友人にお題をもらって役に立たない話を書くシリーズvol.14「一番無駄だなと思う時間の使い方」w/ あきえ
自己完結しない
誰かに話を聞きだしてもらう
まずは前説として、最近の話を。先日、通っていた香りのスクールの卒業生として、インタビューを受けました。どうして起業したのか。なぜ香りの事業を立ち上げたのか。仕事の喜び、厳しさ。今後どうしていきたいのか。実は事前にこんなことを聞くよ、と連絡は受けていたので、あらかじめメモをまとめてはおいたのですが、質問に答えていたら、予定してなかったことをぺらぺらしゃべりはじめていました。話しながら、「なるほどね、私そう考えてたんだな」とあらためて気づくこと多々。
自分だけでは気づけないもの
ぺらぺらしゃべりだしたとはいっても、言っていることに嘘はなくて、もちろん事前に用意していた言葉にも嘘はなくて。ただ、言語化していなかったことや意識して人に話してなかったことが、質問に答えているうちにぽろぽろこぼれてきちゃったんです。しかもそれがめちゃくちゃ核心をついていたんです。人とおしゃべりしているときも感じるけれど、話しながら自分の考えていたことが明確になっていくことや、自覚されるってことってありますよね。一人で黙々と作業したり、うんうん考えたりすることも大事だけど、誰かに話を聞いてもらうこと、質問してもらうこと、意見を聞かせてもらうことには、まったく別の価値と意味があるんだと思います。
本質的な問いへの答えをうっかり知る
今回のインタビューでいうと、「私は香りの事業でなにをしていきたいのか」という大きくて大事なことが突然明確になったんです。思いがけなさすぎて「うっかり言ってしまった」というのがしっくりくる(笑)。これを機にはっきりと言語化できたんです。1つ1つの案件で実現したいことややりたいことはもちろんその都度感じているし、なにをしたいという言葉も今までいろいろ用意していたけれど、もっと本質的な「やりたいこと」の解像度があがりました。それはぜひぜひ、記事で読んで欲しいなーと思うのでここでは触れないでおきます。
Scenting Director ハラミユキです。
ここでは書くのは初めてかもってことを書いてみます。私は、香りの勉強をして、香りの事業を始め、香りをクライアントさんに提供して、ということを独立後やってきているのですが、私は自分で香りをブレンドする調香師というわけではありません。目指しているわけでもありません。では、なにをしているのかというと、デザインの分野で「アートディレクション」という仕事があるのですが、この香り版とも言える「センティング・ディレクション」をやりたいと言い続けています。クリエイターと企業の間で、コンセプトをカタチにしていく役割。そういう仕事が好きだし、しているし、したいのです。ということで、最近は自分の肩書としてScenting Director(センティング・ディレクター)を名乗っています。
自己完結しない余白を楽しみたい
自分でコンセプトをたてて、自分でつくって、というのももちろんできるし、ありなのですが、私はそれじゃおもしろくないなと今は思っているんですよね。前職時代からデザインをつくるときや、映像をつくるときにずっと感じていたのは、ディレクションする側のアイデアに、クリエイターのアイデアが乗っかって、よりおもしろいものができることのすばらしさでした。一人では決してたどり着けなかったであろう場所に、プロとプロの化学変化が連れて行く。クリエイターやアーティストの方を基本的に私はめちゃくちゃ尊敬していまして。ディレクションを踏まえてその道のプロが独自の解釈とアイデアを発揮してくれる瞬間がとても好きでした。
一人でやりすぎない大切さ
組織にはあまりなじまない(笑)一匹狼タイプの私ですが、こういう仕事では、人と一緒にやるおもしろさを信じてます。それこそ若いときは、全部自分で背負いこんで、なんでも一人でやろうとしていたころもありました。いろいろな経験を経たうえで、独立してからは、「一人でなんでもやりすぎない」を自分に言い聞かせ、強めに意識してます。それぞれの分野のプロに任せる。自己完結しない。というのが私が自分の会社でしたい仕事のスタイルだと思います。
ある意味役に立たない話も
そう、この役に立たない話も、人からお題をもらって書く、というゆるめの化学変化を楽しんでいるもののひとつ。自己完結しないおもしろさをきっと読んでくれている人も感じてくれている…はず!ちょっと派生でいうと、仕事で生成AIに文章作成お手伝いしてもらったり、そこそこデジタルも活用してはいるのですが、役に立たない話は完全につらつら手書き。書きながらいったりきたりして思わぬ気持ちが発見できたり、表現が生まれたりするのも、人とおしゃべりしてて思わぬことに気づけるのと似ている感じもします。あえて直線距離で行かない、それもまた楽しいよね。ということで、今日も張り切ってまいりましょう。
本日もお題をくれた友人の紹介、お題からインスパイアされた役に立たない話でいきます。「意味がない、役に立たない話」に無駄に意味を付け加えないように(笑)、基本的には一筆書きで、ほぼ書き直しなしで書き上げようと思ってます。意味のなさを、役に立たなさを、楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回のお題提供者:あきえ
あきえちゃんは、高校時代のお友だち。学生時代の友人も、激務時代にほぼ会えなくなり、徐々に減っていった感がありますが、高校生のときから、のんびりマイペースな性格があって、ずっと仲良くしてくれているお友だちです。頻繁に会うわけではないけれど、年に3回くらいかしら、たまに会って近況を報告しあっています。私はいつの間にか同世代の友人たちとは、全然違う環境になっていまいました。結婚も出産もせず、仕事に邁進して、環境が大きく変わってしまったけれど。そんな風にまわりの環境とか価値観とか、変化していってもお互いを尊重しあえている感じがとても好きで居心地がよいんです。
お互いの変化をおもしろがれる相手
自分が知らない相手の環境を「へーそうなんだ!!」って新しく知りながら、言い合えるのは実は楽しいよね。あきえちゃんは3人のママで、同業者の旦那さんと家族で暮らしてます。仕事もしながら育児や家事にも奮闘。が、独特の力の入らない向き合い方をしてて、ゆるくてなんかいい。固定概念とかにあんまり縛られずわが道をいく性格なのが一緒にいて安心します。女同士の友人関係はまわりの環境が変わって継続していくのが難しいってよく言われるけど、それを楽しみあえたら最高だよね、と思う。類友ももちろん楽しくて最高だけど、似たような環境や価値観の人とだけつるんでいると、そこに考えが固定されてしまうから、それもあんまり健全じゃないよなーと個人的には思う。一見広く見えるけど、似ている人ばかりの狭い世界。そうならないように、私は気を付けるようにしてます。
そんなあきえちゃんがくれたお題がセンスありすぎて、さすがやーと思いました。ではでは本題へいざ!
本題「一番無駄だなと思う時間の使い方」w/ あきえ
お題のセンスが好きすぎる
このお題最高じゃないですか(笑)。聞いた瞬間、なにそれセンスある―!ってついつい言っちゃったよね。「あー無駄にした」って思うこと生活の中に実は結構ひそんでいると思うのでそれを思い出しつつ書いてみます。一個に絞れず、とりあえず3つ書きます。読んでくれている方に共感してもらえるものあるかなー?
MTG終りの「今なんの時間?」
私が実はとっても苦手な時間…それは「今なんの時間?」って感じるときです。私、実は仕事はめちゃくちゃ効率的に合理的にやりたいタイプでして、この理由なき目的なき時間がとても気になる。いやね、雑談とか否定しているわけではまったくないんです。私も雑談するし、むしろ積極的に。でもMTG終わって、ちょっとアフタートークも終わって、その後にある終わっていいのか、いけないのかの、謎の時間たまにないですか(笑)?リアルだったら、「席立っていいのか?」、オンラインだったら「退出していいのか?」を迷う。一応リーダー的な人の「じゃあ、これで。ありがとうございましたー」待ちなんだけど、なぜか全然言わない!…なんでー。お願い言ってー。ってやつです。
終わったら速攻帰りたくなるタイプ
MTGだけに限らないですが、意味ある雑談とか、余白だったら全然いいんだけど、別にしゃべることもなく、することもなく、なんとなくあいてしまったけど、解放されない謎の時間。イベント終りの「今なんの時間?」とかもあるなー。私は誰かに用がある時以外は、終わったら速攻帰りたくなるタイプなので、とっても苦しい(笑)。でもねでもね、「まじで何の時間?帰っていいですか?」って思ってた時に絞りだされた会話が、仕事のアイデアにつながった瞬間も実はみたことありまして。いやーあながち意味なくないのか!?と思ったことも実はある。無駄かどうかの判断むずい。
まずいものを食べたとき
私一個前の役に立たない話にも書きましたが、食べるのが大好きでして、その反動で「あーすべてを無駄にした―」とかなり凹むのがおいしくないものを食べたとき。行くコスト、払ったお金、すごした時間、結構かかってる。こんなに労力かけたのにマズいということが結構我慢ならない!さらにおいしくなかったのに、おなかはいっぱいになっているという事実がまたもったいなくて(笑)、相当ショックを受けます。しかも今の時代、おいしくないものってなかなか出会わなくないですか?飛びぬけておいしくはなくても、そこそこおいしいものを出しているお店がほとんどだと思うんです。そんななか、引き当ててしまい、かつ普通もしくは普通以上の金額するときとか。あー凹む(笑)。
珍しいからはっきり記憶にある
一番直近だと、あまり行かない場所(関東近郊でちょっとだけ田舎)に仕事で行って、おなかがすいて帰りに寄ったランチの焼肉屋さん。普通に1000円オーバーのそこそこの金額払ったのに、お肉カッチカチ、ご飯はあきらかに一日保温されてた味。バスに乗って駅まで戻れば、駅ビルがあってお店いっぱいあったんだけど、あえてこういう奥地のなかなか行かないお店も行ってみたいなと好奇心が湧いて行った感じでした。あー、素直に駅まで戻ればよかった、とめちゃくちゃ後悔しながらバスに揺られたことまで鮮明に覚えてる!食に貪欲だからこそ、後悔もすごい(笑)。ということで事前のリサーチ、口コミチェックはやっぱり大事だよね。そして東京のおいしいもののレベルの高さ。コスパの良さを改めて感じて感謝する。1000円以下の絶品店もごろごろあるもんね。うーん、そう思うとたまにまずいのを引き当てるのも大事なのかしら?
動画シリーズを観終わった後
ここのところ、ネットフリックスで動画を一気見するのが自分のなかで頻発してるんですが、これ観終わった後も感じる。「時間溶けた…」と。最近だと「涙の女王」「隣の男はよく食べる」「地面師たち」「トークサバイバー シーズン1」「トークサバイバー シーズン2」を一気見してます。いや、おもしろい、おもしろいんです。おもしろくないのは途中でやめてるんでね。最後まで観てるってことはとってもおもしろかったということなのですが、すごい時間をかけちゃってるんで、時間溶かした感はものすごいです(笑)。
無駄だけど無駄じゃない
とはいえ、地面師とかは特におもしろくて、まわりの人みんな観てるから、めちゃくちゃ楽しいおしゃべりに結びついてます。観ておもしろかったのは、人にめちゃくちゃすすめて観てもらったりもしてる。会話も楽しみも共有できるし、あとは世の流れも感じられたりする気も。こういう動画系の娯楽は、忙しかった時代はまったく手を付けられなかったので、今は時間を無駄にしてるなーとは思いつつ、楽しめる余裕が嬉しかったりもしてます。無駄なことって、無駄にみえて、全部が全部無駄じゃなかったりもするんだなー。
ちなみに、「トークサバイバー」のシーズン3が数日前から公開されているらしい。また時間溶かしてきます!