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私がファミリーサポートを利用しなかった理由

ファミサポ以外の選択肢

次女を出産し、長女が保育園を育休退園した当時、家事・育児の大変さに潰された話を以前書きました。→(育休退園で地獄を見た話

我が家は、夫も私も実家が遠く、日常的な両親のサポートは期待できませんし、気軽に頼み事ができる友人もいません。

そのため、日中の家事・育児はすべて、私一人で抱えていました。

ワンオペで子ども二人の面倒を見るのは、本当に地獄で、私は精神を病みましたし、虐待一歩手前の状況に追い込まれました。

夫と相談し、このままこの状態を続けるのは無理では?ということで、家事・育児のサポートを受けられる何らかのサービスを導入しよう、ということになりました。

選択肢は4つ。

・家事代行サービス
・シルバー人材センター
・ベビーシッター
・ファミリーサポート

夕方の2時間程度、子どもの相手をしてもらいたい、と思いました。

ほぼ同時進行で問い合わせをしましたが、まず、ベビーシッターは、私の居住地では、利用できる事業者が極端に少なく、料金も割高だったため、検討の段階でまず候補から外しました。

家事代行サービスとシルバー人材センターは、「紹介できる人材がいない」ということで、利用できませんでした。

両者とも、はっきり断られたわけではないのですが、何度問い合わせても「(人材を)探しているんですが、なかなか見つからなくて」と言うばかりで、これは引き受ける気がないんだな、と非常にガッカリし、諦めました。

実際、こちらから問い合わせるのをやめた後、「見つかりました」とも「見つからないのでお引き受けできません」とも、何の連絡もありません。

もう3年以上前の話ですが、今もまだ探してくれているんでしょうか?

きちんと、できないなら「できない」とハッキリ言ってくれたら、いらぬ期待をせずに済んだのに、と思います。

個人に預けることに不安があった

一方、ファミリーサポートは、一人ご紹介いただいたのですが、結局、利用はしませんでした。

私が疑問に思ったのは、利用前に、我が家の状況や、利用目的や希望、子どもの性格・特徴など、詳細な情報を申込書2〜3枚に記入することになっていたので、こちらの情報はお渡ししているのですが、協力会員さんの情報は何ももらえなかったこと。

簡単に、お名前や自宅の場所、家族構成くらいはセンターを通じて口頭で教えていただきましたが、どのような経歴の方なのかや、人となりは、最初の段階ではまったくわかりません。

ファミリーサポートの協力会員さんは、あくまでボランティアで協力してくださっている、一般の方です。

ボランティアでお手伝いをしようと手を挙げてくださっている、ありがたい方たちですが、言い方を変えれば、見知らぬご近所さんです。

また、ファミリーサポートの利用は、基本的に、協力会員さんの自宅に預けることになりますので、見知らぬご近所さんの家に、子どもを入れることになります。

そこに、どうしても抵抗がありました。

普通だったら、いきなり、知らない人に子どもを預けるなんてしないはずですが、ファミリーサポートという枠の中では、それが普通に行われることに、最後まで違和感が拭えませんでした。

極端に言えば、協力会員さんの家で、自分の子どもが小突かれたり、怒鳴られたりすることがあっても、密室での出来事ですし、小さな子どもがきちんとその被害を訴えられるかもわかりません。

これは、ファミリーサポート以外の、ベビーシッターや保育施設等のサービスでも懸念されることですが、それらは商取引であるため、契約関係として、ある程度、責任の所在がはっきりしています。

しかし、ファミリーサポートはボランティアであり、個人の善意のみに頼っています。

この善意をどこまで信用するかの問題なのです。

協力会員さんがどのような方なのかは、利用開始後、お付き合いが深まるにつれ、徐々にわかってくることでしょうが、初めから何の根拠もなく信用してしまうのは、あまりに性善説に過ぎるのでは?と思ってしまったのです。

センターの対応

そこで、私は、ファミリーサポートセンターに、「私が申込書に書いたように、協力会員さんの詳しい情報を書面でもらえるようなシステムにはできないんでしょうか?」と問い合わせたところ、「個人情報なので」との回答でした。

そうは言っても、こちらは個人情報を開示していますし、子どもを預けるという、ある意味リスクを伴う依頼をするのに、預ける相手の個人情報を知ることができないというのは、対等な関係が築けないし、非常に不安です。

このこともセンターに伝えましたが、「協力会員さんに直接確認してください」とのことでした。

先ほど書いたように、協力会員さんは、ボランティアで育児のお手伝いをやろうと思ってくださるような奉仕精神溢れる方だと思いますので、私が心配するようなことはないと思いたいですが、そうやって安心して信頼する根拠として、あらかじめ個人情報を書面で明らかにしていただく、というのがいいのではないか、と思ったのです。

しかし、センターの対応は「個人情報なので」「そういう対応はしていません」「会員さん同士で直接コミュニケーションを取ってください」「それができないというのであれば、こちらのご利用ではなく、商業的なサービスをご利用になったほうがいいのでは」というものでした。

人間関係を密に築ける人でないと無理

これは私の個人的な問題なのですが、私は、もともと人と関わるのが苦手な性格に加えて、全般性不安障害を患ってからますます拍車がかかり、社会不安障害の診断もついています。

親しい人と会うのも避けたいと思ってしまうので、知らない人に根掘り葉堀り個人情報を聞き出すのは、相当な負担です。

センターの運用として、お互いにあらかじめ個人情報を明らかにするということがシステム化されていたら、そういう負担や不安が軽減できるのでは?という提案もしてみましたが、「あくまでボランティアなので、そういうことをご希望であれば、別のサービスをご利用されたほうが……」と言われました。

それは、その通りかもしれません。

ファミリーサポートセンターは、育児のサポートを必要とする人と、提供する人の橋渡しをするだけ。

主体は、会員同士です。

ですから、コミュニケーションが取れない私のような者は、利用できない仕組みです。

しかし、私はこの時点で、家事代行サービスやシルバー人材センターを利用することができない状態でしたので、露頭に迷いました。

利用するまでが大変

ついでに書いておきますが、もうひとつ気になったのが、ファミリーサポートの利用までに、合計3回、センターの事務局に出向かないといけないのが大変でした。

まず、問い合わせに行き、申込書を受け取った後、もう一度、記入した申込書を持参します。

その後、協力会員さんとのマッチングができたら、顔合わせのために出向きます。

利用のために必要な行程だとは思いますが、その都度、小さい子2人を連れて、時間通りに遠方に出かけるのが大変でした。

問い合わせから顔合わせまで、2ヶ月程度かかったと思います。

待つ時間も長いと感じました。

家事・育児を自分たちだけで完結しなければいけない我が家

私の悪い性格で、慎重すぎ・人を疑いすぎ・心配しすぎなのかもしれません。

基本的には、(何度も書いているように)協力会員さんは、育児経験豊富な、いい方たちだと思います。

とは言っても、私が根拠もなく勝手に思っているだけですし、実際のところはわかりません。

通常の人間関係と同様、相性が合わなかったり、会員さんそれぞれの個性による違いもあると思います。

会員さん同士、ボランティアの枠を超えて、自分の子どもを見守ってくれる協力者を得るつもりで、どんどんコミュニケーションを取れる方には、利用価値のあるものだと思います。

私は、人間関係を築くことができないタイプなので、ファミリーサポートは無理でした。

ファミサポもダメ、家事代行サービスもシルバー人材もダメ、ベビーシッターも予算的にダメ、な我が家が取った選択肢は、夫の短時間勤務でした。

現在も続けている夫の短時間勤務ですが、これを選んだことによって、我が家は、大幅な収入減となっております。

このことについても、折をみて書いてみたいと思います。


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