友人にお題をもらって役に立たない話を書くシリーズvol.3「雨に名前をつける」w/ オオスミさん
意味がないことを考える楽しさ
「一人反省会」ってみんなやってる?
連載3回目。普段から意味がないこと、確かに一人でいろいろ考えている気がするけども、それをアウトプットする機会というのは正直なかったので、それはそれは楽しく、そして後から読み返すとなんだかちょっと気恥ずかしい。そんな連載が続いております。
例えば、私は元「気にしい」なので、普段は人と話した内容、発言、そのときの自分の態度とか動きとかも、反芻して思い出すことが多いです。これは本当に無意識レベルでいつもしているかも。あのときこう返した方がよかったかなーとか、こういう態度の方がよかったかなーとか、もしかして相手はこう思ったかなーとか、よく考えたりします。逆に、あの返しすぐできてよかったとか、いいこと言って喜んでもらえた―とか、ポジティブに自分を褒めたりもあります。
思い出して「なんであんなこと言っちゃったのー」って赤面することはありますが、へこんだりまではないので、ただただ思い出して考えるだけで済んでます。そんな一人反省会はよくするタイプなのかもしれないです。これは普通?みなさんもするのかな?一人反省会。
ロマンチックなお題に胸が高鳴る
今回はなんだかちょっとロマンチックなお題をいただきました。雨に名前をつける。雨のことってそんなに考えたことなかったなぁと言われて思う。「雨は好きか?」聞かれたら、そんなに好きではないのかもしれません。濡れるし、傘持ってでなくちゃいけないし、服装とかも考えなくちゃいけないし、「面倒だな」と思うことが多いかもしれない。
でも確かに雨にはいろんな名前がついていて、しかもなんかすてきな名前がついていて、その経緯を考えると、実は雨は人類の歴史上みんなに愛されてきている存在なのかもですね。恵みの雨とか言いますものね。ちょっとテーマど真ん中に名前を付けるわけではないですが、このお題からのインスパイアで書きたいなと思っています。
今日も友人の紹介、お題からインスパイアされた役に立たない話、でいきます。
「意味がない、役に立たない話」に無駄に意味を付け加えないように(笑)、基本的には一筆書きで、ほぼ書き直しなしで書き上げようと思ってます。意味のなさを、役に立たなさを、楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回のお題提供者:オオスミさん
友人にお題をもらって役に立たない話を書くシリーズ、今回は、神奈川の環境分析の会社の社長さん、オオスミさんです。あ、「神奈川の社長さん」で前回の長井さんとかなり近い紹介になってしまった(笑)。
ちなみにオオスミさんも前職時代のクライアントさんの一人です。前職では中小企業の経営者向けのコミュニティを運営していたので、実は私の友人は「中小企業の社長さん」率が異常に高いです。
かなりブランディングされたコミュニティだったので、夜のにおいのしない、健全で優しい紳士的な方が多く、本当に信頼できる安心できる方が多いのです。そこで出会った方々と、すてきな関係が築けたことは私の財産だなと、あらためて思います。
オオスミさんは、古い会員さんだったので、私がその会社にジョインした約10年前にはすでにいらっしゃって、当時ふわっと知り合ってはいて、たまにギュッと密にお仕事する機会があって、を繰り返すゆるいつながりが続いていた存在です。見た目がくまさんみたいでかわいらしく(褒めてる。褒めてますよー!)、いろんな新しいことをしたいという向上心や意欲が高い人。
環境というまさにこの時代にフィットした仕事をされているので、オオスミさんのきっと先代の頃からコツコツつくってきた事業に、時代が追いついてきたという感じなのかなーと思ってます。
いただいたお題は正確に言うとこれです。
「雨にはいろんな名前があるけど、もし原さんが独自でオリジナルの名前をつけるとしたら?」ちょっといろいろ調べながら、テーマを拡大しつつ書いてみます。
何度も言いますが…→いい話とか期待しないで読んでください。
本編「雨に名前をつける」
雨にまつわるすてきな言葉
雨に名前をつける、というお題をいただいたとき、私が「すてき!名前をつけたい!」と思ったのが実は雨そのものではなく、雨が降る前の「雨のにおい」でした。
以前、自分のアロマブランドを立ち上げるときにいろいろかっこいいネーミングを調べたことがありまして、そのときに実はこの「雨のにおい」をどう言うのかも調べたことがあるんです。
雨の降り始めに地面から立ち上るにおいのことは、ペトリコール(Petrichor)と言います。ギリシャ語で「石のエッセンス」という意味。
雨のにおいが生まれる仕組みはこんな感じです。
①雨の粒が地面や葉っぱにぶつかると気泡(エアロゾル)が放出される
↓
②エアロゾルが乾燥した土や石に当たって、その成分が中に取り込まれる
↓
③エアロゾルが空気中に巻き上げられて独特の匂いが生まれる
まだ降っていないのに雨のにおいがするのは、すでに雨が降っているエリアからエアロゾルが風で運ばれてくることが原因みたいです。
いつも、不思議だったんですよね。雨が降る前に、「雨が降りますよー」と知らせるように立ち上る地面のにおい。いいにおいでは決してないと思うんだけど、不快ではない。大地のどっしりした感じとか、自然のダイナミズムを感じる。
ただ、カタカナ、ギリシャ語、「ペトリコール」というシュッとした名前が、なんか私が普段感じる、土臭い、泥臭いにおいとうまくフィットしない。「それそれ!」感がないんです。日本で感じる雨のにおいになんかそれらしい、いい名前が付けられないかなーというチャレンジ!この記事のなかで(仮)でなにか考えたいと思います。
日本語の美しさと雨
それを考える上でも、雨の名前をちょっと調べてみました。
よみかた含めて日本らしさのある名前がいっぱい。すてきと思ったいくつか紹介します!
■雪解雨(ゆきげあめ)
冬に積もった雪を溶かすように降る雨のこと
■菜種梅雨(なたねつゆ)
菜の花が咲く時期3月下旬から4月上旬にかけてまるで梅雨のようなぐずついた天気が続くこと
■春時雨(はるしぐれ)
立春から桜が咲く頃までに降るにわか雨
■催花雨(さいかう)
桜を始めいろいろな花が咲くのを促す雨
■男梅雨(おとこつゆ)・女梅雨(おんなつゆ)
降る時は激しく降るが、止む時はカラッとスッキリ晴れる梅雨の事を「男梅雨」
しとやかな女性のようにシトシトと雨が降る梅雨を「女梅雨」
■洒涙雨(さいるいう)
7月7日の七夕に降る雨
いやーなんか読み方が、日本語のよさが全開でたおやか。そしてひとつの雨を時期や降り方で、際限なく表現する繊細さと多様さが、日本人の感性を表現しててとてもよいですよね。今日の雨は「なんという雨かしら?」と考えたら雨も楽しくなりそう。
男梅雨と女梅雨は今言うと、ジェンダー差別とかどうこう言われちゃうかもね。果たしてカラッとスッキリしてるのが“男”なのかは疑義もありそうだし(笑)。でもでも、そういうネーミングもいとをかし。
「雨のにおい」に名前をつける
雨のにおいにも、この日本語(漢字+読み仮名)をつけてみたいと思います。
いろいろ考えてみました。どうでしょう?
雨石香(うせきこう)
催雨香(さいうこう)
育雨香(いくうこう)
入雨薫(にゅううくん)
催雨薫(さいうくん)
導雨薫(どううくん)
雨誘香(あまゆうか)
雨誘薫(あまゆうくん)
石はペトリコールの「石のエッセンス」から。あとは雨を誘う、催す、育てる、導くなど、雨の予感を感じる意味合いが入るとすてきだなーと思った感じでした。「薫り」は、いぶしたり、くゆらせたり、たちこめている感が「香り」よりあるイメージみたい。雨の前のあの立ち上るにおいには、どちらかというと薫があうのかも、なんて思ったり。
自分でつくったなかだと、ここらへんが私は好きかも!
<催雨香(さいうこう)>
雨を催す香り。やっぱり「雨のにおい」が雨を予告しているというか、雨を連れてきた、みたいな印象が強いのでそういうニュアンスを入れたかった感じ。「催花雨」という言葉が美しいなーと感じたのでそれオマージュで。読み方もかわいい。
<雨誘薫(あまゆうくん)>
ちょっとなんか私的にはセクシーな感じ(笑)。土臭い感じもあって、あまりにシュッとし過ぎない感じのほうがしっくりくるのかなとも思ったり。そのまま雨を誘いだす薫り、という意味です。薫を使っているのがやはり、たちこめている感、ただ爽やかに香る自然の香りではない雰囲気をだしてくれるような気がしてます。
みなさんはどうですかー?お気に入り、教えてくれたら嬉しいです。
日本語の美しさをいつか自分の香りの名前にしたい
なんだかんだ、香りの話になってしまうのは、やはり今の私には香りが一番気になるトピックだからなのかもしれません。普段、カッコよくしようと英語を使ってしまいがちですが、この日本語の美しさ、実は世界に出たければ使いこなすのが武器になるはずですよね。自分のつくっているアロマシリーズにも和シリーズつくったら日本語由来のネーミングとかつけてみたいし、そのときにこういうの参考になりそうです。
日本語の美しさを感じられるなんだか楽しいお題でした。
これだから、人からお題をもらうのはおもしろい!