ありがとう、忘れないよ
つい最近、自家用車を手放した。
ほぼペーパードライバーなわたしには、夫の言う「走行距離27万キロ」が一体何を意味するのかは正直、よくわからない。どうやらめちゃくちゃ走ったっぽい、とだけ認識している。
これから先、また新しい車を買い求めるのか、それともカーシェアリングでいくのか。自分たちの価値観やライフスタイルが変化していきそうなので、しばらく様子を見るつもり。
◇◇◇
車さんとお別れするんだよ、と告げてから実際に手放す日まで、4歳児なりに色々思うところがあったようだ。
「車さん、いなくなっちゃうのさみしいな」
わたしや夫に直接そう話すこともあれば、ひとりごとのようにつぶやいていることもあった。
ある朝、自転車で保育園に向かうときのことだ。後ろから「さーよーなーら、ぼーくたちーのくーるーまー♪」(卒園式の定番曲「さよなら僕たちの幼稚園/保育園」の曲調で)と聴こえてきたときは、笑ったあとに、しんみりしてしまった。
生まれたてのこの子を乗せるため、チャイルドシートのパンフレットを集めまくった日々。
ようやく納得して買ったチャイルドシードの、取り付けかたに四苦八苦した朝。
初めて3人で温泉旅行に行った日。1時間の道中が永遠のように長く感じたな。
ギャン泣きするこの子の横に座って、ずっとおもちゃであやし続けたこともあったっけ。
4年のあいだに後部座席に取り付けたシートは2つになり、あやされていた子が今度は妹をあやすようになった。
◇◇◇
–この子との4年間の思い出には、ずっとこの車があったなぁ。
車に対する思い入れなんて、まったくないと思っていたわたしも、最後の日を前にさみしい気持ちが押し寄せる。明日はいよいよお別れ、という日に、家族全員で車の前で写真を撮って、心のなかでお礼を言った。
いままでありがとう。
たくさんいい思い出ができました。
一緒にいたこと、忘れないよ。
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今回のテーマは、「落ち込んだときに確かめたい3つのこと」です。