほぼ半日程度で作ったピッチの講評をいただけるのは、非常に良い経験になった」
「短時間で、発散、良質なoutputを体験できた。テーマが仕事に直結していた」

 これらのコメントから、参加者は、異業種および他社社員とのディスカションを通し、自分、自社の常識を良い意味で壊すことができた様子がうかがえます。そして、通常の社員教育と異なり、「その場での学びにとどまり実践が伴わない」という事態に陥らず、実際に行動が変わった参加者がいることが読み取れます。

高品質のインストラクションが多様な参加者の交流を促す

 バックグラウンドが多様なメンバーのチームワークを支えるインストラクションの質の高さは、参加者の満足度によって保証されています。
  参加者満足度は、16人中12人が「非常に満足」です。サンプル数は非常に少ないですが、一般的なOFF-JTの満足度が50%程度であること、また筆者が実務で見る社内研修アンケート回答の分布は「やや満足」が60~80%を占めることと比べると、高い満足度であると評価してもよいと思います。その理由について確認したところ、異業種参加者との交流への満足度が高いことが判明しています。カークパトリックの学習効果モデルを踏まえるなら、多様なバックグラウンドのメンバーとの協働学習への満足度が高いことから、高い学習効果が発揮され、実際に参加者の中で行動変容が起きているということが推測できます。

Team.mikachiが目指す世界

 私たちTeam.mikachiは、人の体験やノウハウ、価値観、つまり「ナレッジ」を、所属する組織、業界の枠を超えて共有する「ナレッジシェア」の普及を志として活動しています。
 ナレッジは企業の競争力を左右する重要なファクターであると言われています。そうでありながら、人と人の密なコミュニケーションによってしか移転できません。そして日本では、優秀な人材とナレッジは大企業や特定業界に独占され、スタートアップが獲得するのは難しい状態が続きました。
 Team.mikachiは、そのような状態が続くとは考えません。ナレッジの移転は、ナレッジをめぐる様々な研究やITの進歩、社会の変化によって、以前よりも容易になっているからです。
 Team.mikachiは、その変化を大きな機会であると捉え、変化の激しい経済社会にチャレンジしようとする中小企業にナレッジシェアの場を提供したいと考えます。一方、大企業の若手中堅の社員にも、自社を外の目からとらえ、他流試合を楽しんでほしいと考えています。
 Team.mikachiは、チームビルディングと新事業開発のビジネスフレームワークのノウハウ、そして優秀な人材が自社以外で活躍できるようにする「複業」というコンセプトによって、遍くナレッジが共有され、皆が仕事を通して自由に生き生きとできる世界を実現しようと活動しています。

Team.mikachiに興味を持った方は、以下のURLから次回のワークショップに申し込みください!

7月27日(土) 株式会社名入れ製作所 経営課題のワークショップhttp://ptix.at/vxorct

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