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高齢出産ゆえに思うこと

母親歴も10年を越えてきて、子育てのフェーズを複数経験してみて、高齢出産だとこういう展開になるんだなーと最近実感している。

まず、母親の私がすでに35オーバーとかだと、祖父母にあたる両親も当然高齢。10年前はともかく、子どもたちが小学生になった今、両親は共に後期高齢者。両親に孫と過ごす時間を十分にあげられなかったなと思う。特に、子どもたちが成長するにつれたくさんするようになったスポーツや体を動かすようなアクティビティ。父は特にスポーツ好きだったから、まだ息子たちが小さかった頃から公園に連れ出してはボールを投げてバットを振らせていた。そういえば、よく一緒に屋内プールにも行ったな。その時すでに父は70代後半だったけれど、これがあと5歳でも若ければもっと動けたのかもしれない。スキー大好きの父、まだゲレンデに出られるくらいの歳だったら一緒にスキーとかも行けたのかも。80手前になって、パーキンソンの診断が出た後ですら、一緒にスキーに行こう、と本気で言っていた。現実的に滑れるかどうかは別として、自分の大好きなスキーを孫といっしょにしたかったんだろうな。国内旅行も、小学生の子どもたちとならかなり長距離でも行ける。乳幼児の頃は長時間移動は大変でかなり制限があったけれど、今ならなんともない。今年の夏休みに行った沖縄旅行とか、両親も連れて行ってあげられたらよかったな。今年も両親を連れてディズニーランド旅行を計画していて、みんなで泊まれるホテルのスイートまで奮発して予約してあったけれど、旅行どころか父はベッドから起きあがることも困難になってしまった。

先日、息子からも「パパがあと10歳若かったらいいのに」的なコメントをもらった。サッカー大好きの息子たち、同じようにサッカー大好きなパパと週末トレーニングするのが楽しみなのだけど、パパはすぐ疲れたとか言って休憩するらしい(笑)。小学生の息子たちの体力は底知らずで、たとえ私たち親があと10歳若くてもついていけたかどうかは疑問だけど、言いたいことはわかる。息子のお友達の親御さんたちを見ていると、まあ大体5歳は若い。下手するとひとまわり下だったりするし。パパもママも中年なりに割とアクティブに子どもたちと動いているつもりだけれど、やっぱりもっと若い両親だったら違うのかもしれない。

だから高齢出産を後悔している、とかではない。自分の20代は留学したり大学院に行ったり、自分のことを十二分に満喫できた。夫と出会って、遠距離国際恋愛を経て結婚したのもその自由な20代があったからこそだし、その後子供のいない二人だけの生活期間があったのもとても良かった。そうこうしているうちに30歳を過ぎたので、不妊に悩むことになったのもまあ当然の流れかもしれない。それでも二人の息子を授かれたのは本当に幸運だった。高齢出産ゆえに両親は年をとってしまっていたけれど、母が退職したところだったから、二人の子どもたちの世話を手伝ってもらえた。産後、仕事に復帰してからも、赤ちゃんのうちはデイケアに預けずに済んだのはひとえに母のおかげ。母が何ヶ月も家にいてくれたから、長男は日本語をたくさん話せるようになった。今も、母がうちにいてくれたことの恩恵を感じている。

自分の選択と、さまざまなことの巡り合わせで、高齢出産の母親になって、自分の家族の人生はそれに基づいてつむがれていく。若ければ若かったで、また色々別の思うところがあるのだろうと思う。こうしてあげられたらよかった、は尽きないものだけれど、たぶん、何かを取れば何かを失うわけで、自分のもっているものをありがたく受け取り、かみしめていきたい。子どもがいて、まわりに家族のいる人生を送れることは私にはとても幸せなことで、かけがえがない。

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