見出し画像

12年振りの韓国は3つの辛くて辛い思い出と1つの優しさに出会えた旅になった

辛い辛い辛い
からいつらいつらい

12年ぶりに訪れた韓国はからくてつらい思い出が3つ残った

1つは食べ物の辛さ
よし、たくさん美味しいものを食べるぞ
と意気込み初っ端のご飯に選んだのは焼き肉

美味しすぎる味付け肉
それにピッタリ合う盛り合わせの野菜
葉野菜が消えて登場したのはししとう

ししとう…最高や…
と焼いて食べたらなんと青唐辛子

一口噛んだ瞬間にこれは違うと感じて友達にごめんと言いすぐ吐き出した

なんでや…なんで青唐辛子があるんや…
こんなん罠や…裏で「あの日本人ひっかかったな」ってどうせ笑ってるんやろ…
そんなことはもちろんなく、頬を伝う大粒の涙は止めることができずそのまま5分はコーラで口を冷やしていた

初っ端のご飯はとてもとてもからい思い出が残った

その後も何かと出てくるキムチはもちろん食べられず、最後の夜ご飯に食べたチゲ鍋は特にすごかった

現地の仕事終わりサラリーマンで賑わっていた中心地から少し離れたところに位置するチゲ鍋屋

こうゆう現地の人の食生活に少しでも触れられるようなお店が大好き

実は辛いものは苦手で、チゲ鍋は初体験

あらそんなに辛くなささそう?

と思いきやどんどん真っ赤な鍋に変化していく

さてお味は…

美味しい!
けど辛い
なぜ辛いものが苦手なのにチゲ鍋を選んだのか
旅特有の現地の人目線に立ちたい気持ちが何事にも勝ってしまい、色々なリミッターが解除されている感覚は本当に恐ろしい

あぁ。辛かったなぁ。

次はつらさ
朝鮮半島が置かれている現実の辛さ

ソウルを離れ坡州市(パジュ市)という北朝鮮と接している場所に来た
目的は鰲頭山統一展望台という北朝鮮が見える展望台に行くこと

ソウルから電車で坡州市の金村駅に降り立ちそこからローカルバス
乗り込んだバスは人で溢れかえって「みんな北朝鮮を見に行くんだな」と納得

10分くらい走ったところで乗客の9割が下車
何事かと思ったらアウトレットだった
そうかみんな見に行かないのか北朝鮮
みんなが降りるタイミングで降りようと思ったのに…結局どこで降りればいいんだ?

運転手に翻訳アプリで最寄りのバス停を聞き下車するバス停が近づくまでスマホの地図アプリで位置を確認
する必要は運転手が「降りろよ〜」と教えてくれたので今思うと必要なかったかな
バス停から展望台までは2kmの道を土日だけ出ているシャトルバスに乗ればいい

らしい…

降り立ったバス停には何もなかった…

仕方ない。2km歩くか…

誰もいないなにもない道を暑い中歩くと韓国軍が銃の装填をしていた
怖いわ…

見えてきた川
対岸はきっと北朝鮮だ
もうすぐ展望台に到着する

韓国と北朝鮮を分断する北緯38度線
そこに流れる川から北朝鮮の村を見た
肉眼でも川の向こうに田んぼと小さな建物が見える
小学校や脱穀場などがあり、人が生活している事が分かる

目に見えるほど近くにあってもパスポートを持ち川を渡り入国することはできない
他の国であれば簡単にできることがここではできない
いつか何不自由なくここを行き来することができる時代がくるのだろうか
もしそうなった時、理想的すぎるが誰一人血を流すことなく解決してほしい

北緯38度線が分断される事になったのは朝鮮戦争、その朝鮮戦争はアメリカとソ連の代理戦争と呼ばれている
現在も休戦している状態で終戦はしていない

朝鮮戦争について教科書から学び、テストで正解が取れたとしても現実は解決できていない問題ばかりだ
何が正解なのか正解があるのかわからない

ただ日本人の私は今、日本のパスポートを持って自由に韓国を旅して北朝鮮を見ている
北朝鮮側にある田んぼは金色に輝いていてもうすぐ稲刈りシーズンだ
どんな人が稲刈りをするのだろうか、その人の家族構成は?
月収はどれくらい?どこで服を買うの?
知りたいけれど知ることができない現実
対岸にある北朝鮮を見てなんとも言えないつらく悲しい気持ちに包まれた 

最後のつらさは一緒に行った友達との間に北緯38度線のようなものができてしまったこと
もちろん川が流れているわけでは無い
が、確実に目には見えない川が流れてしまった

お互いの考えや選ぶ道が合わず仕方がなかった
だけど嬉しくは…ない…

これも解決できるのか、何が正解かわからない
国同士の問題も複雑だが人間だって複雑だ

あれ、なんだろう
12年ぶりの韓国、楽しく ない?

そんな身も心もつらくてからい韓国の締めくくりはホテル近くのクッパ屋だった
ここでクッパを食べたらあとは空港へ向かうだけ

もう辛いものは勘弁だとスマホを開きGoogle翻訳に
「辛くないクッパはどれですか」
と打ち込んだ

返ったのは「English OK???」という言葉

うおお伝わらんかった
辛いはスパイシーでええのか?
いやこんな状況をメイド・イン・ジャパン・イングリッシュで乗り切るなんて数えられないくらいしてきた
しかもここは韓国
なんとかなる!とにかく辛くなければ良い!

「からくないものがいいですか?」

その時すこーしカタコトニホンゴが横から飛んできた
横のショートヘアお姉さん、日本語が話せるらしい

「辛くないクッパ…!!お願いします…!!」

「あんどんこくたんくっぱならからくないみたいです」

「じゃそれで!!」

こうやって無事に頼めた辛くないクッパはつらくてからい韓国の思い出を一掃してくれる優しく暖かな味だった

終わりよければ全て良し
この旅で体験したことはこの一言で簡単に片付けられるものではないけれど、つらくてからい思い出を体験したからこそ人の暖かさが身に染みた良い旅ができたかもしれない

先に帰るお姉さんに向けて
声をかけてくれて
優しくしてくれて
私の韓国旅を良いものにしてくれて

「お姉さんありがとう!!」

いいなと思ったら応援しよう!