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治験とは?患者さんの気になるポイント・治験参加のメリットやデメリットをわかりやすくまとめました。

病気で悩む人が支え合う患者SNS「ミライク( @MiiLike_ )」です。

「治験って聞いたことあるけど、実はよくわからない。」
「治験に興味あるけど、なんとなく怖い…」

治験という単語は聞いたことがあっても、詳しくはわからないという方は多いと思います。
人体実験というイメージを持つ方も、少なくありません。

そこで今回は治験の意義やルールについて、簡単にわかりやすくまとめました!

治験に興味がある方や、治験がどんなものか知りたい方はぜひ読んでみてください。


治験とは?ー医薬品が承認を得るための臨床試験

治療中の患者さんや健康な人に対し、薬の有効性や安全性を調べることを「臨床試験」と言います。

その臨床試験のうち、国から承認を受けるために行われるのが「治験」です。

多くの試験をクリアして医薬品として認められるまでには、およそ10~18年の年月が必要です。

治験のルール。参加者の安全が第一

参加者の安全性と権利は、GCP(医薬品の臨床試験の実施に関する基準)という厳しいルールで守られています。

【 法律・GCPで定められているルール 】
● 治験の内容を国に届け出ること
● 治験審査委員会で治験の内容をあらかじめ審査すること
● 同意が得られた患者さんのみを治験に参加させること
● 重大な副作用は国に報告すること
● 製薬会社は、治験が適正に行われていることを確認すること」

引用:厚生労働省 2.治験のルール「GCP」より

依頼主である製薬会社も治験の実施先である病院も、GCPに基づいて安全第一で治験を行います。

個人の意思や権利が尊重され、治験を受けるように強要されることはありません。また、参加を辞退することも可能です。

治験に参加するメリットとデメリット

承認販売前の医薬品の試験である治験に参加することには、メリットとデメリットがあります。

良い面と悪い面を考慮し、自分の意思で参加を決めることが大切です。

治験に参加するメリット

  • 最新の治療が受けられる

  • 薬代や検査費用の自己負担が減る

  • 詳しく検査が受けられる

  • 担当医師やCRC(治験コーディネーター)が細かく治療をサポートしてくれる

新薬は現在使用されている薬よりも、効果が高いことが期待される薬です。
最新治療を受けることで、症状が改善する可能性があります。

治験中の薬代や検査代の、自己負担額が軽減されることがあります。

治験参加者の交通費等の負担を軽減するため、費用が支払われます。

また通常の診察よりも、詳しく検査を受けられる可能性が高いです。

担当医師やCRC(治験コーディネーター)に、じっくりと相談することもできます。
検査結果についても詳しく説明してもらえるため、病気や自分の体についての知識が深まります。

治験に参加するデメリット

  • 治験薬が効かないことがある

  • 副作用が起こる場合がある

  • 受診の回数や所要時間が増える

  • 日記や記録を書く手間が生じることがある

  • プラセボや従来の薬を使用することがある

治験薬は、期待された効果が出るとは限りません。また、予期しない副作用が出る可能性もあります

ただし治験ではGCPに基づき、安全性を最も重視しています。
治験は万が一の副作用に対して、万全な対応ができる病院でのみ実施されるものです。
製薬会社の担当者が頻繁にモニタリングを行い、担当医やCRC(治験コーディネーター)が副作用のチェックを行います。

服薬や症状の記録のため、日記や記録を書く手間が生じることがあります。
これは安心・安全に治験に参加できているか、日常生活やご自宅で無理をしていないかを、医療者が確認する目的があります。

治験薬の効果を確かめるため、一部の被験者はプラセボ(偽薬)や従来の薬(標準治療)を使用します。
新しい治療を受けられるとは限らないのも、デメリットの1つです。

治験に参加する方法

治験に参加する方法は、主に以下の3通りです。

  • 医師から勧められる

  • 病院内のポスターを見て応募する

  • 治験情報がまとめられたサイトから応募する

治験実施病院の医師が、条件に当てはまる患者さんへ治験参加を勧めることがあります。
もちろん断っても問題ないです。断ることによる不利益は一切ありません。

勧めてくる医師に「なぜ勧めてくるのか」「参加するメリットとデメリットは何か」をしっかり聞いて検討しましょう。余裕があれば、セカンドオピニオンで他の病院の医師に意見を聞き検討することも一つの手です。

治験を実施する病院内には、治験参加者を募るポスターが掲示される場合があります。

ポスターを見て、患者さんから応募することも可能です。
参加条件に該当している場合、医師に相談してみましょう。

受診している病院以外で行われる治験の情報は、インターネット上で確認できます。

ミライク関連サイトのsmtでも、治験情報を検索・応募が可能です。

臨床試験マッチングサイト ⊕ SearchMyTrial

治験Q&A〜患者さんのよくある質問〜

治験について、実際に患者さんが疑問に思うポイントについて解説します!

Q.治験中の自己負担額はどれくらいですか?健康保険は適用されますか?

治験中に参加者が負担する費用は、主に以下があります。

  • 初診料・再診料

  • 入院時の差額ベッド代

  • 入院中の食事代

  • 治験に関連しない治療や検査

治験中であっても、健康保険は使用可能です。
(健康保険が適応される治療のみ)

現在治療中・入院中の方は、自己負担の範囲についてCRC(治験コーディネーター)に確認しておくと安心です。

ちなみに健康な人が参加する第1相試験では、自己負担金が発生しません。

Q.いま受診している病院で治験を受けられますか?

「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を、全て満たす病院のみが治験を実施できます。

主に必要な要件は以下です。

●医療設備が充分に整っていること
●責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること
●治験の内容を審査する委員会を利用できること
●緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること

引用:厚生労働省 1「治験」とは

現在受診している病院以外でも、治験に参加できます。

ですが、病気の状態によっては治験を受けない方が良い場合もあるため、必ず主治医に相談してください。

Q.プラセボ(偽薬)を飲むことはありますか?

治験では新薬の効果を確かめるため、プラセボもしくは従来の薬(標準治療)と治験薬の効果を比較します。

多くは参加者を2つのグループに分けて、新薬を使用するグループとプラセボや標準治療を行うグループを作ります。
どちらのグループに所属するかは選べません。

がんの治験においてもプラセボを用いることがありますが、プラセボ単独(全く治療をしない状況)になることはほとんどありません。

Q.治験の期間はどれくらいですか?

数日で終わる治験から、数年かかる治験まで様々です。

治験薬の使用終了後も、経過観察が続く治験もあります。
来院のスケジュールはあらかじめ決められているため、参加前によく確認すると良いですね。

治験の期間中であっても、医師の判断(※1)やプロトコル規定(※2)で継続が難しくなった場合には途中で中止となります。

(※1) プロトコルで絶対中止とする基準は設けられているが、患者さんの様子をみながら、基準に達していなくてもよく相談し合ったうえで中止する場合など。
(※2) 検査の基準値を逸脱した場合など。

Q.一度参加した治験は、最後まで参加する必要がありますか?

治験参加を決めても、いつでも治験参加を中止することができます。
治験開始後でも中止可能です。

中止を決めた後でも、安全管理のために検査を行うことがあります。
また、急に止めると副作用で出やすい薬は一定期間継続する可能性があります。

おわりに

「治験とは?」についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。
治験は、医療の発展を支えるために大切な試験です。
今後も、ミライクnoteや公式SNSを通じ、治験に関する様々な情報をお届けします。

私たち株式会社Buzzreachは、患者を中心にしたプラットフォームを作ることをビジョンとして掲げ、製薬企業の治験や臨床研究をテクノロジーで支援する会社です。ミライク関連サイトのsmtでは、治験情報の検索・応募が可能です。

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【記事作成】三上小夜香(薬剤師)
大手調剤薬局で勤務後、ドラッグストアのパート、派遣薬剤師を経験。
患者SNS「ミライク」note作成や日本初の臨床試験マッチングサイト「SearchMyTrial」投稿を担当しています。

【監修】中山裕樹
小児専門の国立病院で、臨床検査技師として6年間勤務。その後、臨床試験被験者募集会社にてがん領域の治験相談対応約3500人に関わる。
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