「展覧会 岡本太郎」に行ってきました
9月17日、中之島美術館で開催中の特別展「展覧会 岡本太郎」に足を運ぶことができました。先々月からリスケを繰り返していたので「やっと行けた」と感無量です。
実は大学生のとき、表参道にある岡本太郎記念館に行ったことがあります。しかし恥ずかしながら当時は「太陽の塔の人」というイメージしか持っていませんでした。
そんな私があらためて興味を持ったのは、2年ほど前『美しく怒れ』という本に出会ったのがきっかけです。タイトルに惹かれて手に取ると、著者は岡本太郎さんでした。奮い立つような言葉の数々に、もっと知りたいと思うようになったのです。
その後『自分の中に毒を持て』『自分の中に孤独を抱け』も読了。作品を観たいという気持ちが高まったタイミングだったため、この展覧会の告知を目にしたときから本当に長い期間楽しみにしていました。
(「作品すべて撮影OK」だったのでたくさん撮影したのですが、SNSに貼るのははばられるので、作品については公式サイト等や、実際に足を運んだりして目にしていただけると幸いです。)
今回の「展覧会 岡本太郎」は公式サイトにあるように“最初期から晩年までの代表作・重要作を網羅”しています。作品リストを手にしたとき、6ページに及ぶその作品の数にさらに期待が膨らみました。
3冊のエッセイを通じ、岡本さんの考え方や主張は理解していた気でいた私。自分の目に、彼の作品がどんなふうに映るのか……と、楽しみにしながら足を踏み入れたのです。
しかし結論から言うと、次から次へ目に入る圧倒的な迫力の作品の数々に、言葉を失うばかりでした。もちろん美術館なので私語禁止なのですが、語彙を失った声を何度漏らしてしまったかわかりません。
岡本さんの作品には、必ず主張、感情、メッセージが込められています。エッセイの言葉を思い返したり、キャプションを読んだりしている限り、それは言語に置き換えようと思えばできるのかもしれない、とも感じました。
しかし、それをあえて言葉ではなく「絵」「作品」という手段で表現することで、言葉にするよりも生々しく鋭利に、ときに暴力的に、ときにあたたかいものとして、我々に訴えかけてくること強く実感したのです。
鑑賞しながら、著書にあった「命をかけて運命と対決しろ」「自分を敵だと思って対決しろ」といった言葉を何度も思い返しました。誰よりも彼がそんな想いで創作を行っていたことは、作品と対峙するといっそう明確になります。
岡本さんの名言の一つである「人生、即、芸術」。彼が初期から晩年までそれを体現していたことを、数々の作品を通して全身で感じられるような展示でした。
これはおまけですが、美術館内にやたらと「タローマン」という名のどこか既視感のあるキャラクターが展示されていました。「岡本太郎式特撮活劇」として配信されているらしい。山口一郎も出るみたいだし、ちょっと見てみようかな……
連休初日だったこともありますが、15時半に行って16時半からしか入館できず、さらに中も人がたくさん。作品数も多いので、閉館の18時までにまわりきるのがかなりギリでした。
グッズ売り場もかなりの列。並んでなんとかポストカードなどを購入しました。写真は柄がランダムのミニトートです。一番好きな青色が当たって嬉しかった。
「展覧会 岡本太郎」は今後、東京や愛知をまわっていくそうです。岡本太郎さんのことはよく知っている人も、そうでない人も、新しい発見や驚きが得られるはずですので、ぜひ足を運んでみてください。