「突然のがん告知、即手術を迫られた私の選択」|乳がん患者Mさんインタビュー
乳がんは、女性にとって最も身近ながんです。
実に、日本人女性の9人に1人が乳がんに。
30~40代の、働き盛りや子育て中の女性が罹患するケースも少なくありません。
突然、がんと言われたら?
治療はどのように進むの?
今回は実際に乳がんと診断され治療中の方に、お話をお伺いしました。
気になる胸のシコリ。がんが発覚するまで
ーー簡単な自己紹介をお願いします。
Mと言います、42歳です。
乳がんのステージⅢaです。
ーー診断のきっかけを教えてください。
生理が終わっても胸のシコリが消えず、気になって近所の乳腺外科を受診したところ、その場で乳がんと告げられました。
その病院では抗がん剤治療ができず、大学病院に紹介状を書いてもらいました。
即、迫られる全摘手術。選んだ結論は?
ーー治療について、どのように説明されましたか?
転院後、すぐに「来週手術できます。どうしますか?」と言われました。
手術なんて、すぐに決められないですよね…
まだ、がんということも受け止めきれていないのに…。
さらに遺伝性の、乳がんかもしれないと。
遺伝性だと再発リスクが高いから、温存せず全摘になると言われました。
ーー遺伝性かどうか、すぐにわかったのですか?
いいえ、1週間後に手術をするなら、遺伝子学的検査をせず全摘になると。
悩みましたが、まずは温存手術をすることに。
その後に遺伝子学的検査をして、遺伝性なら全摘手術を受ける事にしました。
がんの告知のショックに加えて、すぐ全摘手術の選択を迫られたことが衝撃的でした。
ーー遺伝子学的検査の結果をお伺いできますか?
やはり、遺伝性でした。
全摘手術までの間、dose-dense(ドースデンス)AC治療と、その後に週1回のパクリタキセルの投与・放射線治療を受けました。
ーー治療期間のお気持ちを教えてください。
辛かったです。言葉では、表しにくいですね…。
ですが、多くの友人や家族が心配してくれたことが励みになりました。
友達が色々と情報を調べてくれたり、驚きつつも嬉しく思いました。
がん患者の情報収集。患者同士の繋がりの重要性
ーー先ほどご友人が調べてくれたとありましたが、ご自身でも乳がんについて調べられましたか?
はい、治療について知りたくて、医師の記事を読んだりしました。
他にも、同じ遺伝性乳がんの人のブログを読みました。
患者の生の声を知りたかったからです。
薬の副作用や対処方法は、患者の生の声が1番参考になります。
副作用で苦しい時や不安なときは、検索ばかりしていました。
ーー医師に言いにくい、相談しにくいと感じましたか?
年齢的にまだまだ人生を楽しめるはずなのに、全摘すると前向きになれなくて…
自分が今後どうなるのか聞いてみたいけど、医師を信頼できないうちは聞けなかったですね。
執刀医が手術後に度々様子を見に来てくれて、信頼できるようになりました。
ただ手術跡がネットで見たものよりキレイじゃないことは、言えませんでした。
ーー現在、患者さん同士で情報交換はされていますか?
はい、婦人科がんのコミュニティに参加しています。
元の友人は大切だし感謝していますが、がん患者の気持ちはわからないですよね。
コミュニティで知り合った友人とは、病気の辛さを共有したり情報交換ができます。
やはりがん患者同士の繋がりは、とても大事だと思います。
Mさん、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。