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IT未経験で転職して社内ニートになった話


私はやる気に満ちていた。
社会人3年目、有名企業のエンジニア職への転職が決まったのだ。


新卒で入社したA社は、ITと真逆の製造業だった。
顧客とのやり取りは親会社の営業が担っており、いわゆる下請け会社であった。

研修が手厚く、人も優しく、
やりがいもそこそこあった。

しかし余裕が出てくると、余計なことを考えるのが人間の性。

このままでは、この会社でしか通用しなくなるのではないか?

"手に職"というような職種ではないし、
業界自体が今後盛り上がっていくとは考えにくかった。
"未経験"が通用するのは、今のうちではないか。

初めての転職活動は想像以上にうまくいき、
(※転職活動については、別のnoteに記載したいと思う。)
業界も業種も違う世界に飛び込んだ。


適性なしの予兆

入社して約2カ月間、ITスキルの研修があった。
お金いただきながら、勉強できるなんて
ありがたや!頑張るお!

CUIという黒い画面で階層を移動できた!

ウェブ画面に Hello World と出せた!

そんなピヨピヨは、研修の終盤、
簡易なwebサイトを作ることになった。

本を読めばプログラミングの概念はわかる。
Hello Worldも出せた。

しかし、その先が分からなかった。

無論、Hello World という表示だけのwebサイトはない。

なぜ、プログラミングを発明した頭の良い人たちは、
もっと分かりやすいものにしてくれなかったのか。


そんなこんなで、研修は終わった。

手応えは、ゼロに近かった。

これで仕事になるのか。
いやいや、最初から分かってたら、研修なんてないでしょ。

不安90%と希望10%を抱き、
最初のプロジェクトに参画した。


社内ニートになるパターン

社内ニートには、大きく3パターンあると思う。

①仕事を故意に振ってもらえない(いじめに近い)
②シンプルに仕事がない(近くの人も社内ニート状態)
③スキルが見合っておらず、仕事にならない

少なくとも②以外は結構メンタルにくる。
何もせずにお金をもらえるなんて最高!とは到底思えない。

「働きたくない〜」と言っている人は、
だいたい忙しい人だ。

出社するものの自分だけやることがなく、
周りと同じ金額をもらっているという状況は、
自分という存在価値を否定された気持ちになってしまう。
何を悠長なことをと思うかもしれないが、つらいのである。

無いものが欲しくなる、隣の芝生はいつだって青い。

いつまでも"新人"

中途という時点で新人ではないが、
まだその会社に慣れていないという意味で
転職先でも"新人"期間はある。

しかし、ずっと"新人"というのは
自分が自分で情けなくなる。

前職ではそれなりにやれたのに。
お客さんからの信頼も得られたのに。
いまはその土俵にも立てていない。

ITだからダメなのか?
いや、IT云々以前に社会不適合者だったんだと思ってしまう。

完璧主義すぎるんだろう。
でも、ありたい自分と今の状況のギャップが
受け入れられず、
自分がすり減っていくのが感じられる。

寿命を削りながら
限られた時間の中で
自分は何をしてるんだろう。

どんどん暗い方に暗い方に考えてしまう。
逃げでもある。
分かっている。いや分かりたくないのかもしれない。

これから何を優先するか

社内ニートがつらいなら、辞めればいいのだ。
分かっている。
ここで書いているのは贅沢な話であり、恵まれていることは分かっている。
だからネット上で匿名で記している。

でも、私の意識に植え付けられている"社会のレール"から外れるのが怖いし、
有名企業で成果を上げたと言えるちっぽけな見栄も欲しい。
そう、ちっぽけな、見栄を。

私が1人でどこで何してようが
誰もそこまで関心がないのは分かっている。
自意識過剰なのも分かっている。


タイミングとは難しい。

もし続けたら、
数ヶ月後には社内ニートから脱却しているかもしれない。
数ヶ月後にはメンタルが悪化するかもしれない。

もし辞めたら、
新しい道でイキイキしているかもしれない。
卑屈になってお金も尽きて、周囲の哀れな目に耐えられず死んでいるかもしれない。

仕事というものに対して、
ひいては生きるということに対して、
何を優先するかを決めなければ。

完璧主義者にとって、社内ニートは地獄である。

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