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母のキオク

母の物忘れがどんどん進んでいってるみたいなんです。
現在80歳、古い団地で一人暮らし。
カラオケで歌うことが好きで、とても社交的な母。うちでゆっくり過ごすよりもお出かけが好き。うちにいるときも、友人が遊びに来ているか、長電話をしているか、そんな元気でちゃきちゃきの母。様子が変わってきたのは、ここ1ヶ月くらいかなぁ。つい先ほどの記憶が消えていくようになってきたのです。

一昨日、母宅を訪れたときに、友人からいただいたというじゃがいもとゴーヤを「作るんがめんどくさいけぇ」と言って私に持たせてくれました。
それを昨日肉じゃがとゴーヤチャンプルーに変身させ、
今朝届けるべく、予定通り母宅へ向かったのです。

母は自宅でおしゃれをして待っていました。
待っていたのは、わたしのことではなく、これからお出かけに連れて行ってくれるおーさんのこと。おーさんは母より10歳くらいわかいのだけど、よく母を連れ出してくれる母の友人の一人。本当にありがたい存在。
なのでわたしは肉じゃがとゴーヤチャンプルーをそそくさと渡して、「冷蔵庫にしまって夜にでも食べてなぁ」と言って早々に母宅を後にしたのです。

次の目的地へ車で向かっていたわたし。
母と別れて約10分。
と、母からの電話。運転中なので車のBluetoothを介して電話をとると、
「あんた、もううちについたん?」
って。
へっ!?間違え電話なのかとおもい
「だれに電話しょーる?」
ってきいてみると
「のぼちゃん」あっ、あってる、わたしにかけてるんだ!
「さっき会ったじゃん。おかず持ってって話したじゃん」
「えええっそうじゃったかなぁ」
「えええええ。もうわすれたん?」ってつい大爆笑。
「もうわたしはこんなんでー、いけんなぁ」
大笑いするわたし、電話越しに聞こえるおーさんと母のちょっと困ったような笑い声。
こんなことがよくあるのです、最近、はい。
はじまってるのではないでしょうか、高齢の方がよくなる症状の例のやつ。
「まあ、笑ってもらえるうちはええか」と母。

そうだね、わたしもできるだけ笑っていようと思うよ。
だって怒ったって、悲しんだってどうにもならないもの。
老化はみんなにおとずれるものだからさ。
だったら笑い飛ばして上手に付き合って、今の母の暮らしを母のしたいようにサポートしてあげよう。と思うこの頃なのです。
少なくとも今現在はそう思ってる、
けど、これからさあ、どうなっていくのやら。

なので、すこしずつこうやって日々のできごとを記録として残していこうと思った次第であります。

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