前田公輝という役者
ここ最近一人の役者が気になって仕方ない。それは前田公輝という役者だ。
最近では「江戸モアゼル」というドラマに主要キャストとして出演している。
「江戸モアゼル」は日テレで木曜の…え、23:59から放送されているドラマらしい。今調べてて驚いた。これ、深夜ドラマだったのか。まぁ、Huluに加入し、時間のある時に観ている私には関係ない。
このドラマ、江戸時代の花魁が令和の現代にタイムスリップしてきて、現代の日本のトラブルを花魁のノリで裁いていく。もちろん恋愛要素もありのコメディドラマだ。主演は岡田結実さんで、これが初主演じゃないだろうか。ストーリーは先が読めてしまいそうなもので、設定も別段珍しくない。むしろこういう設定すら珍しく感じなくなってしまったこの世の中で目新しい設定の物語を作っていく人は本当にすごい。神の啓示なんかあるのだろうか。
何はともあれ、私はこのドラマを前田公輝くん狙いで観ようと思った。
彼はドラマ版デスノート(主演が窪田くんの方の)で若手刑事役を演じているときに知った。妙に台詞回しが上手くて、縁起っぽくなく、自然に長い台詞を喋る。しかも滑舌の良さと声の良さなのか、早口でまくし立ててもめちゃくちゃ聞き取りやすい。これは私の中で高得点でほかの出演作をチェックした。しかし彼は天才テレビくん出身の芸歴が長い役者にも関わらずまだ主要なキャラクターを演じた作品が少ない。何をやっているんだハロプロは。しかし、ここ最近はハイアンドローシリーズや貴族誕生?というホスト系ドラマの主要キャラクターに抜擢され、そのキャラのイメージも相まって若干アイドル的な扱いになりながらその名前を上げているようだ。上記二つの映画も観てみたが、やはり演技力が高いと感じた。昨今、もともと目力の強い若手役者が多い気がする。はっきりした顔は舞台映えする。しかし、彼は結構つぶらな瞳をしているので目力には頼れない。しかし、表情がいいのだ。なぜかと思って注視していると、表情を変えるたびに顔の各所に皺が寄るのだ。これがかなり演技をドラマティックにしていると思う。
彼をハイアンドローシリーズの轟役で観た。ワンレンショートボブで眼鏡。冷たい印象。その感じ、どこかで見たことがあると思ったら、アラン・リックマンだった。パッと顔が思い浮かばない方はぜひGoogleでアラン・リックマンを画像検索してほしい。特に若き日の彼を。私は彼が今は亡きアラン・リックマンの若き頃に無茶苦茶似ている気がしてならない。いや、もう前田公輝くんは和製アラン・リックマンだと思っている。ということは、大成するに違いない。アラン・リックマンは主演はそこまでたくさんこなしてはいないが、「ハリーポッター」のスネイプ役や「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」のターピン判事役、「ラブアクチュアリー」のハリー役など名作には欠かせない存在になっている。きっと彼もそうなるに違いない。芸歴は長くともまだ若いので、奢らず謙虚に、ひき逃げや薬物に手を染めることなく健全に役者道を突き進んでほしい。
彼は年齢を重ねるごとに渋みを増していく役者だと思う。きっと事務所もそれを想定しての売り込み方をしているんだろう。きっとそうだろう。でも深夜帯ドラマじゃなくても良くないか?そして私の愛してやまない脚本家、坂本裕二さんのドラマに出演させてください。坂上さん特有の役者泣かせの長い台詞回し、彼ならできる。絶対。しかもすごく相性がいいと思う。ほんと、ここ数年のうちにお願いします(平伏)