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父の日

仕事終わりのドライビング
ラジオから流れるリスナーとDJの会話は父の日について
そう言えば夢を見た
今より幾分若い父
その頃は仕事人間で疲れていた父は、休みは日も高い内から晩酌してはいつも寝てばかりいた
夢の中の若い父もやっぱり昼寝していた
幸せそうな寝顔をしてたな
嬉しそうに隣に居る母はいつもよりやけに優しくて、私に膝枕をしてくれて
なんて温かいんだ、と夢ながらも思った
産まれて今日まで、膝枕どころか、抱っこさえ記憶にないというのに
それが夢と言うものだと、寝ぼけながら薄ら笑えた
今の父と言えば、動くのは困難で、普通の生活は疎かほぼベッドか車椅子生活で誰の顔も覚えていない
家族の存在さえ忘れてしまっている
そんな父を御荷物の様に煩わしいとさえ思っていた
コロナの事が無くても会いに行く事さえ少ない自分を少し恥じた
もしも今でも元気だったなら、自粛生活も明けて、父と母とドライブしていたかもしれない
タクシードライバーだった父の運転で助手席には楽しそうに話す母が居て
私はと言えば、父が運転なのを良い事に、温かい日差しの中、後部座席でうつらうつらとうたた寝しているに違いない
そんな事を思いながらの帰路の中
なんだか悲しい歌が流れて、思いがけず元気な父の夢を見た事を思い出し、涙が止まらなかった

あぁそう言えば、今日は父の日なのか
再び実感した
お父さんごめんね
私のお父さんで居てくれてありがとう

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