離島移住前の回顧 2
※ヤギでてきません
1人旅は学生時代に結構させてもらえました。
スーツケースやボストンバッグ持って、電車乗って、1時間半前に空港入り。余裕持って、ゆったりとした時間、広々とした空間、何となくワクワクしている空気が満ちています。その時空間が好きでした。
最寄駅から空港に向かう電車の中で、
『久々だなぁ、ボーッと車窓の風景を眺められるの。』
いつも何かを考えてた気がします。未来の計画、過去の出来事のリプレイ。この計画は正しいか、私がした仕事は正しかったか?過去や未来を行き交い、ジャッジするような思考が大半。今、目の前に広がっている風景を周りの事を気にする事なく心静かに眺めたのはいつぶりだったかな、、。
沖縄の離島に3週間行く。けれど梅雨。でもお天気はどーでも良いのです。とにかく、時間を切り刻む事無く、のーんびりする。これが計画の全て。むしろ計画も持ちたく無いくらい。流石に、飛行機と2、3日の宿泊先は予約しましたが。
1泊目は那覇、2泊目から離島。とにかく都市部の喧騒から離れて、自然の波長の中に身を置く事を望んでました。
3週間もノープランでボーッとするなんて、今考えてみれば、バカンス上級者でない限り楽しみきれないのでは?
案の定、5日程たったら体験ダイビングという予定を入れました。その時に一緒に潜ったダイビングを趣味にされてる奥様から、
「沖縄の離島まで来て、1週間もいながら、ライセンス取らないて、バカだよ!私なんて味噌汁かき回した様な内地の海で実習してたんだから!」
と。
しかも、私の宿泊先の専属ダイビングインストラクターは、ミスターBSAC(ダイビングライセンスを出している団体の1つ)と言われる大先生という幸運。
とどめは、
「美香さんがライセンス取るなら、休み取って私もタイミング合わせて取得できる。」
という宿泊先のリゾートスタッフの女性。
これまた、
「分かりましたよ、取ればいいんでしょ!取れば。」
というノリで、4日間のダイビング研修。
私は、人間は、体一つで(ボンベこそ背負いますが)海に飛び込んでみると、何と無力なんでしょう。エラ呼吸をしながら、自在に泳ぎ回るお魚。それに対してアップ、ダウンですらままならず、ともすると、ボンベの重みで体が意思に反してくるくる回転してしまう。
けれど、静かにとどまれると、空気の小さな泡がスウッと登っていく瞬間、ボンベを介しての呼吸音が何とも心地いいんです。
「自然の中で生きてるというよりは、生かしていただいてる、今、ここに。」
を、全身で感じられる気がしました。
知らず知らず、人間様っていう意識で生きてたんだなと思い知らされた気がしました。道具を持ち使うからこそ、命を守る、繋ぐことに有利なポジションを得ているだけで。
仕事もプライベートも、夢、目標、計画を描き、それらを実現、実行しようと試み、そこから外れるとあたふたして、、そんな小さな世界に生きてたんだな、自分が地球を回していると錯覚に陥った世界。自分は世界に開かれていない。感覚的にそのように腑に落ちました。
もしかするとこの旅は、いわゆる『世界』と、その世界の中で私にとっては1番大切な存在、『私』と繋がりを取り戻すキッカケでありスタートだったのかもしれません。