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ウルトラマラソン完走までの道のり

ウルトラマラソンを完走するために一番大切なのは ”楽しむ” ことだと思います。

景色を楽しむ、エイドを楽しむ、一緒に走っているランナーや応援の人たちとの交流を楽しむ。何より走ることを楽しめないと完走は難しいです。

特に後半は疲労や痛みとの戦いです。この疲労や痛みを忘れてしまうぐらい走ることを楽しみましょう。

次に大切なのは負担の少ない走り方をすることだと思います。私は2度のリタイアで毎日ただ走っているだけではウルトラマラソンは完走できないと痛感しました。ウルトラマラソンの疲労や痛みは根性や精神力だけで打ち勝てるものではありません。

そして、からだの動かし方を学ぶようになり負担の少ないきれいなフォームを追求していくようになりました。フォームはとても大事です。日頃から歩いたり走ったりするのに必要ない筋肉をなるべく使わない動きを意識することが大切です。

■ ウルトラマラソンのトレーニング

私は10kmのビルドアップ走で負荷をかけて練習してます。平日は仕事や家族との時間も大切なため長い距離走れません。私は今のところ10km走れる時間をできるだけ調整して確保してます。

最初の2kmはウォーミングアップ
4kmまでは5分30秒。
6kmまでは5分00秒。
8kmまでは4分30秒。
最後の2kmは4分00秒。

ただ10kmを走るだけでは10kmを走れるだけの力しか身に付きません。限られた時間内でより成長していくためにどうすればよいかを常に考えて練習してます。

毎日このメニューをこなすのは辛いため水曜日までにして木曜日、金曜日は軽いジョギングで疲れをとって週末の長距離に備えます。週末60kmを走りきるための練習を平日に行うイメージでしょうか。

大会までに60km走を何回できるかがポイントになると思います。60kmまで余力を残せれば完走の可能性がかなり高まります。

そして、制限時間が13時間の大会なら大会前に13時間歩いてみるなど事前に制限時間を体験しておくといいと思います。町を13時間歩くのは辛いので登山をお勧めします。

私はトレイルランも練習に取り入れてます。トレイルのアップダウンで適度な負荷を与えながら自然の中を駆け抜けるので飽きることなく距離も走れます。ロードと比べるとよりペース配分を考えないと走り切れないのでより自分を知ることができます。

ですが、トレイルランだけをやっていてもダメです。ロードで長距離走る練習も必要です。トレイルとロードでは着地衝撃が違います。アスファルトの方が衝撃が大きいので足への負担も大きくなります。アスファルトの着地衝撃に耐えられる足を作らないといけません。さらに、トレイルランはアップダウンがあり登りは歩いたりもするので筋肉の使い方も違います。

■ レース中の戦略

ウルトラマラソンは長時間なので序盤は絶対に飛ばしてはいけません。最初はゆっくり過ぎるぐらいでないと後半確実に足にきます。

足にくるときは突然です。ちょっと前まで普通に走れていても突然足が動かなくなります。

エネルギー補給は早め早めを心がけましょう。切れてからでは遅いです。何事も先手先手を心がけることが大切です。

エネルギー補給の注意点は食べてもすぐエネルギーにならないという点です。エネルギー補給は下記の時間を計算に入れましょう。

※ 参考
・ジェル : 5〜10分以内(私の感覚)
・ 果物 : 約15分〜20分。
・ 野菜 : 約3時間。
・ ごはんなどの炭水化物 : 約3時間。
・ ナッツなどのタンパク質 : 約4時間。

■ 預けた荷物の受け取り

ウルトラマラソンはスタート前に預けた荷物を休憩地点で受け取れます。荷物を受け取れるのは前半と後半の2カ所の場合が多いです。

● チャレンジ富士五湖は2箇所
● 四万十川は1箇所。

何を預けて、何をどのポイントで受け取るのか。エイドの状況やレース当日の天候を事前に調べて戦略を練りましょう。替えのシューズ、着替えは念のため預けた方がいいです。後半は汗冷え防止や気分転換のために着替えるのもいいです。

この大会はエイドが十分だからジェルはいらない。前半はおにぎりがあるから後半ジェルを受け取るとか。大会のエイドの状況なども踏まえて戦略を練る必要があります。

戦略は人それぞれです。あなた自身の指針が必要です。

■ 走れなくなるリスクを減らす

どんなにゆっくりでも走り続けることが大事です。足のトラブルで走れなくなれば歩くしかありません。走れなくなると普段楽々走れている距離がとてつもなく長く感じます。

「これだけ進んだのにまだ1kmかぁ。普段なら5分もかからないのに。まだ残りあと30kmもあるのかぁ。関門にも間に合わないしリタイアしよう。」と心が折れてしまいます。

走るのを止めてしまう原因の一つは”痛み”です。炎症、靴ズレ、摩擦、まめ、股ズレ、捻挫、肉離れなどなど。

捻挫、肉離れは事前にストレッチ、テーピングをして予防しましょう。靴ズレ、まめ対策はこちらにまとめました。

体のどこかに少しでも違和感を感じたらその場ですぐにケアをすることが大事です。ケアでロスした時間を挽回するチャンスはいくらでもあります。

ケアすべき場面や休むべきタイミングの判断を間違えると確実に走れなくなります。走っているうちによくなるだろうと思って何もしないで走り続けて状況がよくなったことは経験上一度もありません。

例外なくこれが原因で走れなくなります。無意識に違和感がある部分をかばってしまうのでいつもと違う動きになり変なところに力が入って筋力も消耗します。

ウルトラマラソンは早朝の1番気温の低い時間帯にスタートし、1番気温の高い時間も走り続け、また寒くなってきた時間にゴールという流れです。

レース中の気象条件は時間と場所によっても大きく変化します。特に寒さ対策は必須です。足に力が入らなくなったり痛みで走れなくなれば歩くしかありません。歩いているときに寒いと心が折れてしまいます。

このことを頭に入れてウェアを考えましょう。あなたが調整したいと思ったときにいつでも簡単に体温調整できるウェアが理想です。

そして、何より重要なものは ”諦めない強い心” です。走っていると波があるのでリタイアしたくなるほど辛くなるときが必ずあります。この辛さを乗り越えれば楽になると信じてゴールまで進みましょう。でも、本当に辛い時はリタイアしましょう。

無理せずリタイアすることも大事です。私は過去2回連続でリタイアしてます。でも、何度リタイアしても悔しさをバネに闘争心を失わない限り自分自身に負けない限り恥じることはありません。

”フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度、屈辱を味わわされるだろう。打ちのめされたことがない選手など存在しない。ただ、一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする。並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い。そして、敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである。”〜 ダレル・ロイヤル(テキサス大学コーチ) 〜

■ アフターケア

レース後はおそらくまともに歩けません。特に下り坂や階段がキツいです。こんな状態では、翌日からまともに仕事はできませんよね。できるだけ早く回復するためにはしっかりしたアフターケアが必要です。

どんなに疲れていてもなるべく早く着替えましょう。そのときの気温にもよると思いますが、なるべくあたたかい格好をした方がいいです。私は初めて100kmを完走したときめんどくさくてすぐに着替えなかったのですが、しばらくすると寒気で震えが止まらなくなってしまいました。筋肉は炎症で熱を持っている感じがしますが、レース後は極度の疲労で熱を作るエネルギーがなくなるのか?体の芯が冷えてしまう気がします。

もう一点、レース後十分な水分を取らないうちにアルコールを飲むのはやめた方がいいです。完走の祝杯にお酒を飲みたい気持ちはわかりますが、レース後は極度の疲労と水分不足で血液中の水分濃度が標準値より低くなっているので急激にアルコールが回ります。

私は十分な水分を取る前にお酒を飲んでしまい、貧血的な症状になり倒れてしまいました。突然視野がどんどん狭くなってきて目の前が真っ暗になり何も見えなくなりました。水分摂取と横になったらすぐに回復し大事には至りませんでしたがかなり怖い思いをしました。

水分は体を冷やさないお湯の方がいいと思います。

■ 持ち物

ウルトラマラソンは長時間なので荷物は本当に必要なもの以外はできるだけ持たないほうがいいです。長時間走っていると痛みが出てくるので背負っていることがストレスになります。荷物が重いとさらにストレスになります。

● ウェア
※ 私は、ウィンドブレーカ、7分丈パンツ、ピッチリ長袖、半袖Tシャツで走ります。

● 5本指ソックス
※ 足の指どうしの摩擦が軽減されるので指が痛くなりにくく、力も入りやすいです。

● シューズ

● インソール
※ 足のむくみを防止するために自分に足裏に合った土踏まずを支える形のインソールを作るのが理想です。

● 防寒着
※ 大会当日の天候がどうなるわからないので。

● 時計

● 現金
※ 少なくてもいいので、緊急の場合にあった方が安心です。

● 関門時間とエイド情報が書かれたカード
※ これらの情報を把握しながら走った方が安心です。

● エネルギー源
※ 自分の好きな食べ物を食べた方が元気がもらえます。

● 胃薬


● 下痢止め


● 痛み止め(ロキソニン)
※ ウルトラレベルを走ればどこかしらに必ず痛みがでてきます。ただ、効き目が切れた時が怖いですが、、、
※ 私は薬が嫌いなので持たないし飲みませんが、たいていの人が持ってます。


● ポケットティッシュ


● バンドエイド
※ なるべく薄い方がいいです。薄くないと厚くなった分足のどこかが靴に当たるので豆の原因になり痛いです。


● エアーサロンパス


● ボルダースポーツ
※ 皮膚との摩擦を軽減してくれるので、靴ずれなどの痛みのリスクを下げられます。

● テーピング
※ 負担軽減と捻挫のリスクを減らすことができます。

● ゴール後の着替えやすい服装
※ 全身ボロボロの可能性大なので着替えるのも一苦労です。

● サンダル
※ 走り終わった後は足がかなり痛くなっているので、靴を履くのも辛いです。

● タオル

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