【患者SNSミライク開発者インタビュー】ユーザーに寄り添えるサービスを目指して。ミライクサービス開発の裏側
こんにちは!
病気で悩む人が支え合う患者SNSアプリ「ミライク( @MiiLike_ )」です。
いよいよ公開となった、患者SNSミライク。
患者SNSミライクは同じ境遇の人たちとつながり、実際の経験や知りたい情報を共有できるQ&Aコミュニティです。
ミライクの開発に携わったメンバーは、ミライクがユーザーさんに寄り添える場所となるべく、さまざまな試行錯誤を重ねました。
今回はその開発メンバーのひとり、デザイナー兼PMのサポート役として参加した木村さんへのインタビューをお届けします。
-患者SNSミライクの開発プロジェクトは、どんな想いで関わっていましたか?
2023年1月にデザイナーとしてプロジェクトに合流しました。
患者SNSミライクでは質問や対話を通じてコミュニケーションを行うことができます。少しでも自身の今の状態の整理ができるということは、救いになると考えています。
実は、私自身も過去に体調を崩して思うように仕事ができなかったという経験がありました。そのため病気で悩む方たちが、悩みを共有できる場をつくるということに興味があり、ミライクのようなサービスに携われたことは、非常にやりがいのあることでした。
体調が不安定になると誰しも悩みが生まれます。人に何をどこまで状態を伝えたら良いのか、毎日の中で変わりゆく体調について、悩みを持つ自分自身でさえ言語化することが難しい状態にもなるでしょう。
そういったときにミライクが寄り添えるサービスとなれたら、と考えています。
-ミライク開発には、具体的にどのような関わり方をされていたのでしょうか?
プロダクトの開発を専門とする開発チームにデザイナーとして所属しています。
開発チーム内では、ミライクプロジェクトに携わるチームが結成されており、私はミライクチームのみなさんと歩みを揃えて、プロジェクトに参加していました。
私が今回のプロジェクトに合流をしたタイミングでは、ミライクの開発は、デザインをもとにシステムを開発する所まで進んでいました。そのため、ミライクのサービスのデザインの大枠は、ほぼ仕上がっていた状態ではありました。
しかし、ミライクチームのみなさんとユーザーテストを振り返って機能の確認作業を行った際に、いくつかの機能を見直したいという要望があることがわかりました。
私が関わった部分はその機能の見直し部分がメインとなります。
デザイナーとしてはユーザーの声によりそって機能面から、より最適な形に設計していくことを重視してデザインしました。
具体的には、ミライクチームとヒアリングや議論を重ねて「機能要件」というドキュメントを整理し、見直したい部分を追加していく作業、エンジニアさんたちに伝えるための「画面設計書」というものを作成する作業、変更点を画面のデザインにUIとして落とし込んでいく作業、という部分が大きく携わったポイントとなります。
-ユーザーの声を意識したエピソードがあれば教えてください
患者SNSミライクではベータ版作成時にテストユーザーにアンケートをおこなう「定量調査」とインタビューをおこなう「定性調査」を行っていました。
機能の見直しを行った際は、そのフィードバックを活かしています。
ミライクでは以下の方たちにアプリのユーザーテストから、「アンケート」と「ユーザーインタビュー」を行って被験者の考えや理由を深掘りしていきました。
ユーザーヒアリングの結果をもとに追加の要件を定義し、これまで進めてきた内容に合わせて、再度画面設計を見直すことはデザイナーとしても良いプロダクトを作るために重視しています。このプロセスに関われたことは、私自身にとっても非常に大切な経験となりました。
-プロダクト開発の裏側についてお話を聞かせてください
ミライクチームのメンバーの多くにとっては、自社サービスの開発や、開発のためにプロダクトの要件を整理するといった対応は、初めてとなる領域でした。
そのため優先順位をつけて要件を整理し、どの機能をどこまで画面設計に反映させていくべきかなどの選択や見直しは、苦労がありました。
時には社内でも意見が割れることもありましたが、患者さんが使うSNSということを一番に考え慎重に議論を進めました。
ミライクチームには、看護師や保健師として、病院や公的機関の相談窓口で働かれていた経験がある方が多かったため、より患者さんに近い立場で意見を出してもらいました。
ときには、開発チームのメンバーにも集まってもらい、その実現性において無理がないか、他の機能との矛盾がないかなど、それぞれの立場から意見を集めてディスカッションを重ね、画面設計に反映させていきました。
開発チームのメンバーはユーザのニーズに合わせた課題を解決するための実装を行ってくれたので、みなさんがそれぞれの職域の中で大変だったかと思います。
私自身は、画面設計書をブラッシュアップしていき、仕様を確定してドキュメントにまとめていく作業や、追加の機能を今のデザインにどのようなUIで実装していくかなど、限られた時間の中で答えを見つけていく作業は想像よりも時間を要しました。
大変な作業になりましたが、みんなの想いが形になってくことにやりがいを感じました。
-大変な部分をどのように乗り越えたかエピソードがあれば教えてください。
機能の見直しは大変でしたが、ミライクチームとのコミュニケーションを活発に行うことでカバーできた部分がとても大きかったです。
今回のプロジェクトで、私はデザイナーとしてだけでなくPM(プロダクトマネージャー)のサポートも行い、PMとミライクチームと週1の定例の場を設けて、既存の機能と画面設計を見直しながら、細かくヒアリングを行い確認していきました。定例MTGで補いきれない部分はslack(チャットツール)で頻繁にやりとりをおこない、不明点や課題を洗い出して議論を進めていきました。
プロジェクトが終盤に差し掛かるに当たって、slackのコミュニケーション量も膨大になっていきましたが、皆さんすぐにレスポンスを返してくれるので非常に有難かったです。
開発チームのエンジニアさんにも、要件を決めるタイミングで実装が可能なのか相談にのって頂き、フレキシブルに対応して頂きました。
やはりコミュニケーションは大切ですね。
-患者SNSミライクの開発で、学んだことがあれば教えてください
学んだことはとてもたくさんあると思います。私自身、プロダクト開発における画面設計書の作成や、システム完成後のテストの対応など、初めての経験が沢山あり、学びになりました。
例えば、ビジネスチームと開発チームでの言葉の擦り合わせが重要であるということを学びました。同じ機能の話をしていても、機能の呼び方が人によって違うことがあり、「メッセージ」のことを「チャット」と呼ぶ人もいれば「タイムライン」と呼ぶ人もいて、事前に言葉の意味を揃えておかないと、誤解が生まれてしまいます。
機能に限らず、ドキュメントの名前や、設計書の表記などすべてにおいて認識の統一が重要となるため、決めた情報をわかりやすく共有することを心がけるということが1つ学びとなりました。
また、開発のフローが非常に重要だということも学びとなりました。機能要件のドキュメントの指示が曖昧だと開発が進むにつれて手戻りが発生することもあり、反省点として今後に活かして行きたいと考えています。
-ありがとうございました!最後にミライクのユーザーにメッセージをお願いします!
最初にお伝えした通り、私自身も体調で悩みを抱えた経験があります。病気や体調のことで悩んでいるユーザーがミライクを通じてコミュニケーションを取ることで、少しでも気持ちの整理が進んだり、心が救われる場になればよいという思いで開発に参加しています。
悩んでいるときは誰しも孤独を感じていると思います。しかし、世の中には体の不調で悩んでいる人は大勢います。ユーザー同士が交流を持つことで、誰かが誰かを救えるヒントをもっているかもしれません。
ミライクがみなさんの居場所になっていただけたら、大変うれしく思います。