にわかだっていいじゃない。好きならば。
皆さんは、好きなものってありますか?
その好き度合いってどれくらいですか?
私は20代の頃写真撮影が大好きでした。一眼レフをひっさげて、写真ワークショップに行ったり、写真仲間もたくさんいました。小さいけど個展もやったっけなぁ。
でもカメラの腕をあげることにはあまり興味がなくて、いわゆるレンズ沼にもハマらなかったし、写真学校に通ったりもしませんでした。
そして今は一眼レフを取り出すことも少なくなり、もっぱらスマホで撮るくらい。でも写真を撮ることは好きです。
好きなアーティストも何人かいます。でもアルバムはレンタルで借りてくるし、ライブも行ったことないです。
でも、好きなんです。
つまり、何が言いたいかっていうと、その好きなものに対してある程度知識があったり極めてたりしないと「好き」って言っちゃいけないような気がするけど、もっと「にわか」な好きだったとしても、声を大きくして好きって言えるようにするのも大事なんだなぁと思ったのです。
私が住んでいるところは、国宝に指定された縄文時代の土器群が出土した遺跡がある地域です。
先日その遺跡らをめぐる「縄文女子旅」というツアーが行われ、ちょこっとお手伝いさせていただく機会がありました。
▲ツアーの詳細はこちらをば。
noteにも書いてありますが、女子旅のアテンドをしていた縄文ZINEの方は「なんで女性限定なのか?」と疑問を呈していましたが(確かに集客的には限定しちゃうと大変だろうし、実際大変だったみたい)、女子のはしくれとしては女子旅に限定して正解だったと思います。
参加者の方がおっしゃっていましたが、
「男性がいると、ウンチクを語りだす人がいるし、こんなこと聞いてもいいのかなって質問しづらくなる」とのこと。
そしてツアーに関わった学芸員さん曰く、
「ある歴史イベントに男性陣が集まった時、そこかしこで持論を戦わせてケンカしていたらしい(笑)」とのこと。
おりしも「縄文にハマる人々」という、まさしく縄文にハマっている方たちのインタビューをメインに構成されたドキュメンタリー映画を見たのですが、インタビュー対象の多くは男性陣で、語る語る。その熱量たるや。
一方、今回の縄文女子旅に参加した皆さんは、縄文にハマったのがここ1~2年のわりとビギナーの方が多かったとのこと。そのハマったきっかけも多様で。
そして皆さん、周りに同じような縄文愛を持つ方がおらず、孤独を抱えているそうな。同士に会えて縄文の話をできたことも、かなり喜んでおられました。
私がお手伝いさせていただいたのは、2日目でツアーも終盤のころだったのですが、参加者同士仲良くなって雰囲気もすごく良かったです。
聞くところによると、1日目の夜には修学旅行よろしく部屋に集まって、みんなでわいわい縄文談義をしたのだとか。
ツアーのプログラムとして、縄文服(想像)を着て、弓ではりぼてのウサギを獲る体験があったのですが、キャッキャと楽しんでおられました。
男性を排斥するつもりはないけど、きっとね、このツアーに男性がいたら、雰囲気が違ったと思うんですよ。
男性の視線があるとないとじゃ、楽しみ方が変わるんですよ。なんかキャッキャできないんですよ。
んで万が一ウンチク語られだしたら、もう興ざめじゃないですか。そういうのは、求めていないですよ、と。私たちは私たちのやり方で、楽しみたいんですよ、と。
誰だって最初は「にわか」なんだし、その好きなものの楽しみ方は人それぞれ違うのだから、その好きがどんな程度であれ、楽しみ方であれ、好きなものは好きって言える寛容さって大事。
と思った、にわかづくしの私でした。
「にわかだけど、こういうツアーに参加してもいいかしら…?」という世の孤独な「にわか」縄文女子の皆様のためにも、ぜひ来年も縄文女子旅やってもらいたいです。