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株式投資・企業分析②ラウンドワン

 企業分析の2回目はラウンドワンにします。
 書こうと思った理由として、近隣の店舗がギガクレーンゲームスタジアムと名乗り、クレーンゲームを400台近く動かすお化け店舗になっていたからです。しかも国内の過半数以上の店舗をこのクレーンゲーム超強化中で、「ギガクレーンゲームスタジアム」を謳います。

こんな広告が店舗には張り出されています

衝撃の広さ・・・

 一方で、この改装に伴い小中学生のとき、毎週のように遊んで、大好きで古くからあったメダルゲームは軒並み減台に。メダル購入は高いので、100円でできるパチスロをハイエナしてメダルを作って遊ぶのが大好きだったので、さみしい思いがあります。


・ラウンドワンの事業について

 決算説明資料を読むと、『ボウリング』、『アミューズメント』、『カラオケ・飲食』、『スポッチャ』、『クレッチャ』、『その他』とあります。
 ボウリングとカラオケ・飲食は分かりやすいですが、他の事業についてはちょっとわかりにくいので解説します。
アミューズメント・・・プライズ(クレーンゲームのこと)・ビデオゲーム・音楽ゲーム・アーケードゲーム・メダルゲームのこと。本記事で詳しく解説します。
スポッチャ・・・ふわふわ遊具やゴーカートやフットサルなど体験型アトラクションのこと。なんだか子供も楽しそう。僕もあそびたい。

クレッチャ・・・オンラインクレーンゲームのこと。(利益的には空気)
その他・・・謎。年会費の収入でしょうか?ガチャガチャはアミューズメントでしょうし・・・

 なおコロナ協力金でなんとか2022年度本決算は黒字を確保。来年からは人が戻るかどうかにかかってきますが、外で遊ぶことってダイエットにもなるのでみんな遊びましょう(適当)

・アニメブームで好調なアミューズメント事業


 ラウンドワンの売り上げの約半数に及ぶ事業で、特に引っ張るのはプライズ(クレーンゲーム)です。
 鬼滅の刃を皮切りに、家族でサブスクでアニメを見直すことで幅広い層でアニメが人気に。(最近テレビでも雑なアニメ特集が増えてるのはうむむな感じもあるけど、人気の一端を担っているのは間違いないでしょう)自分の両親が転スラを見てたのはすごくカルチャーショックを感じました。
 昔の安物のフィギュアと異なり(中国製初音ミク?など)、精巧につくられたプライズの景品は、Amazonで3000円程度で取引されるなど人気を博します。
 一例・・・https://www.taito.co.jp/taito-prize/0451476200

 ラウンドワンの2022年度3月期本決算によると、新規事業のクレッチャを除けばコロナ前の水準を唯一超えている事業であり、米国でも好調。景品の単価が安い菓子の場合、10円で遊べるなど営業努力も目立ちますが・・・


☆Tips

 このプライズの同業他社で特に強いのがイオンモールの中にゲーセンを構えるイオンファンタジーで、企業名の胡散臭さとは裏腹に女性向け(サンリオ関係や男性Vtuberなど)・男性向け(ホロライブ関連を良く入れてるイメージがあります)問わずプライズ景品を限定で供給するなどで注目を集めます。株価はかなり割高になっていて信用売りが溜まっており、今後どうなるか注目(2022/8/19現在)。

・調子の上がらないプライズ以外


 これまでプライズと並んで利益の柱であったメダルゲームは直近10年で不振を極めています(それでもビデオゲームに比べたらはるかにマシですが)。
 大型のメダル機種は500万円~4000万円で、中古台の流通や、高額なゲームはリース契約もあり小さめのショッピングセンターのゲーセンでも導入しやすく、購入すれば電気代と精々メダルの研磨・機種のメンテだけでよく、メダルは1円にも換金できないため、メダルを購入してくれればそのまま利益になる、金のなる木だったのですが・・・

https://news.yahoo.co.jp/byline/shigiharamorihiro/20190423-00122897 より引用。
ラウンドワンの資料見ても割合についてはどこにも書いてないので、最新の動向の補足として、アミューズメントの同業であるイオンファンタジーの決算説明資料(2022年2月期)を見たらプライズ55%、メダル18%、カード11%であった。

 2006年をピークに、売上は半減しています。さらに衰退したビデオゲームが艦これアーケードなどで盛り返しているのもあり、右肩下がりがなおのこと目立っています。
 機種構成も厳しく、ラインナップの半数はバージョンアップこそしているものの数年前~10年前の機種が並びます。業界の衰退もあり、大型機種の開発は2012年あたりで止まっています。
 最近では少人数型の機種にしか新台が開発されず、主観ではありますが『手抜き』を感じる台が多いです。コロナの影響もあり、開発もリソース割けないんだろうなあ・・・というのが如実に感じた今年2月に出たドラクエのメダルゲーム、なんと演出がスマホゲームの使いまわしという有様。1000円くらいで遊んでくれるファミリー層は掴めても、大金を使ってくれるファン・高齢者層たちは、旧台に足が向かうという悪循環が続きます。

メダルゲー一番人気の台。4度のバージョンアップを経ているが、なんと2006年製。
脳汁が出る演出や物理抽選で人気、減台された店でも残っていることが多い。

 ラウンドワンの面白いアイデアとしては、クレーンゲーム強化した店舗で減台したクソ台を不人気の他店に押し付けてメダルゲーム強化店としてリニューアルし、倉庫に置いておかない工夫をしています。同じ台が7台もあると話題になっていました。電気代や半導体の無駄とか言わない!
 半導体も足りず、クレーンゲームの機体を用意するのも大変、かといって倉庫に置くのもお金がかかるし・・・で閉店への口実作りじゃないといいですが。
追記…(8/22)メダルゲーム強化店に訪問しました。子供・おじいちゃんおばあちゃん中心の客層で懐かしくなる反面、手が汚れるのに石鹸は普通だったり、床は特別・非日常感あるのに他が釣り合ってなかったりと(薄汚さがある)どこかサービス不足を感じずにはいられなかったり。またメダルを大量に借りてばーっと使うことを考えられた設計でした。(追記終わり)
メダルゲーム好きとしてはもう一度子供とおじいちゃんが振り向く新台を開発してほしい。イオンファンタジーですらメダルゲームに18%もシェアあるのは調べてみて分かった。他の個人経営の小さいゲーセンが大量につぶれて流れたのもあるんだろうけど、知恵を絞れば現状維持くらいにできて、苦しいときに支えてくれる金のなる木になるかもしれません。
 セガはなんか期待できない(タイトーはもっと)からコナミさん期待してますよ。

☆Tips

 旧来のゲーセン事業で目立つのは「アピナ」で有名、東証Sの共和コーポレーション

公式サイトより。こんな感じのお店。古くからのゲーセンって感じです。


こちらも胡散臭い社名とは裏腹に2018年に上場した優待銘柄として個人株主に人気も、メダルゲームの衰退とプライズの波に乗り遅れたことで株価は上場時の3分の1に。先月オープンの愛知県の蒲郡や豊橋に構える小規模な新店はプライズ専門店として巻き返しを狙います。これが当たると面白いかも。

新店舗は太鼓の達人などを除けば、ほとんどプライズ専門。店も小規模。


 お店のツイッター見ると古い機種にもイベントを投入することや、大量にメダルを持っている人向けに、課金ガチャイベントなどを実施してメダルゲームや音ゲーを主軸にしている。意外と優待のカード含めたら高配銘柄ではあるものの、財務がよろしくなかったり。ただラウンドワンやイオンファンタジーに比べると割安感はある。現状では完全なボロ株扱いではあるけども。



・ボウリング事業

 説明いるんですかね?(暴論)。アミューズメントに次ぐ売り上げの、かつての大黒柱でした。ただ、前述のクレーンゲームやメダルゲームの大移動に伴い、2フロア⇒1フロア、レーンの減台していたりと苦しさが際立っています。また、アメリカで売上が取れていないのも気になるところ。
 個人的にはゲーム当たりの料金が高いし、運動不足でもできるのはうれしいけど、どうせ筋肉痛になるし、これやるならスポッチャで友達やお姉さんに甘えたり、体動かしたいなあ・・・ってなっちゃいます。

・カラオケ事業

 ラウンドワンは月次売上を開示しているのですが、ボウリングより実は数字が悪く、コロナ前からの落ち込みはワースト。人件費が高騰する中コロナ対策とかで清掃、マイクを消毒したり・・・とボウリングと並んで手間がかかりそうなのも考えどころ。こういうのって、ある程度省略させてあげても・・・と思っちゃいます。(競艇は光触媒コーティングを行うことで接触個所に限定できている)

・スポッチャ事業

 体を動かす体感型や、フットサルなど。友達と遊びに行くならラウンドワンっていうので盛り上がることは間違いなく、決算資料を見ても新店にこのスポッチャを付けるかを明記していることから注力がうかがえます。

楽しそう(こなみかん)

 ボウリングに次ぐ売り上げがあり、かつコロナ前からの減少幅も10%程度に抑えています。スペースを使うため郊外型の店舗に限られるものの、高額なフリーパスや3時間パスとすることで休日は待ち時間が発生するなど好評らしく、客単価もたぶん高いんじゃないですかね(適当)
 あと20時以降はカップルで子供向け施設を遊べるって試みも面白いと思っていて、ふざけた意見かもしれないですが、少子化対策的にはこういうところにお金出してもいいんじゃないかなと思っています。カップルで行くには飲食込みで1万近くついてしまうだろうし。
 個人的には3on3バスケ(半面コートでやるバスケ、五輪種目採用)は面白そうでやってみたいけど下手なのでゴーカートで・・・と思ったけど、バブルサッカーみたいにスポーツが得意じゃなくても楽しめそうなのは、いいな~って思います。

・終わりに

 高校生の時、ゲーセンでデートしていただいたお姉さんにアーケード版マリオカートでぼろ負けしたのを思い出して頭が痛くなりました。
 現状はアミューズメント、プライズの一強に支えられていると言っても過言じゃないと思う。でも、いつまでもプライズのバブルは続かないけども、クレーンゲームが過剰供給になっても人件費はかかる事業ではないと思うからそこまで心配はないのかも。ただ複合・巨大型の店舗であることから、シェアードリサーチのレポートで書かれている通り出店のリスクが大きいことは無視できません。
 コロナで人と会えない、電話はできても、。。、そんな時、友達でリアルで集まって、わいわい楽しむって言えばこういうお店。コロナで大きな打撃を受けたけど、優待で500円引きがあったり、今年9月30日の株式分割で数万円から手を出せるようになる。一度足を運んでみてはいかが?IR資料からシェアードリサーチへのリンクもあったり、資料もわかりやすかったりと面白いです。
 なお、自分はメダルゲームコーナー以外行ったことないです。ボウリングとカラオケはもっと安い店いくらでもあるし・・・とオチをつけておきます。読了ありがとうございました。

※画像について
特記なきものはラウンドワン・コナミ公式ホームページ・決算説明資料より引用


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