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ある特別な人へ

彼は、特別な人間だ。こういう人が成功するのだろう。私はその人を見て、知って、なぜかわからないが直感で感じた。

周りと何か違っていて、いわゆる持ってる人というのは本当にいることをその人を通して確信した。


彼と初めて話したのは大学1年の最初の英語の授業だが、彼は覚えてないらしい。ビデオオンでブレイクアウトルームに入り、最初彼を見た時は、あーこーゆー人いるよな絶対真面目じゃないやつ、という印象だった。ただ話してみると漫画が本当に好きというのがわかった。少し興味が湧いた。
そこからあまり関わる機会がなく、ちゃんと話し始めたのはその年の冬ぐらいだった。

ジャンプで担当がついたというストーリーを見て、すぐさまDMを送った。そこから話は広がり、1ヶ月経つ頃にはLINEで電話するほどすぐ仲良くなった。彼も私も漫画家を目指して描いていたのですぐ意気投合した。彼のマンガに対しての愛情や熱量を知り、やっとこーゆー人を見つけたと思った。

そんな時だった。唐突に持ってる人という話をはじめた。私は不思議とすぐ納得ができたのと、自分ももっている人物だと知り、興奮した。ただ、自分と2人で話している時は何かあると感じるのだが、大学の男達とつるんでいる彼はそうは見えなかった。そういう時のあいつは好きではなかった。

彼のことを好きになった期間がある。
理由は様々。私は男性で運命的だと思った人物はこの人しかいない。自分の人生に何か与えてくれる人だとも思ったし、一生離れる人ことはないだろうと感じた。そして、1番のきっかけが初めて自分を理解してくれた人物だというところだ。

ただ、性的な目では一才見たことがなかった。不思議なのだが、少し卑猥ではあるがエロいなと思ったことなどは1度もない、そういう風に見れなかった。私が彼を恋愛として好きで見てた期間は、きっと離れないという何かの形が欲しかったのだろう。今はむしろ付き合ったりしていた方が壊れていたのではないかと思う。

そんな期間があったからか、相手に彼女ができたからか夏付近はあまり関わりがなく、自分も何も変わらずただ時間だけが過ぎていった。

2年の後期が始まり、また関わるようになった。彼が今まんがやってるのか、と聞いてきた。私はやってないと言った。すると「なんのために生きてんるだ、お前今生きてる意味ないよ」鋭い言葉だった。私も今のやれてない自分にムカついてたし、半分諦めかけていたことに関して強い言葉を突きつけられ、もうどうしようもなくなった。

そこから私はダメになった。好きでもない男と付き合ったり、時間を埋めるようにバイトを入れ遊びに行き、自分と向き合うのを拒絶するかのように大学生を過ごしていった。
ただ、自分じゃないと思った。それをしていきだんだん自分を見失いそうになっていった。怖かった。

そんな時、彼は自分の漫画の相方の展示を見に行こうと誘ってくれた。私は美大に憧れがあって余計楽しみだった。行って、相方に会って、作品に触れ、私は自分を見つめ直した。やる気を奮い立たせられた。

ただ、自分も漫画をやっていて、話は考えられてもネームの完成、話の完成ができなかった。またそんな時にある男と繋がりができて、どんどんダメになっていった。何度も自分が嫌いになるような行動を欲に負けながら行ってしまった。

変わりたい。彼に出会った頃のように、漫画に集中してやってる自分のことが好きになれるように。

彼に頼った。苦しいけれど相手は私のことを考えきつい言葉を投げかけてくれた。変わる決意ができた。その後も何度か私はやらかしもした。相手が幻滅するぐらい。そんな自分が嫌いで、好きになりたくて、強い人間になりたくてもがいた。

自分の力でとは言い難いが、抑制できるようになった。

彼の存在に私は幾度となく助けられた。今の自分がいるのはあいつのおかげだ。

感謝している。それと同時にやらなければならないという使命感が自分の中にある。中途半端に終われない。

私も彼の助けになりたい。恩返しがしたい。きっとそれは私が何かをやり遂げた時に同時になるだろう。

成功するかなんて誰にもわからない、けどやらなければ何もできない。時間もない。私は中途半端は嫌だ、有言実行していくために、目標を立て、作品を作っていきたい。そして、どんどん成長していきたい。


私はひとつだけ彼にお願いしたい。怖くてたまらないことがある。自殺だけはしないでほしい。自分で命を絶つ勇気だけは持たないで、人生を諦めないで、私とか周りにはあなたを自分の支えにしている人たちが多い。こわい、結婚式の想像より、葬式の想像のほうがより鮮明に見えてしまうのだ。その時私は近くにいない気がする。お互いの場所で頑張り続けている最中に起こりそうな気がする。頼りにできるのは相方だけだ、一生手放さないでほしい、離したらだめだ。1人になったあなたは不安定になりそうで恐ろしい。

いつか目の前から消えないで。



お願いだから守って。

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