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曲がりすぎのサーブと喋りすぎのリベロ(ブレーザーズvsジェイテクト観戦記)

10月27日(日)
日本製鉄堺ブレーザーズ vs ジェイテクトSTINGS愛知  in 日本製鉄堺体育館 

私にとって、記念すべきSVリーグ初観戦となりました。

本当に見応えがあるゲーム、かつエンタメとしても最高だったので、この思いを残したい、誰かと共有したい、あわよくば関係者にこの気持ちが伝わればと思いnoteを綴ります。


会場について

毎度思うのですが、ここ日本製鉄堺体育館の良さは観客とコートとの近さ。
とにかく近い。

特にアリーナ席からは、選手の細かな動きはもちろん、視線まで分かるし、声もよく聞こえる。
派手な演出が映える広くて立派な体育館もいいですが、私はここが好きです。

アップ開始

最初にコートに現れたのは宮浦選手。

十戒のモーゼが海を割るように、人がさーっと左右に引けた真ん中に宮浦選手がやって来ました。もちろん、たまたまですけど。

それでも周囲の人に動じぬ佇まいは、神っぽいなと思ってしまった。


コート上に選手が増えてきて、ジェイテクトお馴染みのサッカーが始まりました。例えて言うなら、神々の遊びやね。


生で見るデファルコは表情豊かで、めちゃくちゃチャーミング。
テレビで見た破壊力満点のサーブを打つ時と、別人格がいるのかと思うくらいニコニコしながら体を動かしてました。


続いてボールを使ったアップへ。
コートの周囲に設けられたアリーナ席、中でもエンド側はよくボールが飛んできます。
特に対人パスの時は、どこからボールが飛んでくるか分からないので、スリルを味わいたい人にはお勧めです。

SVリーグになって・・・

アップが終わる頃には、立ち見が出るほど大観衆になってました。

試合開始後、すぐに気づいたのは、モニターに表示される内容が増えた事です。点数だけでなく、ローテーションも表示されるようになっていて便利でした。
(できればアジア系外国人選手の表記は漢字だけでなく、読み方がわからないのでルビを付けてほしい)

更にセット間では、前セットのアタック決定率などが表示されてました。会場観戦は自分の世界にのめり込んで見ちゃうので、客観的な数字を会場で確認できるのはめちゃくちゃ良かった。

また試合開始時は、会場MCがプレーごとに軽く実況とルール説明を加えてたのも良かった。
バレー観戦初心者に優しい配慮、ベテラン観戦者には更に楽しめる工夫があって、SVリーグの進化を感じました。

ギュンと曲がるサーブ

この日の宮浦選手はゲームが進むにつれて、サーブの調子が明らかに上がっていました。最終的にサービスエース7本。ノータッチエースもありました。

テレビで見ると早いイメージの宮浦選手のサーブですが、実際に見て感じたのは球速よりも軌道の凄さ。

ボールは宮浦選手がサーブを放つ瞬間から緩やなカーブを描き、ネットを越えたくらいから、ギュンと大きく曲がったと思った瞬間には相手のコートへ落ちるんです。
不思議なんですが、ギュンと曲がるのと同時に速度が更に上がっているように見えるんです。加速する訳はないので、目の錯覚だとは思うんですが、レシーバーとすれば、目の前で軌道を変えるサーブって取り辛いんだろうなぁと同情に近い感情になりました。

宮浦選手のサーブをアウトとジャッジして、レシーバーがサーブを避けようとするものの、ボールが予想以上に曲がって、体に触れてしまい、サービスエースになったこともありました。
まぁ、とにかくよく曲がるんだわ。これは実際に会場で見て欲しい。

お喋りリベロ

私が会場で小川選手を見るのは、この日が2度目。
初回はレシーブ力の高さ、トスの巧さなどのプレーに驚かされたけど、今回は彼の声出しの多さと、その指摘の細やかさに驚かされました。

コートの中でも外でも、とにかく小川選手は常に声を出す。

「ステイ」「コミット」「フォロー」といった守備に関わる声出しは当然で、
自陣のサーバーに対して「◯◯(ターゲットの人)」とか「テンポ」「思いっきり」など、サーブのめちゃくちゃ細かい部分まで指示を出すんです。

選手によっては、サーブを打つ前に、「どんなん打ちましょ?」って顔で小川選手を見てるくらい(もちろん、これは想像ですが)

小川選手は守備専門のリベロで、サーブは100パーセント攻撃です。
それなのにリベロがサーブについて指示を伝えてたのが、衝撃で何より面白い。

ジェイテクトの選手が小川選手の指示を受けサーブを打ち、狙い通りにターゲットがレシーブした時のブレーザーズの攻撃に対しては、面白いくらいジェイテクトの守備が機能して、きれいに攻撃まで繋がるんです。

サーブを狙って、相手の攻撃の選択肢を減らすことで、守りやすくするためにリベロが指示を出すんですね。

分かってはいたけれど、実際に小川選手の声を聞きながら試合を見ると、少し先の展開を予想しながらプレーを楽しむことができ、バレー観戦の面白さの奥行きがぐぐっつと広がりました。

おわりに

ああ、宮浦選手と小川選手の熱烈感想だけで2000文字を超えてしまった。

私がジェイテクト側に座っていたので、ジェイテクト中心の感想になりましたが、この日はフルセットの大接戦でどちらも素晴らしいプレーの連続でした。
試合を制したジェイテクトも凄いけど、必死に粘ったブレーザーズの素晴らしいこと。
選手のプレー、会場の運営、どちらも良くてSVリーグのバレーがエンタメに昇華している、と感じた試合でした。


日本製鉄堺体育館でおこなわる次戦は対VC長野戦。
何かやってくれそうなVC長野を間近で見れるチャンスなので、お時間がある方はぜひ会場へ!


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